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   シグマリオン3へエスペラント辞書を組み込みました
                           
                                 掲載日 2003年09月18日


はじめに

以前、エスペラントのメーリングリストにより、シグマリオン2にエスペラント辞書を組み込む方法を知り、さっそく利用しています。
とても便利で、辞書を作っていただいた広高正昭さん、そしてEvaCEをシグマリオン2にインストールし、汎用辞書ソフト[FETSRCH]で使える方法を公開してくれた南波文晴さんに感謝しています。

ところで最近、新型のシグマリオン3が発売されました。
高機能に惹かれ、私も購入いたしましたが、シグマリオン3のOSはwindowsCE.NETであり、FETSRCHを動かすことが出来ません。

インターネットHPから、このwindowsCE.NETに対応できる辞書ビュワーソフトでフリーのPDIC Unicoode版が使用可能であることを知りました。
そして以下の手順で組込に成功しました。

@広高さんが作成された実用エスペラント小事典を1行データテキスト形式に変更する
APDICの「TOOLS」でファイル形式をPDIC形式に変換する
B辞書変換ツールPdixでこのファイルをUnicode(BOCU−1圧縮)に変換する
Cシグマリオン3にこの変換後のファイルとPDICUCE.EXEを任意のフォルダにコピーする
DEXEを起動し、この変換ファイルを入れ込むと辞書は完成

シグマリオン3のこの辞書は、とても高速で扱いが優れています。
辞書グループ編集で一つのグループに複数の辞書を入れると、同一辞書として検索されます。

この機能を生かし、広高さんが作られた「コンピュータ用語いろいろ」も、同様の手段で辞書化し、入れ込みました。
別のファイルで作成していますが、同一の辞書の如く高速に検索されます。

また、CE機では前方一致の検索しか出来ないので、和文検索ができませんでした。
そこで、広高さんの辞書を上記@の前にエクセルに読み込んで、エスペラント:和文を
和文:エスペラントに前後を入れ替え、和文の頭にくる括弧【】等を削除して
前方一致検索が出来る辞書に作り変えました。


これをシグマリオン3の辞書グループに入れると、検索窓にエスペラント文を入れればエス和辞書、和文を入れれば和エス辞書に早代わり。
即高速検索され、便利この上ありません。

また、PDICは表示文字フォントを自由に選択できるので、太字の大文字が設定でき視力が低下してきた人にも超読みやすい辞典です。
さらにこの辞書ソフトは、辞書に記載されていない単語や、新しいエス単語・日本語単語を追加でき、また中身の修正も可能です。自分なりの辞書に育てることが出来る優れものです。

せっかくこのような素晴らしい電子辞書がシグマリオン3で実現できたので、これを是非エスペランティストの皆さんに紹介したいと思い、広高氏と南波氏のご了解を戴きホームページに公開させてもらいました。

なおこれは、辞書検索ソフトなどに経験が全く乏しい私が、会社の若者に教えてもらいながら作ったものです。
必死に苦労しながら出来た時の喜びがひとしおでした。
このホームページはこの私の奮戦記です。


シグマリオン3に辞書を組み込む

1.下記のHPより、windowsCE.NET用辞書閲覧ソフトPDICが入手出来ます。

    PDICの作者のページ

URL : http://member.nifty.ne.jp/TaN/pdic-unicode.html
辞書変換ツール : PDix(PDIX030.LZH)
ビュワー : PDIC(Personal Dictionary) for CE/Unicode(BOCU)版 HPC/ARM用(PDICUHPCARM150.LZH)

PDICの概要が以下のように説明されています。

PDIC for CE(正式名:Personal Dictionary for Windows CE)は、英和辞書検索が簡単に行えるフリーのソフトウェアです。検索のみならず、単語を追加登録が可能であり、辞書も同時に複数利用することができます。検索も、数文字入力されるだけで頭出しされるインクリメンタルサーチ、熟語の検索、ポップアップ検索など多彩な検索が可能です。PDIC for CEを使用するには、PDIC for Win32(Personal Dictionary for Win32) で辞書を作成する必要があるため、PDIC for Win32の使用方法を理解できているという前提で、ここでは説明します。もし、ここでの説明が理解できない場合は、PDIC for Win32を入手・インストールを行い、添付されているオンラインヘルプを参照しながら、使用方法を覚えてください。
(最初からPDIC辞書形式を手に入れている場合は、PDIC for Win32無しでも利用可能です)
※PDIC for Win32はシェアウェアです。PDIC for CEの開発コンセプトは、”気軽にどこでも英語学習ができる”です。従って、PDIC for Win32に搭載されている辞書の編集に必要な機能(ラベリング、辞書の変換、一括編集など)はありません。これらの処理はPDIC for Win32に任せます。

2.下記のHPに、辞書の組込方法が具体的に載っています。
   「シグマリオン3ソフトインストール」
  http://www2k.biglobe.ne.jp/~t_muto/sig3/index.htm#apdevelop

3.エスペラント電子辞書を公開して戴いている広高氏のHPは以下です。
    http://www2.saganet.ne.jp/vastalto/esperanto.html
    南波氏のシグマリオン2用の電子辞書もこのHPに掲載されています


シグマリオン3用の辞書を作る方法
@     実用エスペラント小事典第1版をダウンロードします。
A     エスペラント単語の語根を示すスラッシュ“/”は検索に不都合なのでこれをワードパット等のテキストエディタで一斉消去します。
続いてこのファイルを1行データテキスト形式にします。
実用エスペラント小事典第1版PEJVO.txtをワードパット等のテキストエディタで開き、「編集」「置換」をクリックします。

1行データテキスト形式とは
見出語、訳語、用例が一行で表される形式。例:見出語 /// 訳語 / 用例
見出語部と訳語部の区切りは /// (半角スペース+スラッシュ3つ+半角スペース)
B     置換前の文字列を「 : 」(コロン)、置換後の文字列を「 ///  」にして一括置換し、同名で保存します。
C     以降の詳細は上記に示した「シグマリオン3ソフトインストール」に詳しく載っています。
ここでは要点だけを示します。

PDICを開き「tools」から「辞書の変換」、転送元辞書を1行データテキスト形式を選択、転送先辞書を
PDIC形式を選定。詳細設定は良く分からないのですべて

チェックは外し,登録項目も訳語部のみをチェックし他は外しました。
D     これで実行すれば、PDICファイルは作成されます。
E     次にPDIC辞書データになった実用エスペラント小事典第1版PEJVO.docをUnicode(BOCU-1圧縮)に変換します。
FPDix.EXEをダブルクリックしてPDixを起動する。
sourceに第1版PEJVO.docを指定して、targetを適当なフォルダに同名で指定する。
「変換開始」をクリックすると「辞書ファイルが存在しません。新規作成しますか?」と表示されるので「はい」を選択。
※ 変換はウインドウズ2000でやる、W98はダメ。

G     これをシグマリオン3の任意のフォルダにもっていく。


実用エスペラント小事典を日本語/エスペラント辞典に改造する方法
ちょっと
Pdicに、和英辞書を作るコマンドがありますが、これで作ってみるとエスペラント辞書は満足する辞書にはなりませんでした。以下の手間のかかる方法が必要と思っています。

@       EXCELで本辞典のテキスト文書を読み込みます。
A       テキストファイルウィザードが立ち上がり、以下の取り込みを設定します。


区切り文字を「その他」として コロン:を記入します。
データのプレビューに取り込み形態が示されます。
取り込むと、A列とB列のセルにエスペラントと日本語が仕分けられて表示されます。

 これのA列とB列を入れ替えます。
B TXTファイルで保存されるので、ワードパット等(テキストエディタ)で開くと以下。



B       UDICは前方一致で検索するので、単語の前にある記号や分類シンボル等は消去します。これは、置換機能を使って例えば置換前を【政】、置換後を空白に指定して、一括消去します。
C       UDICソフトに対応する一行テキスト形式にするために、日本語とエスペラント語の間にあるスペースを置換前指定し、半角スペース /// 半角スペースを置換後に指定して、一括置換します。
D       これを名前を付けて保存。辞書データ変換ソフトPdixで、Unicode(BOCU−1)にコンバートする。
E       これをシグマリオン3のUDIC辞書閲覧ソフトに入れれば和エス辞書が機能します。


「コンピュータ用語いろいろ」を辞書としてシグマリオン3に入れる方法

@       広高氏が作成した「コンピュータ用語いろいろ」をダウンロードします。
A       上の辞書の時と同じように、1行データテキスト形式に作り直します。
B       本データは、エスペラント語のあとに半角スペースがあり、日本語表示となっているが、この半角スペースを ///  (半角スペース+スラッシュ3つ+半角スペース)に置換します。
なお、半角スペースは文字の中にもあり、一斉置換されるので後で修正が必要となります。

C       これをPDICファイルに変換し、その後にUnicodeにコンバートします。
D       シグマリオン3に入れて、エスペラント/日本語辞書として使用可能となります。
E       「コンピュータ用語いろいろ」を日本語/エスペラント辞書に改造します。

F       本データは、エスペラント語のあとに半角スペースがあり、日本語表示となっているが、この半角スペースを「“」に置換する。
和文の訳語には先頭に( )表示が多いが、前方一致の検索に適応できるように、これらは訳語の後ろに移動します。

G       これをエクセルに読み込み、和エス辞書と同じ処理を加えます。


サンプルファイル

以下は私が、広高氏の作成した辞書をシグマリオン3用に変換した辞書です。
   シグマリオン3で試してみようと思われる方はご連絡ください。
1.         エスペラント/日本語辞書
    圧縮和エス辞典.LHA 338KB
2.         日本語/エスペラント辞書
    圧縮和エス辞典.LHA 334KB 
3. エスペラント/日本語コンピュータ用語辞典
    エス和パソコン用語unicode辞典.dic  8KB
.  日本語/エスペラントコンピュータ用語辞典
    和エスパソコン用語unicode辞典.dic  7KB


謝辞
電単プロジェクトの皆様・・・・・・・
単語集テキストファイル「PEJVO.TXT]を作成された広高正昭様・・・・・
シグマリオン2にエスペラント辞書を使える方法を公開してくれた南波文晴様・・・・
PDICを作成されたTaN様・・・・
以上の方々に深くお礼申し上げます。



おまけ

英語辞書をシグマリオン3に入れる方法

PDA向けの軽量な英語辞書のフリーソフトが以下にあります。
以下のホームページから英語辞書DIC2001をダウンロードします。http://homepage1.nifty.com/yoshi_2000/FIRST.HTM#install
この辞書はPDIC形式ファイルです。

このホームページで以下のように説明されています。
DIC2001は、PDIC用英語辞書データです。必要最低限のデータのみ収録しながら、PDIC の豊富な機能を利用できるように工夫してあります。辞書づくりの基本データとして最適。

なお、DIC2001およびこのサイトの著作権は Yoshi さんにあります。
このファイルをPdixでコンバートすれば、シグマリオン3へ掲載できるファイルが作成されます。

英語辞書から和英辞書を作る方法

PDICのtoolsを開くと、「和英辞書の作成」があります。
これをクリックし、上記のDIC2001を変換元に指定して変換をスタートすると、あっという間に和英辞書が完成します。

この優れたところは、英和辞書の日本語部分には行頭に括弧表示(例として【医療】など)がされており、前方一致の検索システムに合致しない個所を、自動的に削除してくれます。

「先頭が“がのにを+漢字”の“がのにを”を削除する」「先頭の英数字・記号は削除する」にチェックをいれます。
これで変換すれば、和英辞書は完成です。

※エスペラント辞書をこのPDICで和エスに変換したらどうなるか。
先頭の記号は削除されるが、日本語の訳語の先頭個所のみとなり、後ろ部分の訳語が欠落してしまう。もっとやり方があるのかもしれませんが、私の知識の範囲では、エスペラント辞書には適当ではない思われます。
ゆえに、力仕事になるがテキストエディタで、テキスト編集が確実な方法と思います。



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