技法についてT

  
木版画には、製版の仕方でわけると、木口木版と板目木版がある。
木口木版は、バームクーヘンの年輪と穴が見える、つまり上から見た面を磨いて版を彫る方法。板目木版は、ケーキナイフでカットしたときの木目の見える、つまり普通の板の面に版を作る方法。
木口木版は、活版印刷で写真製版のなかった時代に、写真の替わりに使われた技術で、詩人の萩原朔太郎は、この版画のノスタルジックな魅力に引かれて、詩集「青猫」の挿絵に使用した。
板目木版は、一般的に木版画と呼ばれる技法。この板目木版の技法は日本を代表する版画芸術浮世絵で有名。世界的な評価を得ている。
私の場合は、この板目木版に木口木版の考え方を取り入れている。若い時と言っても約40年前。エッチングにあこがれていたが、残念ながらプレス機も高嶺の花で、なんとか板目木版で新しい表現ができないか、そんな工夫から生まれた技法。濃淡を三角刀を使って、網点のような版を作り、苦労した思い出がある。※1版木
刷りは、木口木版と同じく油性インキで、少し固めの馬連を使用して摺っている。一般的に板目木版は、水性絵の具で摺る場合が多い。
最近は、水性絵の具をステンシルでのせたり、金箔をのせる工夫も試みている。※具体例『秋の宴』



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