産業廃棄物不法投棄監視業務 9月の巡回監視報告

9月18日: 今日は秋晴れの好天。町村ごとに定点(廃棄場所)があります。もっとも多いのは熊本市近郊の町村です。初日はこの定点の位置を確認する巡回を行いました。全地域は回っていませんが、嬉しかったのはほとんどの定点で継続的な投棄は認められなかった事です。また一昨年私達が新規に発見した不法投棄場所に「不法投棄特別監視区域」の看板が掲げてあり、綺麗に片づけてありました。

 黄金色の稲穂は国土の豊かさの証明です。

山間部を巡回していると目を見張る日本の原風景に出会うことばかりです。静かな棚田には彼岸花が綺麗に咲いていました。あぜ道を壊すモグラよけに植えられてるのがよく分かります。

 山道に覆いかぶさる野生の栗の木の下には、大きな栗の実が道路に散乱していました。数個は車に踏まれて割れています。掃除を兼ねて拾い集めたら2升くらいあったでしょうか、全く手つかずの無農薬ですので美味しそうです。実りの秋ですね。

しかしこんな山間部にも、近年増え続けている普段では目につかない不法投棄場所があるんです。監視の経験を重ねると、道路周辺の地形や雰囲気で何となく分かるようになります。

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9月28日:熊本日日新聞の朝刊

棚田の名所 住民悲鳴!!
      
 農道に駐車/帰りに栗を失敬...........

「祖先が残してくれた景観が、多くの人に感心を持ってもらえる事は大変に有り難い事です。でもここは私達の生活の場です。見学に来るには最低のマナーは守ってほしい」と住民の方の声です。

レビや新聞などで綺麗な花や風景が紹介されると、行ってみたくなるのが人情ですが、よそのお宅にお邪魔するのと同じです。

 相手があってこそ、自分も満足出来るものです。他人の生活圏内には思いやりの気持ちをもってお伺いしましょう。

とうとうこの村ではこんな看板を立てざるを得ませんでした。

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 この日は、山間の畑で野良仕事をされてる方に、道を尋ねました。
わざわざ畑の下から上がってきて教えてくれました。

 ここは稲作ではありませんが、彼岸花が満開の段々畑です。コツコツ石垣を築いて畑を作られたんですね。機械のない頃ですから、大変な労力だったでしょう。
 中国の万里の長城は国家事業でした。しかしここの段々畑の石垣は長城の万分の一もありませんが、己の家族の為に、生きるために、コツコツ家族で築いた我が家の石垣です。同じ冷たい石垣でも暖かみが感じられる日本の石垣です。万里の長城とは、比べる物差しが違います。 

後ろの道がこの地区の幹線道路です。普通車がやっと通れる道です。勿論バスも来ません。
 しばらくお二人と世間話をしましたが、こんな不便な所での生活でも、
生きてる満足感と自信にあふれた仲のいい可愛いご夫婦でした。
この付近には重要な監視定点があります。週に2〜3回は巡回しますので、写真を届けかた再会が楽しみです。


9月30日

静かな山村に、わざわざ廃棄物を捨てに来る不届き者が居るんです。

「水源かん養保安林」

緑の森林は、雨をたくわえ、ゆっくり放出するダムと同じような働きによって洪水を防いだり、
生活用水や農業用水を供給しています。

林道を隔てて上が熊本県が指定した「保安林」です。下は谷川です。そのすぐ横の谷間に投棄物を確認しました。
夏草に被われていますので確かな量は確認出来ませんが、数十トンの膨大な量です。
廃棄物は谷川まで達していました。

谷川まで降りるには、ちょっとした装備が必要です。何しろこの時期「まむし蛇」が決起盛んな季節です。
廃棄物の写真撮影は次回にしました。