中里秀行氏(八王子自然友の会)が作製された文書を、同氏のご厚意により公開いたします。レイアウト等に若干の変更を加えています。
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イチゴツナギ属 Poa は私達の近くに見られるイネ科植物で、世界に500種あるといわれている。
生育の時期によっては形態の異なるものがあり、例えばミゾイチゴツナギなどは早い時期では枝が閉じていてヤマミゾイチゴツナギと同じ状態であるなど、5月中旬が最も観察しやすい時期と考えられる。
同定するにあたりごく初期の人にも分かりやすく、葉舌、走出枝、枝の本数、全体の状態を重視してある。小穂の護頴の基部に綴れ毛があり、他の属との見分けにもなる。それだけに、Poa種の見分けには同定する人の個人差などがありむずかしい。故に綴れ毛は参考程度にとどめ割愛した。
コイチゴツナギ、ヤマミゾイチゴツナギを除き、私達が普通人家近くで目にふれているものばかりである。
他にツルスズメノカタビラ、ホソバナガハグサ、ミスジナガハグサなどあり、検索表に合致しないものも出てくると思うが、そのときは新しい発見につながるかもしれない。
生地 | 走出枝 | 葉舌 | 枝 | 稈 | 特徴 | 種名 |
---|---|---|---|---|---|---|
人家に近い低地 | - | 目立つ 2 - 5mm | 2-3 | 小型で軟弱 葉先はボート状 人家近くに多い | スズメノカタビラ | |
+ | 0.5 - 2mm | 3-6 | 平地に多く葉先ボート状 葉は濃い緑色で長く、立ち上がっていることが多い | ナガハグサ | ||
- | 1 - 2mm | 2 | 株立ちになり葉巾3-8mm 軟弱 葉先ボート状 | オオイチゴツナギ | ||
- | 目立つ 3 - 6mm | 3-6 | 全体に粉白緑色 葉は短く先はとがる 垂れていることが多い 稈は直立する | イチゴツナギ | ||
+ | 目立つ 3 - 8mm | 4-8 | 大型のPoaで平地に多く見られる 葉先はボート型 稈は直立する | オオスズメノカタビラ | ||
- | 1 - 3mm | 2 | 葉先は細くとがる 枝は2本ずつ出て軟弱な稈は先が垂れる | ミゾイチゴツナギ | ||
+ | 0.5 - 1.5mm | 2-4 | 枝は短く花序はつまって見える 稈は偏平である | コイチゴツナギ | ||
山地 | - | 1 - 2mm | 2-3 | 山の陰地に生える 生育しても枝は開かない 稈は先が垂れ下がる | ヤマミゾイチゴツナギ | |
ミゾイチゴツナギの一型 根元がふくれ球状になる やや湿地に生える | タマミゾイチゴツナギ |
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