poem

back

世界中に
女は25億くらいいて
男は25億くらいいて
たったひとりのわたし
たったひとりのあなた

愛せる人はたくさん
いるんだろうけど
そんなに愛する
ヒマはない


やわらかくて
しんがあって
あたたかくて
どきどきしてる

そういう生きものでいられるうちに
そういう生きものでいるものたちを

なんどもなんども
抱きしめたい


どーしてみんな
ひとのことは
わかったよーにいうんだろうね
じぶんのこともしらないくせに
あなたのことならなんでもしってる
つもりになって

それがおおまちがいの
モト


気をつけて! ひとはすぐ
安心してそばにいてくれるひとを
いちばん強く苦しめる
いちばん深く傷つける


優しいひとは残酷なひと
右手でからだを抱きながら
左手でわたしの首を絞める


こんなにあいしてるのにとおもいはじめたらそれがにくしみのはじまり


愛の名のもとによる
支配と管理を
していないかい?

正しさで
愛する人を
追い詰めて
いませんか?


愛より恋より
自尊心


好きです を
過去形にしよう


想いは重いが
しょっていこう


「愛してる」
言えない言葉を
猫に言う


スキだった記憶が
増えていくから
懲りずに何度も
スキになる


楽しい記憶とステップ踏んで
ぐるぐる回ろう回りつづけよう


せつないねぇ


すぐ
シュワッて消えちゃう
いい匂いを残して
しあわせって
そんなもん


たとえばめをみて
にっこり笑うこと


しあわせの記憶の形を
そっと抱く


呪文のように
あいしてる
アイシテル

だれでもない ひとを
だれでもない ものを
愛してる


愛しつづけることは
苦しいね
失恋するより
もっと苦しい

どこかで
あなたが苦しんでいることを
のぞんでいる
わたしがいる


おねがいがあります
わたしのめのまえにきて
笑ってください

ずっと
笑っていてください


痛い記憶は
封印して

笑顔して
生きていくのか


てのひら
あてて
ください
痛むとこ


かさぶた
すっかり
かわくまで
わたしを
そっと
しておいて




自由と
近いようで
とっても
遠いんだよね

[By mana] 21 12 1998

back