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「昭和天皇記念館」開館(神社本庁所感) 出典:平成17年12月2日付け「月刊若木」
神社本庁は昭和天皇の御聖徳を仰ぎ奉る心を伝へる運動の一環として、昭和天皇の御 聖徳を広く顕彰する事業を展開している財団法人昭和聖徳記念財団(綿貫民輔会長)の 諸活動を支援して参りました。 そしてこの度、この財団の事業の柱である、昭和天皇の御聖徳をたたへ、その御人柄 をお偲び申上げるとともに後世にその御功績を伝へ継ぐことを目的とした施設として「 昭和天皇記念館」が完成し、十一月二十七日より一般公開されてをります。 この記念館は、昭和天皇並びに香淳皇后の御遺品や写真・映像などの貴重な資料によっ て、昭和の御代を顧みるとともに、常に国民の幸せを願ってこられた昭和天皇の御心と 御姿を、あらためて仰ぎ見ることのできる内容となってをります。 建物は、緑を愛された昭和天皇の御在位五十年の記念事業の一環として東京都立川市 と昭島市にまたがり設置された、国営昭和記念公園内の「緑の文化施設ゾーン」に建て られてをり、どなたでも拝観することができます。 ここに、記念館開館までの経緯と展示品の概要を紹介致しますので、氏子・崇敬者の方 々をはじめ広く拝観の勧奨をお願ひする次第であります。 △「昭和天皇記念館」建設の経緯 六十有余年に及んだ昭和の御代は、世界情勢の著しい変化と、敗戦、国民一丸となっ た復興など、我が国史上に例をみないほど激動の時代でありました。 昭和聖徳記念財団は、この昭和の時代、国民と苦楽を共にされながら、日本と世界の 平穏、国民の幸せを願はれ日夜御心を砕かれた昭和天皇の御聖徳を永く後世に伝へ継い でゆくことを目的として、平成四年一月七日に発足し、数々の事業を展開してきました。 財団は生物学、医学等の学術研究への助成や青少年の健全育成及び自然環境保全のた めの社会活動、昭和天皇の御事跡に関する講演会などの活動を積み重ねてきましたが、 「昭和天皇記念館」はより多くの方を対象に昭和天皇の御聖徳を伝へる施設として、計 画が進められてゐました。 この間、バブル経済崩壊による長期の景気不振などにより、建設予定地の変更や着工 時期の変更などがありましたが、財団による弛まぬ努力の結果、平成十四年四月に国土 交通省より昭和記念公園内に記念館を建設することが正式に発表され、翌十五年に着工 となりました。記念館の建物は国土交通省が建設し、都市再生機構の特定公演施設とし て設置管理され、昭和聖徳記念財団が内装設備等を実施の上、御遺品などの展示・管理運 営を行ふものです。 また、経済の復調とともに事業に対する募金活動も順調に進み、昭和聖徳記念財団に 対し全国から寄せられた浄財は、記念館の内装、設備、展示工事に充てられ、厳選され た展示品の準備も整ひ、この度、目出度く開館の運びとなりました。 △展示品の概要 開館当初の展示内容は、平常展示の「昭和天皇の八十七年のご生涯」、「昭和天皇生 物学ご研究」と開館特別展示の「昭和天皇とあけぼのすぎ − 昭和天皇と香淳皇后の歩 まれた日々 −」の三部構成となってゐます。 「昭和天皇の八十七年のご生涯」では、経済恐慌、戦争、終戦、復興、高度成長と目 まぐるしく変化した時代に昭和天皇がいかにあらせられたかを、御製をはじめ貴重な写 真、映像、ゆかりの御品を通してたどる内容となってゐます。 「昭和天皇生物学ご研究」では、生物学御研究所の一部を復元展示するとともに、御 採取になられた標本が展示してあり、昭和天皇の研究者としての御一面を窺ひ知ること ができます。 また、昭和天皇は戦後の復興をあけぼのすぎの生長になぞらへられてをり、今回の特 別展「昭和天皇とあけぼのすぎ − 昭和天皇と香淳皇后の歩まれた日々 −」では、昭和 三年の即位の礼で使用された儀装馬車、玉音放送関係資料、全国巡幸の写真を通して、 戦後の荒廃から立ち上がる国民を励ましてこられた昭和天皇の御姿を伝へてゐます。 |
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