05a 湯瀬地方の植物
 
カラクサシダ ワラビ科
 小さなシダ類で、岩上や樹上にコケと共に生じる。それ程珍しいものではないが、秋
 田県内での記録は少ない。穴内沢アナナイザワの大きな岩上に多産する。
カラクサイヌワラビ オシダ科
 最下前側の小羽片(裂片)が耳状となるのが特徴である。
アイツヤナシイノデ オシダ科
 従来秋田県では記録のなかったもので、湯瀬温泉で採集。
クモノスシダ チャセンシダ科
 石灰岩地帯の指標植物とされるが、石灰岩地帯のない秋田県では極めて稀な植物であ
 る。石通道路脇の岩上に横に長い形で産する。
オオトボシガラ イネ科
 岩手県で稀に産し、秋田県では未記録。棒岱野で採集。
 
イチゴツナギ イネ科
 葉舌が著しく長いのが特徴であるが、秋田県では極めて稀な種類。非瀬沢に散生する。
ヒロハドジョウツナギ イネ科
 秋田県では極めて稀なもので、石通採石現場付近で採集。
ネズミホソムギ イネ科
 帰化植物で、ネズミムギとホソムギの交配種。湯瀬の国道筋で採集。
クロアブラガヤ カヤツリグサ科
 やや稀な種類で産地が少ない。棒岱野の支沢と米代川の河岸砂地の二カ所で採集。
タイワンヤマイ カヤツリグサ科
 ホタルイとの区別が難しいとされている植物で、居熊井沢オラクマイザワの水田雑草として
 採集。
 
イトハナビテンツキ カヤツリグサ科
 向陽草地のやや湿った処に生ずる。才田サイタで採集。
オオタヌキラン カヤツリグサ科
 旧道沿いの湿地にタヌキランと一緒に、然も明確な違いを見せて生育している。
ツクバスゲ カヤツリグサ科
 ショウジョウスゲの変種。旧街道の谷川の縁で採集。
シバスゲ カヤツリグサ科
 シバ草原の主要植物。旧街道のグランド付近に多産。
シラカンバ カバノキ科
 鹿角地方には自生(二次的にもの)と思われるものが転々とある。北野のシラカンバ
 天然林は秋田県内唯一のもの(別項「十和田山地帯」参照)。
 
イワカラマツ キンポウゲ科
 本州中部地方の岩上に生える。石通の岩上で採集。
オオバショウマ キンポウゲ科
 旧街道に産し、今回秋田県内で初めて採集。
ゴヨウアケビ アケビ科
 アケビとミツバアケビの雑種とされている植物で、小葉は5枚であるが、よく観察す
 ると同じ蔓の先端などに3枚や4枚のものも多く混じる。棒岱野の明るいカラマツ林
 で採集。
ナガミノツルケマン ケシ科
 棒岱野付近に多産。
エゾハタザオ アブラナ科
 ハタザオ類の中で最大のもので、草丈120pに達する。棒岱野から才田にかけての道路
 脇などに産す。
 
コモチレンゲ ベンケイソウ科
 石通の岩上に産す。
バイカウツギ ユキノシタ科
 やや太平洋側に偏った分布をする落葉低木で、花が四数(花を構成する萼ガク・花弁・雄
 蘂オシベ・雌蘂メシベなどが4又はその倍数)と云う著しい特徴がある。穴内沢の雑木林内
 で採集。秋田県内未記録の種類で、この地域の分布も極めて少ない。
アイズシモツケ バラ科
 フタスジチョウの食草として知られる。旧街道の渓谷上部・非瀬沢・石通などに産す。
アオナワシロイチゴ バラ科
 才田付近に産す。
ナンブサナギイチゴ バラ科
 母種サナギイチゴに比して花梗がやや長く、萼の刺が小さく疎らなことなどの点で区
 別出来る。棒岱野に多産。
 
ヤブハギ マメ科
 ヌスビトハギによく似る。湯瀬産のものはヤブハギとしての特徴が明瞭である。
タチコゴメグサ ゴマノハグサ科
 秋田県内では鳳凰山(大館市)の記録だけで、非瀬沢の草地に稀に産する。
新緑の湯瀬渓谷 H14.04.29 新緑の湯瀬渓谷 [地図上の位置→]
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