91a 鹿角の植物「植物相観察便覧(フロラ・ウォッチング・ハンドブック)」
③八幡平
ブナ(ブナ科)・チシマザサ千島笹(ネマガリダケとも、イネ科)
エゾユズリハ蝦夷譲葉(トウダイグサ科)・ヒメモチ姫黐(モチノキ科)・ツルシキミ蔓
樒(ミカン科・雌雄異株・)・オオカメノキ大亀木(ムシカリとも、スイカズラ科)・オオ
バクロモジ大葉黒文字(クスノキ科)・ヒメアオキ姫青木(ミズキ科)
シノブカグマ(ウラボシ科)・ヤマソテツ山蘇鉄(キジノオ科・山菜)・ユキザサ雪笹(ユ
リ科)・マイヅルソウ舞鶴草(ユリ科)・ゴゼンタチバナ御前橘(ミズキ科)・ツマトリソ
ウ端取草妻取草(サクラソウ科)・コミヤマカタバミ小深山酢漿草(カタバミ科)
ギンリョウソウ銀竜草(イチヤクソウ科)・ショウキラン鍾馗蘭(ラン科)
ミツバオウレン三葉黄連(キンポウゲ科)・ゴゼンタチバナ御前橘(ミズキ科)・ツバメ
オモト燕万年青(ユリ科)
ウラジロナナカマド裏白七竈(バラ科)・ハクサンシャクナゲ白山石楠花(ツツジ科)・
コヨウラクツツジ小瓔珞躑躅(ツツジ科)・オオバスノキ大葉酢木(ツツジ科)・ミネザ
クラ峰桜(タカネザクラとも、バラ科)・ミネヤナギ嶺柳(ミヤマヤナギとも、ヤナギ科
・雌雄異株)
〈焼山・もうせん峠〉
ガンコウラン岩高蘭(ガンコウラン科)
イソツツジ磯躑躅(エゾイソツツジとも、ツツジ科)・ミネズオウ峰蘇芳(ツツジ科)・
シラタマノキ白玉木(ツツジ科)・ハイマツ這松(マツ科)
〈八幡平で見られる珍しい植物〉
ツルキツネノボタン蔓狐牡丹 キンポウゲ科
キツネノボタンの近縁種で花後に茎が倒れて新苗が出来る。花期7~8月、分布は八
甲田山・月山・八幡平等。
ウコンウツギ鬱金空木 スイカズラ科
落葉低木で2m位、夏の初め黄色の鐘状漏斗形の花を着ける。分布は北海道・東北地方
北部の高山。
ガンジュアザミ岩手薊 キク科
高さ1m内外の大形のアザミ。花期9月上旬、岩手県を中心に東北地方の高山(岩手山
・早池峰山・八幡平など)に産、岩手山の別名巌鷲山ガンジュサンで発見されたため。
ネムロコウホネ根室河骨 スイレン科
コウホネより小形で径2~3㎝の淡黄色の花を着け、葉は水面に浮かぶ。花期7月中
旬、分布は北海道東部・本州北部の山地池沼で、八幡平では長沼にのみ産する。
リンネソウ(メオトバナ・エゾアリオドシとも) スイカズラ科
常緑矮生低木で亜高山から高山帯へかけての針葉樹林内に稀に見られる。花期7~8
月、分布は北海道・本州中部地方以北の深山で、八幡平では畚岳モッコダケで稀に見られ
る。
エゾツツジ蝦夷躑躅 ツツジ科
高山帯に生えるツツジで、茎は地を這い上部は斜上して10~30㎝となり、濃紅色の花
を着ける。花期7~8月、分布は北海道・本州(岩手山・秋田駒ヶ岳・早池峰山・八幡平
)で、八幡平では源太森とその周辺の斜面に見られる。
ミヤマヒナホシクサ深山雛星草 ホシクサ科
高山の池塘チトウなどに見られる2~8㎝の小形の植物。分布は東北地方の高山湿地。
コメツガ米栂 マツ科
常緑針葉高木で亜高山の岩礫地に生える。分布は本州(北~中部・近畿地方南部)・四
国・九州の亜寒帯で、八幡平の蓬莱境ホウライキョウではアオモリトドマツとコメツガの混生
林が特異な景観を呈して有名である。
オノエラン尾上蘭 ラン科
高地に生える高さ10~15㎝の小形のランで純白の花を着ける。花期は七月中旬、分布
は本州(中部地方以北)で、八幡平では焼山にのみ見られる。
イワヒゲ岩髭 ツツジ科
常緑矮性低木で高山の岩隙に見られ、白い花を下向きに咲かせる。花期7月、分布は
北海道・本州中部地方以北で、八幡平では鬼ケ城付近の岩壁に生育。
その他、八幡平産で珍しい植物として、ヒメミズニラ姫水韮(ミズニラ科)・ヌマスゲ
・ヤチラン野地蘭(ラン科)・イワツツジ岩躑躅(ツツジ科)・ミヤマアケボノソウ深山曙
草(リンドウ科)などがある。
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