Mochiru Hoshisato Labo.

●プロローグ●
「危険がウォーキング」新装版刊行記念!
星里もちる作品は海外でこんな形で発行されている!の章
(新章もうすぐ更新予定。しばし待たれよ!)

このページでは、星里もちる作品に関する
様々なテーマを多元的且つ
シュミに走って考察をする。
今回はプロローグとして、こんなテーマを取り上げてみた。

星里先生が昨年末のコミックマーケット59の横浜福袋商会ブースに
御来場の際、御土産にご自身の作品の海外版コミックスを持って来て下さった。
ここでは、その貴重な資料を公開してみなさんと共に海外における
星里作品について色々と考えてみたい。

とりあえず今回はプロローグとしてちょうど新装版が発売になったばかりの
「危険がウォーキング」のオリジナル版(徳間書店発行)を取り上げる。

左がみなさまおなじみの徳間版「危険がウォーキング」第四巻(完結巻)。
右は台湾の東立出版社が正式に徳間書店からライセンシーを取得して
発行した(=海賊版ではない)「ウォーキング」の台湾版
「危險(険)女郎」第四巻である。(以下「台湾版」)
奥付を見ると台湾版の発行は1994年12月となっているので、日本から
遅れる事約5年のタイムラグがあることになる。(ちなみにこの頃日本では
「結婚しようよ」の連載が終了している)

表紙を見て気付くのは「もちる」がひらがなのままになっている点だろう。
奥付のライセンシーにローマ字表記が載っているので、一応この文字を
「mochiru」と発音するという事は台湾の読者にも分かるようである。
なお、台湾ではいくつかの出版社が星里作品を翻訳出版しているが、
出版社によっては「望留」という字を充てているところもあるようだ。

また、画面では比較のためほぼ同スケールになっているが、
実際は台湾版の方が徳間版の「SHONEN CAPTAIN COMICS」の
帯の分だけ小さい。(横幅はほぼ同一サイズとなっている)

ちなみに気になる人も多いと思うが、台湾版「危險女郎」には
残念ながらカバー裏企画は存在しないのだった(笑)
 

さて、中身の方も比較してみよう。比較文化論的に見ても
興味深い頁も多いのだが、今回はほんのさわりをご紹介する。
徳間版コミックスP11(第17話「危険がヒーティング」/
台湾版タイトル「危險女郎之温馨廁會」)を比較してみる。

ネーム(台詞)はほぼ直訳と考えてもらって差し支えない。
注目は1コマ目の「ひょい ひょい ひょい」というオノマトペが
そのままになっている点だろうか。実は今回いただいた本の
中には、一部ではあるがオノマトペまで翻訳しているものや、
欄外にこれは**を意味するものだという注釈を添えている
ケースもあって、現地の出版界でも対応はまちまちである。

また少々見づらいが、2コマ目左端の立て看板にも注目。
徳間版では「そば うどん  境内前テント 座って食べられます」
という日本の縁日などでよく見かける文句が書かれているのだが、
台湾版ではこれが手書きで「廁前焼 火考(一文字)肉串」と
あまり上手とは言えない字で(苦笑)書き直されているのが
わかるだろうか?  おそらくは「そば うどん」の何たるかを知らない
読者への配慮と考えるべきだろうが、その割には同じコマの
右端の「きんぎょすくい」は手前に人物が被っているせいか
日本語(ひらがな)そのままになっているのが見られる。

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こうして別の言語で話す佳枝ちゃんや育郎くんたちと
いうのもまた、なかなか不思議な感覚であることが
少しではあるがお分かりいただけたかと思う。
まだまだ取り上げてみたいシーンはあるので
これからも随時ご紹介して行きたいと思う。

最後に、今回この頁を作成するにあたり貴重な御本を
提供して下さった星里先生に改めて御礼申し上げます。
(2001/03/25 森魚洵)

●追記●
ところで、最近このページへ直接飛んで来て下さる方の
数が非常に増えているのです。みなさんいったいどこから
いらしたのでしょうか?  製作者としてはちょっと気になります。
そこで皆さんにお願いです。もしよろしければ、どこでこのページの
ことを知ったのかを掲示板かメールで教えていただけないでしょうか。
もちろんリンク先に乗り込んで何事だゴルァ! なんてことは
しませんのでご安心を(笑)ご協力のほどをよろしくお願いします。
(2001/09/12)

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