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2007年6月イラン・アフガン活動報告

アフガンの難民は、未だにイランに多数避難生活をしています。イラン全土で登録された難民で100万人いるといわれています。

国境近くにマシャドという街があり、ここにも多くの難民が生活しています。
その数は、正確には把握されていません、10万人以上から50万人とも言われています。
6月18日から10日間、このマシャドに行き、難民小学校を訪問しました。

マシャドには、エスペラントを学んでいる若者(難民)達がいます。
このエスペラント会代表アキバリさんが中心になって、当方の受け入れと小学校訪問の準備を進めてくれました。

その結果、6月20日アボルファズル小学校、6月26日イマムフセイン小学校、アルラーメ小学校の3校を訪問しました。
また6月20日、NGO日本国際民間協力会NICCO(京都)が設立した職業訓練校も訪問しました。

いずれも、生徒達だけでなく、父兄や近隣の子ども達も集まり、多くの観客が目をキラキラさせながら、マジックが始まるのを今や遅しと待ち構えていました。













大急ぎでマジックの準備を始め、口ヒゲをつけたり山高帽をかぶるだけで、笑い声や騒ぎ声、期待の高まりが分ります。
アキバリさんの通訳で、エスペラントの挨拶からスタートです。

花が咲いたり、アヒルが突然現れて、卵を生んでアヒルに孵るなど、たくさんの可愛いマジックに大笑いと大歓声、全員が笑顔です。
最後は小さなヘビが、巨大なヘビに変身すると、前に居る子ども達がのけぞり返り大悲鳴、会場は全員大爆笑につつまれました。






マシャドから車で5時間離れた国境近くに、ヘラートという街があります。
そこにNGOラーラ会(奈良)が設立し支援している孤児院があります。
現地スタッフレザ君に受けいれとマジックショーの準備をしてもらいました。

6月23日アブドラアンサリ孤児院、6月24日イマンファニファ孤児院を訪問しました。男児ばかりがホールに集まりました。5,6歳の小さな孤児から、18歳位の大人びた孤児達。孤児には初めてのマジックで、なにがあるのかと怪訝な目をした孤児達が待っていました。

今回準備したマジックは、アヒルのぬいぐるみや、絵本の色変わりなど子ども向けが多く、この孤児達には喜んでもらえるかと不安がよぎりました。

木笛(アルバソーノ)で日本の曲を演奏すると、静かに聴いてくれます。
しかし、可愛いいもむしや子犬のあやつり人形を出すと、会場は一変し、笑いと賑やかな声、皆笑顔になりました。

そのあとは、すべての出し物に、歓声や笑顔の連続です。ほんとうに素直に楽しんで、声を上げてくれました。
そして、最後は小さなヘビが、巨大なヘビに変身、小学校と同じように、前に居る孤児達がのけぞり返り悲鳴を上げる、ホールは孤児達皆が大笑いです。

小さな孤児達が握手を求めてきました、とても楽しかったようです。
ああ、楽しい事に飢えている子ども達、これが実感でした。

マシャドでは、ソ連の侵攻以来難民となり、長い年月イランで難民生活を続け、マシャドで生まれた若者達は、祖国を見た事が無い者も多数いるそうです。
アキバリ(26歳)さんはテヘランで生まれ、ソレヒさん(24歳)マシャドで生まれイランで育ち、祖国を見た事はありません。

帰還しても祖国には住む家も仕事もなく、イランに留まっても永住の保証もありません。いつ追放されてしまうのか、不安の日々でもあります。

このようにアフガン難民は、容易には解決のつかない問題を抱えています。


:::::::RO誌投稿原稿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

F氏のアフガニスタン難民小学校訪問記

福田俊弘
アフガニスタンのカーブルで爆弾テロがあり、日本のNGOが数人負傷したのが6月17日。にがい気持ちで、アフガニスタンに向かったのが翌日の6月18日である。

最終目的地は、アフガン古代都市ヘラート。戦争で親を失った孤児達がF氏のマジックを待っていた。イラン・テヘラン飛行場から空路、マシャド市に。マシャドから陸路タクシーで国境越えの計画である。

アフガン国境近くのマシャド市、ここに多くのアフガン難民が生活している。その数は不確定で、10万人から50万人とも言われている。このマシャド市には、AFESPOというアフガン難民のエスペラント組織が2003年に誕生している。
ここにメールを送ったが、このAFESPOからの返事は「いま私たちはエスペラント活動していない。
ある者はアフガンに戻り、ある者は英語を勉強している、貴方は何しに来るの」とつれない返事。

6月19日に到着したマシャドのホテルからAFESPOのアキバリさんに電話。難民の子ども達へ、楽しいマジックを見せてあげたい。そこでアキバリさんにエスペラントで通訳して欲しい。この話に喜んでくれたアキバリさんは小学校訪問の準備を進めてくれた。
翌日から3日間、AFESPOのアキバリさんとソレヒさんに案内されて、アボルファズル小学校、イマムフセイン小学校、アルラーメ小学校の3校を訪問した。いずれの小学校でも、子ども達は初めて見るマジックに大喜び。

とくにアルラーメ小学校では生徒達だけでなく、父兄や近隣の子ども達も集まり、多くの観客が目をキラキラさせながら、マジックが始まるのを今やおそしと待ち構えていた。アキバリさんの通訳で、エスペラントの挨拶からスタートだ。まず木笛アルバソーノで数曲日本の歌を吹いてからマジックショー開始。

アヒルが突然現れて、卵を生んでヒヨコになるなど、たくさんの可愛いマジックに大笑いと大歓声、全員が笑顔でいっぱい。
最後は小さなヘビが、巨大なヘビに変身すると、前に居る子ども達がのけぞり返り大悲鳴、会場は全員大爆笑につつまれた。
アルラーメ小学校では、マジックショーの後、この学校の若い先生たちが数人集まり、話題がエスペラントに集中、まるでエスペラントの説明会。
そして、とうとうこの小学校で、エスペラントの教室を開く事になった。エスペラント活動を停止していたアキバリさんたちは、久しぶりのエスペラントの活動再開に、うれしそう。

ソ連の侵攻以来難民となり、長い年月イランで難民生活、祖国を見た事が無い者も多数いる。アキバリ(26歳)さんはテヘランで、ソレヒさん(24歳)はマシャドで生まれ、イランで育ち、祖国アフガンを一度も見た事はない。帰還しても祖国には住む家も仕事もなく、イランに留まっても永住の保証もない。
  
この暗い現実の前でF氏、エスペラントを通じて、木笛やマジックで慰めてあげることしか出来ない無力を感じている。
                                                                 [ fino ]


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