開通前の
トンネルを
歩きました
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 俵山トンネルは、県道熊本・高森28号線の俵山(1094.9m)北側を、西原村桑鶴から久木野村河陰間の延長約6kmで橋梁四箇所と二本のトンネルで貫くバイパスです。
 開通する事によっては約15分ほどの短縮ですが、俵山峠越えは、復員が狭い上に急カーブが多く、雨の日はガスが発生し、冬は積雪や道路凍結が多い難所です。
 いつも南阿蘇を往来する人々にとっては、待ちに待ったトンネル開通になります。

 「開通前のトンネルをみんなで歩こう」と、久木野村の企画観光課、観光協会の皆さんと「トンネルウオーク」の企画を立てました。計画を立てる上で現場の事前調査は欠かせません。
 県土木事務所、現場監督さんの快いご許可を得て、8月11日視察に出かけました。

 阿蘇といえど、蒸し暑い日でしたが、トンネルの前に立つと、冷蔵庫のドアーを開けたような冷たい風がトンネルの奧から全身に吹き付けました。
 まだガソリンの匂いもしないまさに天然のクーラーです。
地図内の番号は写真の撮影位置です。

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 久木野側の「南阿蘇トンネル」は、平成9年8月25日に着工、片側一車線の全長781m、トンネル内の高さが6.15mで平成11年7月8日に貫通しました。
 またこの年に着工した西原側の「俵山トンネル」は全長2057mで平成14年7月に貫通し、現在10月10日の開通に向け、取り付け道路の最後の仕上げが行われています。
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 久木野側から「南阿蘇トンネル」の反対側に出ました。
 上の尾根沿いは県道28号線の大曲ですが、
かってこの上の県道をバイクが直進して谷に転落した事故が起こりました。
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 「俵山トンネル」の久木野側からの入り口です。二つのトンネルの間は約200m程の原野です。
 ちょうど「北向山原生林」の栃木側「鮎返りの滝」の上の方になります。正面の中腹が地獄垂玉温泉です。
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 俵山トンネルの約中間点。久木野村と西原村の境です。「この付近に中継点か、折り返し点を設けようか」等々検討しました。暗闇での打ち合わせにも熱が入ります。ややもすると、イベントでの欲張りはかえって参加者に迷惑をかける場合もあります。無理な計画は禁物です。

 「トンネルウオークの参加者が、新しい秋の南阿蘇路を見直し、ゆっくりと楽しんでいただけるようなイベントにしたい」
これがスタッフ全員の願いです。


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 「俵山トンネル」を西原村側に抜けました。この先は西原村の「萌の里」へ「熊本空港」へと、熊本平野の大パノラマを眺めながらゆっくりした下り坂です。
 トンネルウオークもここが折り返し地点になります。

 今日の視察は、ここから久木野村側へ引き返しました。開通したら安全速度40km位でゆっくりドライブを楽しみませんか。

 そんな景観あふれる俵山バイパスでした。


 現在の県道28号線は、西原側の中腹からの眺めや、峠を越えた南郷谷の雄大なパノラマの遠望は、
さすがに阿蘇の雄大さを示します。
この道路はトンネル開通後は村道に格下げされますが、村の観光ルートとして、
今後大切に維持管理して行かねばならないと思いました。