売売新聞平成8年1月0日号 p01------------- 山下ケミカルに 「余分な新規採用で会社に損害」          株主代表訴訟  不景気で業績が悪化する中、政府等の要請で新規採 用数を不必要に増やし、会社に大きな損害を与えたと して、山下ケミカルの株主四人が社長など役員十人に 対し、会社に約二億円の損害賠償を求める株主代表訴 訟を起こした。  訴えを起こしたのは、大阪市の自営業・島田俊雄さ ん(49)など株主四人。  訴えによると、山下ケミカルは長引く不景気で業績 が悪化。そのために、一部事業の縮小・撤退を決め、 今年は新規採用ゼロを計画していた。だが、全国的な 就職難が問題化して、政府・労働団体などから雇用拡 大を求める要求が相次いだため、「長期的な視野に立 ち、若手を育成ため」との理由で二十人の採用を取締 役会で決定。しかし、バブル時代に採用した若手が十 分におり、今回の採用は明らかに会社に損害を与える ものだとしている。その上で、人員が適正になるまで に支払われる余分な給与や教育などの費用を約二億円 と算出し、その額を会社が被った損害として、取締役 にその賠償を求めている。  原告代表の島田さんは記者会見で「なけなしの金を 出して投資している個人株主に対する配当を削り、そ の金を職のない若者にばらまくことが良いことである かのような社会風潮があるが、全く許せない」と憤り をあらわに語った。  一方、被告の山下ケミカルの豊旗弘夫代表取締役は 「確かに最初は新規採用ゼロも考えたが、各年の採用 数の均等化など、社会的要請も考えて決めた。損害で はなく、社会的負担と考えている」と述べている。 -------- 江東区で女子高生が自殺  三十二日正午ごろ、東京都江東区辰巳の森緑道公園 で、女子高生が首吊り自殺しているのを発見したと、 近くの住民から百十番通報があった。  その後の調べでこの遺体は江戸川区東江戸川三丁目 の各種学校生・村田健治さん(20)と判明した。  村田さんは、清美女子学園の制服を着用し、同校指 定のエプロンを縄状にして木の幹にかけて自殺してい た。近くにあったカバンの中に遺書らしきものが見つ かった。警察では自殺の動機等について調べている。  清美女子学園には、遺体の発見直後に連絡が入った。 その後、自校の生徒ではないことが判明したが、自殺 という重大な事件であることから、緊急に全校集会を 開いた。  生徒に対して事件の説明が行なわれた後、一分間の 黙とうで村田さんの冥福を祈った。そして浜川校長が 「みんなと同じ制服を着た大切な仲間が、自ら命を絶 ったことは大変残念なことです。どんな辛いことがあ っても、自殺などという手段を選ばないでください」 と述べた。  また、村田さんが三年四組の学年組章を付けていた ことから、同教室の机に村田さんの写真と花が飾られ た。顔を合わせることもなく亡くなったクラスメート の写真を前に、泣きくずれる生徒もいた。全校集会の 後に行われたホームルームでは、クラス全員で村田さ んの葬儀に参加すること、卒業まで村田さんの机を教 室に残すこと、卒業アルバムに村田さんの写真と遺書 を掲載することなどを決めた。 -------- 身分交換で替え玉入学  浜々県警は大学に通う女性A(14)を公正証書不実 記載等、私文書偽造および詐欺投票の疑いで逮捕した。 これに関連して床浜市内の女子中に通う女性B(21) からも事情を聴取している。さらにA、Bの自宅を家 宅捜索し、教科書やノート、メモ等を押収した。  警察の調べによると、AとBは容貌が似ていること から身分交換を計画。三年前にAが小学校を卒業、B が高校を卒業するのを機会に、AがBの名義で大学を 受験、BがAの名義で私立中学を受験。それぞれ合格 した学校に通学していた。A、Bとも自宅から通学し ていたが、Bが合格した中学が私服通学だったため親 も気付かなかったという。その後Aは運転免許証を取 得、またBの二十歳の誕生日以降すべての選挙に投票 していた。しかし今年秋にBが学校内で事故にあい、 入院し、事件が発覚した。  Aが通学していた大学の教授は「外見は幼い感じが したが、演習などでは他の学生と変わりなかったし、 成績も中の上程度だった」、Bのクラス担任は「特に 変わった生徒ではなかった」と話している。また事件 を知ったBの同級生らが、Bを退学処分にしないこと を求める署名を学校に提出している。 -------- 「動物実験やめれば、商品欠陥被害の責任問わず」            動物実験に反対する会が決議  「動物実験に反対する市民の会」(本部・東京都、 代表・西谷春美さん)の全国大会が三十二日、京都市 で行われた。  午前中は各分科会で議論が行われたが、「動物実験 と消費者被害」では、PL法施行による賠償責任の増 加が、動物実験に拍車をかけている現状が報告された。 これに対して、「人間の被害を防ぐために、動物達が 被害を被っている」「被害への賠償という考えを改め ない限り、動物実験は無くならない」など、意見が相 次いだ。  午後には全体会議が開かれ、特別決議として、動物 実験を中止した企業については、商品欠陥による被害 に対していかなる賠償も求めない事を決めた。また、 多くの市民がこれに同調するよう呼びかける大会アピ ールを採択した。 --------  ハト。太古の昔から戦いの場にいた。 秘密情報を担い、戦場を駆け抜けていく。  ハトは戦いの象徴、隠密の印。  そして21世紀、新たな戦士となって、      ハトが帰ってきた 秘密戦隊 ハトポッポー p02------------- みんなのひろば ----  クラスの定員は増やすべき   会社員・鳩田 聡 37        (函館市)  一部の人々が、小中高校のクラスの定員を減らすべ きだ、という主張をしている。教員の目が子供ひとり ひとりに行き届くようにするために必要だという。そ うすれば、勉強の面はもちろんのこと、いじめや自殺 の防止、個性の伸長などにプラスになるという。  しかし私にはこの意見が、教師による子供の管理を 強化しようとするものに聞こえる。子供ひとりひとり に細かく目を配ることで、子供の性格・嗜好や思想ま でをも管理しようとするものに感じる。子供達の成績 を事細かに管理し、受験対策をするのだろうか。子供 同士のプライベートな付き合いにまで触手を伸ばし、 子供同士の秘密を暴くことで、いじめや自殺の防止を 図ろうというのだろうか。そして、子供の個性を管理 し、都合良く作り上げようと考えているのではなかろ うか。全く空恐ろしいことである。  そんな教師達の企みは挫かなければならない。そし て、よく多く多様な友人を作り、社会性を育み、たと え悪い人にそそのかされたりいじめられても自分で克 服する力を付け、子供が自らの意思と力で成長できる 環境を作るらなければならない。そのためにも、クラ スの定員は現状維持か増加させる方向で検討願いたい。 ----  安全よりも心の触れ合いが大切  自営業・吉田 春男 52        (神戸市)  大震災後に行政は、色々な口実をつけて道路整備や 区画整理を進めようとしていますが、私はこれに対し て大きな憤りを感じます。  これまでこの地域では、多くの人が小さいながらも 一軒家を持ち、ささやかながら満足できる生活をして いました。狭い町や商店街だからこそ温かい心の触れ 合いをいつも感じることが出来ました。  しかし、道路や公園の整備で土地が狭くなると、マ ンション化するか、よそに移るかしなければなりませ ん。「人口過密の解消になり、道路や公園もゆったり して、住みやすくなる」などという人もいるようです が、出て行かなければならない人の気持ちを考えて言 っているのでしょうか。  そして、広く安全な町になると、心の触れ合いが無 くなってしまいます。心の触れ合いというのは、お互 いがプライバシーを知り合えるような家や町に住み、 みんなで大きな危険を共有しあってこそ生まれるもの なのです。隣の家が火事になっても自分の家は大丈夫、 などという町では、心の触れ合いなど期待出来ないの です。また、救急車の到着が遅れ、その結果死ぬ人が 出ても、そういう出来事が起きてこそ町の人々の心の 絆が深まるのです。みんなが救急車で助かるような町 では、そんなことは期待できません。  ここ数年「心の時代」という言葉がよく使われます。 どんなに危険で、不安におののく暮らしであっても、 心の触れ合いの感じられる町であれば十分ではないで しょうか。 ----  会社でのいじめ放置しないで 会社員・飯島 江利子 24        (甲府市)  最近、学校でのいじめが大変問題になっています。 でも、いじめは学校だけにあるものではありません。 会社などでもひどいいじめが頻繁に起きているのです。  会社でのいじめも学校でのいじめに劣るものではあ りません。きっと自殺した人もたくさんいることでし ょう。なのに全く報道されないというのは不思議です。 こどもの自殺やいじめは重大問題であり、あってはな らないことなのに、大人のいじめはあっても構わない というのでしょうか。  報道をしないマスコミも悪いのですが、いじめを放 置している会社の責任も重大です。会社は社員の心の 叫びを読み取って、自殺を未然に防ぐ義務があります。 なのに、どこの会社もいじめを放置しています。マス コミが取り上げないからといって、こんな状態が許さ れてよいものでしょうか。 ----  女性蔑視の反戦映画は許せない  大学生・橋田 佳代 21   (東京都あきる野市)  戦後五十年記念ということで、いろんなテレビ番組 や映画が作られたが、そんな中に「ひめゆりの塔」が あることに気付き、大変な驚きと憤りを感じた。  沖縄戦では、男女の区別なく戦場での任務に着いた。 そして、男女の区別なくたくさんの死者が出た。にも かかわらず、二十歳前の女性であるというだけで、な ぜ悲劇として言い伝えられなければならないのか。  これは、女性が戦場で力強く任務を果たすのは悲劇 である、女性はか弱い存在でなければならない、女性 はいつだって被害者なのだ、という考えを、男性のみ ならず女性にも植えつけようとする、悪意に満ちた策 略である。このような誤った考えを植えつけて女性を、 何か起こるとめそめそ泣いて、何も出来ずに他人に助 けを求めるだけの、本当にひ弱な人間にしてしまおう という魂胆なのである。  このようなものは「アンネの日記」など、他にも多 数ある。  平和を訴えるという美名の下、このような女性蔑視 を助長する作品が讃えられるという現状を、早く変え ていかなければならない。 ----   「レディファースト」なぜ喜ぶ  会社員・戸田 春子 32        (大津市)  欧米の風習に「レディファースト」というものがあ ります。出入口などで女性に先を譲るというものです。 これを一部の人々が、女性を大事にする、素晴らしい 風習であるかのように言っているのを時々聞き、私は いつも不思議な気持ちになります。  「レディファースト」というのはどう見ても、男性 が女性を後ろから監視するための風習にしか見えませ ん。レディファーストを讃える人というのは、女性が 男性の監視下にあることを喜んでいるようなものです。  そして、「レディファースト」を喜ぶ女性を見るに つけ、私にはそれが犬の散歩のように見えるのです。 飼い主にひもでつながれながら、喜んで前を走る犬の ように見えるのです。なぜあんな事を喜ぶ女性がいる のか不思議でなりません。 ----  心のケアで悲劇防いで   主婦・市川 文子 39        (高知市)  NHKの「みんなの歌」は楽しい歌が多く、いつも 欠かさず聴いております。  しかし、最近流れるようになった「魔法の絵の具」 には大変心を痛めています。「白鳥達には真っ黒な絵 の具を塗ったくろう」という歌詞を聴くたびに、どう いうことがあったのか知らないけれどきっと心に深い 傷を負い、だから美しい白鳥の白さをねたみ、魔法の 絵の具で汚してしまいたい、という残酷な人間になっ てしまったのではないか、ととても悲しくなってしま います。  最近心のケアが大切との声が高まっていますが、大 人の場合は人知れず心に傷を負い、このような残酷な 歌を子供達に聞かせてしまうという悲惨な事が起きて しまいます。このような事を防ぐ手立てはないもので しょうか。  少なくとも、この歌の作者を直ちに保護し心のケア をほどこして、二度とこのような残酷な歌を歌わない ようにして欲しいものです。 -------- うちの学校の最先端 だほだほのセーラー服がみんなのお気に入り!         東京都 真子ちゃん  うちの高校は私服通学なので、みんないろんなかっ こうをしてくるのですが、最近流行ってる服装があり ます。  それはなんと、上はセーラー服、下はジーンズとい う恰好なのです。しかも、出来るだけだぼだぼのセー ラー服を着るのがかっこいいのです。  一番最初にこれをやったのは、Aくん。Aくんは身 長一五六なのですが、妹さんが一六八もあり、小さく なった制服ももらったそうです。去年の冬、それを寒 い日に上着代わりに来てきたのです。それを見て男子 が大受け。そして次にDくん(身長一六〇)が、よそ の高校の制服の中で一番すその長いセーラー服の一七 五センチ用を買って、着てきたのです。  それ以来、だぼだぼセーラー服が大流行。男子も女 子もジャンパー代わりに大きいセーラー服を着てくる のです。  そして暖かくなってからは、白い薄地の長袖セーラ ーはもちろん、ブラウスの大きいのをすそ出しで着て くるのです。女子高の制服のネクタイをしめてくる人 もいます。  背の低い女子の中には、子供服の一六〇センチ用を 着てくる人もいて、みんなからうらやましがられてま す。逆に背の高い人達は、それ以上大きいのがないの で残念がってます。「身長二メートルの女の子探しだ そうか」「自分で作っちゃおうか」なんて話もありま すが。 p03------------- クラブ活動 校外の人に開放  従来の学校教育の問題点として、学校外の人間関係を 作る機会が少ないことが挙げられる。特に中学では生徒 をクラブ活動に縛りつける所が多く、そうでなくても学 校と家の往復に終始する消極的な児童・生徒が少なくな い。そのため、休日に商業施設を利用する他に、校外の 人と接する機会が少ない場合が多い。学校などで色々な 行事を組んではいるが、教師がお膳立てした他人行儀な 行事がほとんどで、その場限りの人間関係に終わってし まう。  このような反省から、学校外のサークル活動を支援す る動きが見られるようになってきたが、逆に学校のクラ ブ活動に他校の生徒や社会人の参加を認める事例も出て きた。人間関係が会社に限られている人が多いという点 からも注目されている。今回はその一例を取材してみた。  頌和女子学院高校(東京都港区台場)の漫画研究会 は部員十三人。うち三人が校外部員だ。  元々この漫研ではこっそりと他校の生徒も部員同様 に参加していた。校外部員のひとり、佐藤美知子さん (17)もそうだった。佐藤さんは他の高校に通ってい るが、そこの漫研は男子部員ばかりで、活動内容も佐 藤さんの趣味には合わなかった。そこで中学の時の友 人が参加していた頌和女子学院の漫研に参加すること になった。先生には内緒にしていたので、人目の少な い裏口から部室に出入りしていた。  しかし違う制服の生徒が校内にいるのがばれないは ずがない。去年の冬、顧問の酒田教諭に見つかってし まった。それでも、佐藤さんが熱心に活動しているこ とを知った酒田教諭は他の教師とも相談して、佐藤さ んを正式な部員と認めることにした。佐藤さんは頌和 女子学院の制服を着て、堂々と正門から入れるように なったのだ。  そこで部員らは、今年の三月に校外部員の勧誘を計 画。希望者があまり多くても困るので、小さなミニコ ミ誌に広告を掲載した。それを見て入部したのが大手 運送会社に勤める田中智子さん(20)。高校の時は面 白そうな部活がなかったために参加せず、就職後も趣 味もなく退屈な生活だった時に、部員募集の広告を見 て入部を決意。有名な頌和女子学院の制服を着られる ことも心ひかれたという。  もうひとりの校外部員の持田浩一さん(19)は近くの 大学に在籍。大学の漫研にも入っているが、みんなが それぞれ勝手に活動していて、初心者の持田さんには 参加しずらいという。そんな時、家庭教師で教えてい た生徒から頌和女子学院の漫研の話を聞き、入部した。  頌和女子学院の漫研の活動は、自ら漫画を描き、年 二回会報を発行すること。部員は毎日部室に来て、熱 心に描いている。しかし毎年新入部員はほとんど初心 者なので、基本的な事項を先輩が教えるのも重要な活 動だ。二年目の佐藤さんも今年は新入部員に画材や描 き方について教えている。新入部員の田中さんと持田 さんは一年生とともに上級生から教わっている。  漫研の活動が始まるのは午後三時半頃。一般の部員 や佐藤さんは授業が終わったらすぐに部室に来る。し かし普通の会社員には午後三時半は早過ぎる時間だ。 広告まで出したのに社会人が一人だけであるのも当然 だ。田中さんの場合はフレックスタイム制度を利用、 ラッシュ前に通勤し七時前から仕事を始め、午後三時 に終わるようにしている。 終わる時刻は午後五時過 ぎ。部員全員が揃って下校し、時には書店や雑貨店な どに寄り道をする。  漫研にとっての最大の行事は文化祭。会報の頒布の 他にもパネル展示などを行う。文化祭前は下校時刻も 午後七時頃と遅くなる。そして文化祭当日はアニメ研 究会と合同で揃いのはっぴを着て、展示や上映会を行 う。もちろん校外部員も参加する。特に持田さんは、 同じ日に大学の文化祭もあったにもかかわらず、そち らには参加せず一日中頌和の校内にいたという。  部員は趣味が同じなだけにとても仲が良く、放課後 だけでなく休日も一緒に映画を見に行ったり、ビデオ 鑑賞会をやったり、時には即売会に行ったりもすると いう。田中さんや持田さんも先輩の家には何度も行っ たという。  また今年の新入部員は、四歳も歳が離れ、男子もい るにも関わらず、特に仲が良く、「一年五人組」と呼 ばれている。入部前、田中さんは普通のOL、持田さ んは普通の男の子だったのが、仲良しに感化されてす っかり女子高生らしくなり、制服も似合うようになっ た。  また、大学生の持田さんは比較的時間が自由なため、 部活動の他にも体育と家庭科の授業にも参加している。 週三日、大学の授業の空いた時間に登校し、漫研の部 員がいる一年D組の授業に加わっている。午後に割り 当てられた家庭科の授業の時にはそのままホームルー ムにも参加し、そのまま漫研の部室に行く。そのため、 一年D組には持田さんの机もある。春には体育祭にも 参加した。そのため、クラスにも友人が多く、一緒に 遊びにでかけることも多い。修学旅行には田中さんも 参加する行く予定だ。  校外部員という制度について佐藤さんは「自分の参 加したいクラブが自分の高校にない、という人も多い んじゃないでしょうか」、田中さんは「年齢が違うけ ど、同じ部員として仲良くなれてとてもうれしいです。 それに他の漫研の人とも知り合いになれて、友人がし ても増えました」、持田さんは「自分にぴったりの部 に入れてとても良かったと思います。それに漫画のこ とだけじゃなく、髪とか服についてもみんなから教え てもらえたし。女の子らしくなったせいか、大学でも 女の子の友達が増えました」と話してくれた。  また部長の島永利子さんは、「以前はなかなか人数 が集まらなかったり、他に面白そうなのがないからと やる気のない人が入ったりしていました。それが今で は本当に楽しんでやる人が集まってくるので、こちら も楽しくなります」と話している。  頌和女子学院では今後同様の試みを他の他の文化系 クラブでも導入する予定。しかし体育系の場合は大会 への参加などに問題点を残しているため、団体競技で の導入は慎重に検討するとしている。 --------  私立中学合格者 入学辞退過去最高  東京都内の主な私立中学の入学手続きが三十三日ま でに終了した。合格したにも関わらず入学手続きをし なかった者が、合格者全体のうち五十九パーセントと、 過去最高になった。多くの中学が余分に合格者を発表 しているが、一部では追加合格を出したり、追加入試 を行う模様。  辞退者が過去最高になった理由として◎滑り止めと して複数校受けた者が増えた◎関西など通学圏外、小 学五年など入学資格外といった、入学出来ない者によ る「記念受験」「力試し受験」が増えた、などが原因 とみられる。  特に調査書提出を求めていない中学で、入学資格外 者の偽称受験が増えたとみられる。中堅校以上では五 年生以下の「力試し受験」、過年度生を受け入れてな い有名中学では「記念受験」、男子中・女子中では 「異性受験」などが多いとみられる。  ◎各校の反応  このことに対する各校の反応はまちまちだ。ある私 立女子中の教諭は「見た目で明らかな人は面接で落と しましたが、それでもかなりの数の五年生、中には四 年生の合格者もいたようです。逆に勘違いで落として しまった六年もいました。入学した子には、男子が受 けてたとでも言います。5年生に負けてたなんて言え ませんし。今度から調査書添付を求めようかと考えて ます」、また男子中の教頭は「滑り止めに受ける子は 昔からいましたから気にしませんが、それでも少しは 期待するものです。それが、入る見込みが全然ない子 が多いとなると問題ですね」と否定的。  一方、別の共学の中学の教諭は「成績もいいし、面 接でも好印象の子が実は小五。きっと来年よそに入学 しちゃうだろうし、もう一年間受験勉強するのかと思 うと、もったいなくてね。でも、入学出来ないにせよ、 うちで合格出来たことがこの子にプラスになれば、と てもいいことだと思いますよ」。また比較的有名な女 子中の校長は「男子や過年度生の記念受験が多いです ね。成績は飛び抜けてはいないけど、面接してみると うちの校風にぴったりな子が多いですよ、過年度生や 男子は。普通に受験する子よりも校風をよく理解して る子が受験してるのでしょうね。うちに入学すれば六 年後にはこんな子になる、というのが目に浮かぶ。一 部教員の反対もあるので受け入れられないけど、面接 の時だけでもこんな子らと会えるというのは楽しい」 と肯定的。  他にも、これを機会に男子中・女子中としてのカリ キュラム・校風をそのままに共学化したり、過年度生 の受入れを決めたり、また小学校を併設している中学 で、学籍を小学に置いたままで中学に通わせるなど、 新しい試みを始める学校も多い。 p04------------- (p4はおまけとして身長分布グラフをつけていました) ----------------