見積書の
言葉を知ろう



目次
仮設工事とは
基礎工事とは
木工事とは
屋根工事とは
板金工事とは
金物工事とは
鋼製建具工事とは
木製建具工事とは
左官工事とは
防水工事とは
吹付け工事とは
石・タイル工事とは
塗装工事とは
内装工事とは
雑工事とは
家具工事とは
電気工事とは
給排水衛生工事とは
空調工事とは
ガス工事とは
諸経費とは

仮設工事とは

 現場の足場やシートの工事。また、現場には電気も水も必要です。その仮に用意する電気・水の工事のことです。
 現場が山の中ならいざ知らず、町なかでは簡易の便所も必要です。その工事。

 つまり、家が完成すると全部いらなくなる工事です。建て主には関係ない?とも言える工事、これら一切合切を仮設工事といいます。

 格の高い建設会社は、シートで現場を囲み、しっかりガードマンも配置、仮設事務所まで造ります。しかも「○○邸新築工事現場」と看板まで立てるので仮設工事費は高くなります。

 時々、綺麗で美しく整理整頓された現場があります。仮設工事費に予算が見込んであり、品格のある建設会社です。
 隣近所への配慮も費用しだいです。

 一般に高級建設会社は仮設費が高く、低級は安いのが通例。工事費用の安い現場は、仮設工事に費用がかけられないため現場の事故率も高くなります。
 
 中に「水盛遣方(みずもりやりかた)」というのがあります。これは建物の位置とレベルを正確に決める工事です。
 「養生費(ようじょう)」というのもあります。これは、製品の傷や日焼けを防ぐための防御工事を意味します。

 現場で施工図を書かねばならないような高級な住宅だと、その図面作成費もかかります。

 とにかく、仮設工事というものは、その建設会社やメーカーズハウスの「品位」をよく表している項目です。
 仮設工事が高い工務店は「よい」工務店です。
 また、現場が整理整頓され美しいものです。
 しかし、「よい」工務店なのか、単に暴利を取っている「悪い」工務店なのか、素人目に判断がつかないので多くの建て主は決断がつかないというわけです。


基礎工事とは

 基礎工事の中身はさらに分類する場合もあります。この場合は、土(ど)工事、コンクリート工事、鉄筋工事、型枠工事に分類します。

 「根切り(ねぎり)」とは基礎を造るために土を掘るという意味です。
 そして、掘った穴に石(「割栗石と言う」)を敷きこみ、「捨てコンクリート」(厚さ5センチほど)を一旦打設します(省く工務店も多い)。
 次に型枠を建て込み、鉄筋を組み立て基礎のコンクリートを打つのです。

 ところで、一般の人はコンクリートを入れることを「流し込む」と表現をしますが、業界では「コンクリートを打つ」と言います。ですから、コンクリートは「打設(だせつ)」すると言います。

 基礎コンクリートを「打設」したら、次は型枠をはずさなければなりません。これを「型枠をばらす」と言います。

 型枠をばらすと基礎工事はいよいよ最終段階。土を戻す工事に入ります。
 前に掘った土を使って再び基礎を埋め戻し、敷地を平らにしていきます。

 ところが、敷地があまりにも狭いと掘った土を、仮に置く場所がありません。例えば、100m2の土地に95m2の建物を建てようとしたとき、余っている残りの敷地は5m2しかありません。5m2では掘った土を置いておく場所がないのです。それで、掘った土をいったんダンプで搬出して処分することになります。

 このことに処分費が掛かるというわけです(ダンプカーの搬出費、捨て場の費用など)。そして、埋め戻すときには新規に土を購入しなければなりません。

 つまり、敷地の狭い現場は、土の処分費と、新規に土を購入するので、二重に費用がかかるのです。建て主はダブルパンチ。狭い敷地が割高になる理由はこんなところにもあります。
 都市部の住宅が高いのは敷地の狭さにも一因があります。

 狭い道路というのも問題なのです。道路巾が2mほどしかない敷地は大きな機械が入りません。大きなダンプカーも呼べません。すると、小さな機械、小さなダンプカーを使うので、一回ですむところが二回かかる勘定になり時間がかかります。当然その分、人工(にんく)(職人の手間)が掛かるので費用が上がる結果となります。
 狭い敷地、狭い道路が工事費用に与える影響は大きなものです。

 型枠は「型枠損料」と書かれている時もあります。型枠は何回も使うので、損料(償却費)です。損料で考えているものは、この他に足場、シートなどです。

 最近では、床下の防湿工事も盛んに行われるようになりました。地面に防湿シートを敷き込んで、厚み5センチほどのコンクリートを打つ工法です。これらの費用もここで計上されます。

 よく鳶職という職人がいますが、基礎工事を行う人たちのことを言います。


木工事とは

 もく工事と読みます。いわゆる大工さんの工事。(在来工法)
 木材、建材、ボード類、釘、金物を使い、切ったり張ったりする工事をさします。

 見積書では木工事で木材の値段、使うベニヤの値段などを、一つづつ図面から拾い出し費用を計上していきます。これが正式のやり方ですが、経験豊富な人は坪いくらぐらいかかるとか、m2あたり材木費はこれぐらいだとか・・・、経験で分かる人もたくさんいます。それで、この家なら坪○○万円・・・とはじく工務店も多く存在しています。
 このような場合は一式○○万円と計算されます。

 経験と勘は建築業界では重要です。見積書は一個一個拾い出して、単価を計上するのが本来の姿ですが、一個一個拾い出しをすると、拾い落としが発生するのも事実。生真面目に拾い出しをした新入生社員の見積書に落ちがいっぱいあって、大赤字になってしまう現場もあります。
 エイッと経験と勘で計上した見積書の方が余程正確だった、という話はよく聞く話です。
 一式見積りは「よくない」と雑誌に書いてあることがあります。よく知らない人が書いていると思います。一式見積りにも良さがあります。 
 
 大工の工賃もここで計算します。
 どのように計算しているかというと、これこそ、経験と勘で計算しています。だから、見積書は各社バラツクのです。
 1坪を造るのに、何人大工が必要か?。この計算方法がいちばん使われています。普通の住宅なら大工を坪5人分用意しようとか、凝った家だから坪9人投入しよう、という具合に考えていきます。
 坪あたり5人分の大工を投入する家。その家が30坪なら、150人工(にんく)となるわけです。大工の工賃はおおよそ1日2.5万円。(各地方によって地域格差があります。)150人工に2.5万円を掛けて、答え375万円の「大工料金」という具合です。
 また、大工には助手のような人(昔風にいうと、見習小僧)も必要なので、その費用も別に計算していきます。

 最近は木材をコンピューターで加工するようになり(プレカットと言う)、大工の人工は減ってきました。
 そのかわりプレカット工場に出す費用が別に計上されるようになりました。


屋根工事とは

 屋根の防水シートや屋根瓦についての工事。屋根屋さんが行う工事です。

 今、屋根材で最も使われているのはコロニアルという材料です。瓦は重いので地震に弱いのではないか、という情報が一般的に広まったためコロニアルが多く使われるようになりました。
 
 このことは、結果として建築のアスベスト(石綿)問題を引き起こすことになりました。(現在のコロニアルにアスベストは入っていません。)

 単純な形の屋根でコロニアル葺なら4,000/m2前後です。(下地アスファルト防水用シート込み)
 トップライトがあったりすると、屋根の水の処理が厄介になるので1個所あたり10万円前後の手間が加算されます。


板金工事とは

 板金屋さんが行う工事です。
 (もうお分かりになったと思いますが、見積書は工事職人別に書いてあるのです。)

 プラスチックでできた縦樋や横樋などもこの板金工事で扱われます。どうしてかというと、昔、樋は板金屋さんが銅板で作っていたからです。


金物工事とは  金属工事とも言います。
 元は金属でした。が、最近はアルミ製が主流です。
 物干し金物、鉄骨の階段、手摺など、金属を切った張ったの工事です。
 ところで、板金工事と同じように金物工事も近頃は出来合いの既製品が多くなり職人は減っているのが実状です。
 金属で個性のある家造りは失われています。昔、玄関の門扉などスチールで面白いものがたくさんあったのに、最近見かける事は皆無です。
鋼製建具工事とは  窓のサッシュと金属製のドアの工事。
 
 メーカーズハウスでは構造体や外壁、そしてサッシュ工事を「システムをクローズ」にして一般の人が購入できないようにしています。
 サッシュは窓のこと、顔で言うなら一種の「目」。なのでデザインは重要です。クローズシステム(自社専用部品)にして商品の差別化を計っています。それで、メーカー住宅には各社独特なデザインがあり一般的に真似ができません。

 他にガラス工事がない場合は鋼製建具の中にガラス工事も含まれていると考えます。

木製建具工事とは  木のドア、付属するノブ、などの工事。障子や襖もここに記載されます。
 フラッシュという言葉が盛んに出てきます。両面がベニアなどで仕上がっているドアの意味です。
 襖のタイコ張りとは数奇屋風襖です。襖紙をタイコの皮のように折り込んで張る襖を言います。黒や茶の縁がないので和室がすっきりします。

左官工事とは  最近は「塗る」という左官屋さんの工事が減っています。
 例えば、和室の京壁は「塗り材」から「張る」ビニールクロスへと変わりました。
 外壁も左官材を「塗る」のではなく、ボードを張りつける工法が主流です。
 「塗る」左官工事は水を使うことから「湿式工法」と呼ばれ、張る工事は「乾式工法」と呼ばれます。
 現場は乾式工法の方が安易です。湿式工法では水を使い、砂やセメント、漆喰などを使うので、現場は汚れやすく管理が大変、砂がアチコチでざらつき傷も付きやすいのです。
 そこで湿式工法は次第に現場から無くなりました。人の手で塗る左官工事はクレームも多い、ヒビも入るので、メーカー住宅は左官工事が嫌いです。
 ですから最近は重厚な家が減ってきました。 
防水工事とは  ベランダなどの防水工事です。
 ゴム状のシートを張る場合と、ゲル状防水材を塗る場合があります。ゴム状のシートは電車の床にも多く使われています。
 アルミ製のベランダですとこの防水工事はありません。

吹付工事とは  外壁に粒状の材料を吹付け、色付けを行う化粧工事です。雨や、強風の日には工事ができないので、天候に左右されます。
 ところが現場では竣工が近づくと無理をしてでも吹付け工事をやり、間に合わせようとする場合があります。しかし、途中から雨。大失敗もあります。
 雨と風。迫る竣工予定日。現場監督が苦労するところです。

石・タイル工事とは  石は石屋さんの工事。本格的な石を扱います。工事費がかさむため一般住宅で石は使われなくなりました。
 タイル屋さんはタイルを張ります。浴室の床や壁、玄関などです。
 ところが近頃、石も30p角、40p角のタイル状の石が出まわるようになり、タイル屋さんが張るケースも増えてきました。で、本格的な石工事に比べると意外に安い。m2あたり1万円前後で張れるような「タイル形式の石」もあります。
 TOTOやINAXのショウールームにはこのようなタイル形状の「天然石」も展示してあり身近になっています。(もちろんタイルも展示してある。)

塗装工事とは  ペンキ工事です。
 ペンキというと何か程度の低い工事をイメージする人がいます。しかし、部屋のインテリアをビニールクロスを使わずにペンキで仕上げるのは最高級クラスの工事です。
 塗装工事は実に奥が深く難しくもあるため、うまい職人が工事を行うと見違えるような家が生まれます。
 が、塗装工事は現場の管理が大変。しかも、上手な職人を多く確保しにくいので、メーカー住宅では塗装工事をやらない工法をあみ出しています。
 壁の大部分はビニールクロスの工法。ドアも枠材も工場塗装か印刷工法が主流です。
 このため現在、塗装工事の「良さ」(悪さ)を知る人は希少になってしまいました。

内装工事とは  壁や天井のビニールクロス。絨毯の工事。畳の工事など、インテリアに関係する工事です。
 無垢(むく)の板張りなどもここに計上される時があります。

雑工事とは  ここまでの項目に含められなかった工事をこの項目で列記します。
 鏡とかタオル掛け、ポスト、手摺などがそうです。

 見積書の書き方には何か正式なルールがあるのかというと、ルールがありません。
 各社、都合のいいように書くので比較検討が難しいのが見積書です。

 2・3社の見積りをとって比較検討をするときはそのことに充分な注意がいります。安易に大項目だけを見て、安い高いを判定すると間違えてしまいます。

 例えば、雑工事にバスタブや湯沸し機を載せる建設会社もあります。その理由は、水道屋さんにバスタブや湯沸し機を用意させるより、建設会社自身が用意した方が安く供給できる・・・・などの理由から、雑工事に記載されるのです。

 見積書は、経験豊富な専門家がノウハウを込めて書いています。奥は深く、安く建設するためにどう考えたのかが分かる、お金の設計図のようなものです。


家具工事とは  建築工事で家具工事というときは、猫足の椅子とかソファーとか・・・家具屋さんで売っている家具を想像してはいけません。大部分が造り付けの家具をいっています。
 メインはキッチンセット、次に下足入れ、収納セット、サイドテーブルなどが代表例で、全部建築に固定するので造り付けです。
 さまざまな工法があります。
 建材メーカーが販売している「収納セット」や「下足入れセット」を購入して、大工さんが取り付ける家具工事。
 それとは別に家具専門の職人が本格的に造る家具工事もあります。(こちらは大工さんが関与しません。システムキッチンなど。)

電気工事とは  電気の配線工事が主体。電柱からの引込み工事やコンセントなどを取りつけます。照明器具も扱います。
 町の電気屋さんのような家電製品は普通扱っていません。クーラーなども電気工事のように思いますが空調工事屋さんが別にいるのが一般的です。

給排水衛生工事とは  いわゆる水道屋さんの工事です。
 給水・排水・給湯工事を担当します。
 「衛生」というのは、洗面器や便器、水栓金具などの器具工事のことをさします。
 最近、水回り設備が充実してきたので、給排水衛生工事費が住宅に占める割合は大きくなっています。

空調工事とは  冷暖房の工事。
 建築費に入れないで、後から町の電気屋さんに設置してもらう人も多い工事です。
 ところが建築工事の中に入れると、空調機の(冷媒)管を壁の中に埋め込むので、見栄えは良くなります。

ガス工事とは  東京なら、東京ガスの指定店が行う工事です。

 もしプロパンガスの地域なら「無料配管」になって工事費がタダの場合があります。

 タダ?。こんないい話はありませんが、カラクリがあります。タダになると工事をした特定店からプロパンガスを購入しなければいけません。
 実はプロパンガス、店によって値段が違います。ですから・・・・価格競争をさせられなくなることを意味します。

 どっちが良いか?。あなたの建設会社に聞いてみるのも一つの方法です。


諸経費とは  建設会社の儲けの部分です。ここから監督の給料、保険料など儲けを生み出します。
 工事費の5%とか10%とかが見積書に書かれます。
 でも、本当のことをいうと建設会社は5〜6%ではやっていけません。10%以上ないと絶対に赤字になります。
 そこで、ここまでご覧になった見積書とは別に(正式にいうと)実行見積書というものを作り、各職方に対してさらに交渉して自分の利益を生み出していきます。 実行見積書を作らない建設会社も多くあります。
2000-01-01 ver1.0
2009-08-07 ver1.2
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