謎のムシ(フシダニ)
Last update: 98/11/13
←(おまけ)花粉
花粉管を見ようと、セイタカアワダチソウの花粉を寒天培地にまいてみたら、
妙なムシを発見。クリックで拡大(137KB)すると体の横縞がよく見えます。残念ながら花粉管の発芽は見られず(ショ糖10%、2時間位しか見てませんが)。
98/11/03
学芸員1号さん、村山さん(ともにniftyserve fmizube #3)の情報により、
フシダニと判明しました。足が4本(2対)、すべて植物寄生性とのことです。(ありがとうございました>ご両名)。
ただし、種も属もわからない状態。図鑑は手元にないので、
とりあえず、大昔に読んだ「ダニの話」(青木淳一)
を見てみたところ、(p.159)
フシダニ(サビダニとかハモグリダニとも呼ばれる)
については本格的に研究する人がいまだに現れない。
なんてある程度でした。
昭和45年の本ですが、今も状況は同じなんでしょうか?
Infoseekで検索したところ、10件ヒット。
農業関係で、トマトサビダニ、ブドウハモグリダニなどの記事がありました。
そのほか面白いのは、クスノキの「ダニ部屋」にすむフシダニの話(東京工業大学 生命理工学部 幸島研究室)。
「アリ植物」じゃあないですが、自分でダニの部屋を作ってるとのこと。
実はセイタカアワダチソウのすぐそばにクスノキがあるのです。ここからきたのかな?
98/11/13
フシダニ関係の参考図書(村山さんに感謝)。
- 「植物ダニ学」江原昭三・真梶徳純/編 全国農村教育協会
検索表と記載(52種)、生体と防除(pp.217-226)
- 「日本原色植物ダニ図鑑」江原昭三/編 全国農村教育協会
プレパラート作成法、種名リスト、検索表(pp.204-248)
図書館で見ましたが、そう簡単に手が出せる相手じゃあないなー、という感じでした。写真だけで種名を、なんてもちろんだめで、
「ダニの移動には00号の虫ピンか無頭の虫ピン(4号程度)の柄の
部分にブタの”まつげ”を粘着テープで固定したものを用いるとよい」(日本原色ダニ図鑑p.219)
という一節にはぐっとくるものがあります。せめて科(亜科)位は、と思いますが・・・
フシダニをとりあえず保存するには、70%アルコールにショ糖を飽和させた上澄み液を使う、とのことです。プレパラート作成でも、普通のダニとは扱いかたがかなり違うらしいです。
フシダニというのは「節」をつくるダニという意味とのこと。虫えい(虫こぶ)の世界も実に深いですね。
- 「日本原色虫えい図鑑」湯川・桝田 全国農村教育協会
概説、フシダニえい(pp.414-417)、フシダニ等文献(pp.546-547)
- 「虫と植物の奇妙な関係−虫こぶ入門」 薄葉重著 八坂書房
フシダニについて目立つ記事はありませんが、参考になります。
撮影(vp):98/10/05