教育関係ネタ

1999/3/6設置,1999/6/20追加

一億総教育評論家時代だけあって、 『多様な視点』研究所も教育関係ネタには事欠きませんでした。 他の分野との境界領域もありますが、 特定の時事ネタに関係しない範囲で適当に選んで列挙しておきます。



今の子供はかわいそう

 僕たちは目の前で「今の子供はかわいそう」と連呼される。テレビを 見ても、新聞を見ても、そう書いてある。「小学6年生」にもそう書い てある。担任の先生も校長先生も保健の先生もそう言う。親もそう言う。
 あー、僕たちってとっても不幸なんだ。登校拒否したって当然だよな。 自殺したって当然だよな。誰かをいじめたって仕方ないんだよな。

 昔の子供はきっと幸せだったんだろうな。食べ物が足りなかったり、 空襲があったり、山の中に疎開したりして大変だったかもしれないけど、 子供がみんなで力を合わせて、戦争中も力強く生きていたんだ。疎開だ って、仲のいい同級生と一緒に何ヵ月も暮らせるんだ。楽しいもんじゃ ないか。考えるだけでわくわくしてきたぞ。
 それに比べると、平和な時代のこの悲惨さ。平和の悲惨さはぜひとも 後世に語り継がなければ。

 とにかく、今の子供は不幸なんだ。僕は不幸なんだ。理由なんて知ら ない。大人がそう言うから、不幸なんだ。
(Original released at 1997/6/7)



◎Jリーグ飛び級、教育界に懸念

 Jリーグと高校クラブに2重所属させて若手育成を進めようとする今回の決 定に、大学飛び入学に反対していた教育関係者はさらなる衝撃を受けている。
 「心身が未発達な高校生が、サッカーのみならず大人の選手と一緒に生活し、 しかもそのような子が他の高校生と一緒に学校生活を送るなんて、教育にいい 影響がある訳がない」と、ある教育評論家は懸念している。ある教諭は「現在 でも生徒たちは、大学進学は塾や予備校に頼り、放課後や休日も学校外の交遊 関係で過ごしており、高校教育の空洞化はますます進んでいる。最後の砦とも 言えるクラブ活動さえ、今回の処置で空洞化しかねない。我々に高校生の教育 への責任を問われても、何もできやしない」と悲痛だ。
 これらの教育関係者が特に懸念しているのは「生徒間の能力の格差が、今ま では成績という形でしか表されなかったのが、プロでの活躍や飛び級、現金収 入など目で見える形で表されることで、出来ない生徒に劣等感を与える事にな らないか」という事だ。ある高校の校長は「昔だったら、特別な才能を持った 子を特別扱いしてもみんな納得していたし、その子の活躍をみんなが期待して いた。しかし平等意識が根付いた今では、他の子たちが傷つくことを気にしな ければならない」と話している。
 「心のケアに注意しさえすれば問題ない」との声もあるが、「原因は徹底殲 滅すべきだ」との声が強い。
(Original released at 1997/6/28)



友達作りを強要しないで

 学校や社会では、「心の触れ合い」が素晴らしいことのように子供に教え、友 達が多ければ多いほど偉いかのような脅迫観念を植えつけ、「友達も作れない奴」 を馬鹿にする風潮があります。そんな中で、友達作りでストレスがたまり、登校 拒否になったり病気になったりする子が多いと聞きます。
 そんな子供達に「無理して友達を作らなくていいのよ」「友達がいないのは異 常ではないのよ」と優しく言ってあげたくなります。友達作りを強要する社会の 弊害を認識し、友達作りを強要しない社会を作りたいものです。
(Original released at 1997/8/28)



特別講座「心の教育」−他人の気持ちが分かる人になる−

 さぁみんなぁー、他人の気持ちを理解できる、優しい人になれるかな?
(生徒「はーい」「えー」「わかんなーい」)
 じゃあ、実際にやってみましょうね。

 ではまず、第2次世界大戦直前から戦争中にかけてのドイツ人の気持ちを 考えてみましょう。ユダヤ人を差別したり、ユダヤ人の商店街を焼き打ちしたり、 ついにはポーランドの辺境まで連れて行ったりしたんですねぇ。 なんでそういうひどいことをしたのか、その時のドイツ人の気持ち、 分かるかな?
(生徒「わかんなーい」「難しいよー」)
「人の気持ちなんてわかんなーい」とか言ってると、 朝日新聞社の記者さんに怒られますよぉー。 さあ、ナチスの人達の気持ちを理解してあげましょうね。 なんでそんなことをしたのかな?
(生徒「わかんなーいよぉー」)
うん、じゃあね、君達はなんでけんかしたりするの?
(生徒「仲悪いからぁー」「嫌いだからぁー」)
そうだよね、嫌いな人っているよね。なんで嫌いなの?
(生徒「だっていじわるなんだもん」 「人の気にさわるようなことばっかりするんだもん」 「見るだけでイライラする」)
うんうん、嫌いにも色々理由があるもんだ。でも、 嫌いな人の一人くらい誰だっているよね。 じゃあその嫌いな人とはどう付き合ってる?
(生徒「口を聞かないもん」「シカトするぅー」「蹴り入れる」)
なるほど。じゃあドイツ人に話を戻そう。 大戦前ではドイツ人でもフランス人でもイタリア人でも、 ユダヤ人が嫌いだったんだ。理由は色々あるけど、 君達が人を嫌いになる理由と、そんなに違わないんだよ。
 で、嫌いな奴とは口を聞きたくない、街で顔も合わせたくない。じゃあ、 君達だったらどうする?
(生徒「そいつのいない所に行く」)
でもドイツ人にとってのユダヤ人みたいに嫌いな人がたくさんいたら、 街に出られないじゃない。
(生徒「じゃあ街から追い出すぅー」 「蹴り入れて、俺の前に来ないようにする」)
うんうん、大戦前のドイツ人もそうやってユダヤ人を追い出してたんだよね。 ナチスの人達の気持ちが少しは理解出来たかな?
(生徒「はーい」)

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(伊藤くんの作文)
 ナチスドイツというと、すっごく悪い人達のように思ってましたが、 今日の先生のお話を聞いて、ちょっと理解できたような気がします。
 嫌いな奴と仲良くしろ、なんて言われても、 どうしても仲良く出来ない奴だっています。 それが毎日顔を合わせないといけない、なんてなると、 もううんざりするでしょう。そんな「嫌いだ」 という自然な気持ちを当時のドイツ人も持っていたんだと思うと、 ちょっびり親近感が湧きます。「嫌いな人はいない」 「嫌いな人とも仲良くできる」なんて人より、とても人間的だと思います。
 ナチスドイツは強制収容までやったそうです。今私にはそこまで嫌いな人 というのが幸運にもいないのでよく分からないのですが、そのうち 「そこまで嫌いな人」が現れるのでしょうか。
(Original released at 1997/9/17)



選択科目拡大に反対の声

 選択科目の拡大で、多様な才能を発揮出来る子はいいかもしれないが、 そういった事が出来ない子は劣等感を抱く。 まだ子供なのに劣等感を持たせるなどもっての他だ。 小中学生の時期は神聖ニシテ犯スベカラズの時期だ。 大人になってからなら劣等感を持とうが自殺しようが犯罪に走ろうが関係ないが、 子供の時期には絶対にそういうことがあってはならない。

 みんなと一緒の授業を受け、分からなくてもそのまま進級・卒業させる。 出来る子にも出来ない子にも、実現の可否はともかく夢だけは持たせる。 このようにして子供達に能力差を意識させないまま社会に出し、 出来る子には出来ない子の存在を忘れさせる。出来ない子には、 自分の能力では夢が実現不可能なことを社会に出てから悟らせて 絶望の淵へ追いやり、大きな劣等感を抱いて社会の足を引っ張る存在にする。 それこそが日本の教育の伝統ではなかったのか。 この伝統を是非守っていきたい。
(Original released at 1997/9/20)



米国の少年による銃乱射事件、波紋広がる

 14歳の少年による銃乱射事件が起きたアメリカでは、国民の間に波紋が 広がっている。
 教育評論家のレオナルド・キュウマ氏は「アメリカンドリームを喧伝し、 弱者救済を声高に叫び、個性の尊重ばかりに目が行くアメリカの教育の中で、 飛び抜けた能力もない普通の子達は取り残され、生きる価値を見出す事が出 来ずにいる。そんな子達が、大人たちの目を引くために今回のような行動に 走るのは無理はない。アメリカ社会の歪みの現れなのだ。日本のように普通 の子に十分目を配る教育を押し進めるべきだ」と話している。
(Original released at 1997/12/05)



私立中学入試問題批判

「問題・下の文の()内には2字熟語が入れてください。 ただし、その2つの漢字には()内にある部品を含みます。
 ・祖母が(也・田)して3年になる。」

 この問題は、まず「他界」という言葉を知らない事には答えられない、 暗記中心の試験問題である。 小学生にこんな言葉を教え込むような詰め込み主義の教育をまず改めるべきである。 小学6年修了者全員がこんな言葉を知ってる必要があるだろうか?

 さらに、この問題は「他界」という言葉を知ってるだけでは答えられない。 「祖母が○○して3年になる」 という文章だけならほとんど全ての2字熟語を入れる事ができる。 もちろん全ての2字熟語を列挙し条件を満たすかどうか確認する事など不可能である。 したがって、数ある2字熟語の中から「他界」という言葉を思いつき、 これが条件に合う事を確認して答えとして確信するに至らなければならない。
 つまり「祖母→他界」という連想を数分以内で行うよう強要している事になる。 このような固定概念を強要する事は、 子供の自由な発想を押し殺す事になるのではないか?「祖母→死に近い存在」 という知識を、全ての小学生が知っている必要があるとでもいうのであろうか? そして、このような発想が出来るようになるために子供達は、 日頃の読書を強要されたり、血縁・地域社会に付き合わされたりして、 自由な時間を奪われるのである。
 そして、「祖母→他界」という連想をした後で、 その熟語が「也」「田」という部分を含む事を確認しなければならない。 あるいは「祖母→死に近い存在」という連想の後で、 「也」「田」を含む漢字による熟語を思い出さないといけない。 漢字を分解して考える、というのは一応小学校で習いはするが、 それを短い時間で確認するだけの思考力が小学生に必要であろうか?

 さらに「他界」という単語は、「この世」と「あの世」 とを対比させる仏教思想に基づいた、極めて宗教色の強い熟語である。 公立小学校で教えるべき熟語ではない。
 だが、有名エリート中学と言われる学校がこのような問題を出せば、 子供達はこの単語を覚えてしまう。子供達の心に「この世」「あの世」 という宗教的脅迫観念が植えつけられ、「悪い事をしたら地獄に落とされる」 という恐怖心を深層心理に抱えたまま大人になってしまう。 このような恐怖による支配は人間を萎縮させ、自由な社会を作る障害になる。
(Original released at 1998/3/1)



主婦は社会経験を積むべき

 最近少年犯罪の凶悪化などの現実を前にして、 学校・教員の責任が大きく問われています。 その中で教員の社会経験不足が指摘され、 教員以外の職業経験を積むべきだとの声が上がっています。
 しかしそれだけでいいのでしょうか? 子供の教育は学校だけでなく、家庭も大きな影響を与えています。 特に心に関わる部分は学齢以前の幼少期が重要であり、 家庭以外では手出しを出来ない部分です。このような重要な時期を 社会経験の浅い主婦が担うのは問題が多いのではないでしょうか。
 子供の教育だけではありません。 日常生活の環境整備、家庭経済の維持などの主婦業務を進める上でも、 より多くの経験を持ってないとうまくやっていけないでしょう。 主婦になるためには、ある程度職業等の経験が必要なはずです。
 このように、主婦になる前の何年間か職業等の経験を保証する社会的制度が 必要なのです。

 このような社会制度は、実は今までも慣習として存在しました。 しかし「腰掛け」との的外れな批判が行われ、 その結果職場にいる主婦予備軍もやる気を無くしてしまう、 という悪循環でせっかくの慣習がうまく機能しなくなってしまいました。 今は素晴らしい慣習を復活させる努力が必要なのですが、 もし国民が協力してくれなければ法的に制度を確立するべきでしょう。
(Original released at 1998/3/12)



非行少年の心の叫び

 ぼくは世間に、大人達に存在を認めてもらいたくて、悪い事をしたんだ。

 なのにみんなは、僕が悪いことをしたのは「世間が悪いから」「教育が悪いから」 って言うんだ。ぼくの責任なんかだれも認めてくれないんだ。 ぼくには責任なんてないの?ぼくを一人前として扱ってくれないの? どうしてもぼくを子供扱いするの? ぼくなんて世間や教育に影響されて悪いことをしちゃう、 そんな個性も自主性も意志もない、どうしようもない人間なんだ。 だから叱っても、処罰してもしょうがないんだ。 どうせぼくなんてその程度の価値しかないんだよな……
(Original released at 1998/3/28)



きわめて保守的な、制服反対論

 中学高校時代というのは子供から大人になる時期です。 子供の体を脱し、大人の体を体験する大切な時期です。
 本来はこの時期に大人のファッションを身につけるべきなのです。 体の成長に合わせて色々着てみる。 親や教師等周囲の大人達に叱られたり褒められたりしながら、 自分に合う服装を見つけていく。 そして冠婚葬祭などの場での厳しい「世間の目」を体験する。 そうした中で伝統を守りつつ自分の長所や短所に合った大人の着こなしを見出し、 大人社会へ出るための準備をする時期のはずなのです。

 ところが日本では大部分の中学高校で制服が導入されています。 そして学校生活だけでなく、 冠婚葬祭などの学校外の儀式においても学校制服を着ているのです。 制服でないのは遊び着か室内着だけであり、 中高生にとってファッションとは遊び着の事を指すのです。 大人社会とはまったくつながりのない制服と遊び着で大切な中学高校時代を過ごし、 たった六年間のためだけのファッション感覚を身につけることに 時間を費やしているのです。
 そのために日本の若者は社会に出ても、自分に似合う背広の選び方も分からず、 仕方なしに他人と同じものを買ってしまう事になります。 最近では女性さえもワンパターンなスーツを着ている事が多くなってきました。 あるいは、同世代の中でしか受け入れられないとんでもない服装を「個性的な服装」 などと称して他人の目を気にせずに着てしまうことになってしまいます。 伝統を守りつつ自分に似合う服装をするなどという事は 四十を過ぎてようやく出来るというのが現状です。

 これでは伝統を持った服装文化というものは存在する事ができません。 あるのは世代ごとの一時的な流行だけです。はたしてこんな社会でよいのでしょうか。 服装文化を伝統としてきちんと引き継いでいける社会を作っていきたいものです。
(Original released at 1998/4/8, revised at 1999/3/6)



なぜ今バーチャルアイドルか

 本物の中高生をアイドルに起用するのは教育上よろしくない。 受け手の中高生にとってもよろしくないし、 それ以上にアイドルをやる中高生にとってよろしくない。 過去に未成年のタレントが問題行動を起こした時、 少年法が機能しなかった事を思い出すべきである。 そしてそれがアイドルや子役をやっている子供達を萎縮させ、 「子供の体を持った大人」のように振る舞わせる原因となっているのだ。 最近ではそのような批判に応え、 大人の期待する子供らしさ・現代っ子らしさを装う子役さえいるありさまだ。 これが十代の子供のすることだろうか?
 かと言って、中高生アイドルの穴を20歳以上のタレントで 穴埋めする事は容易ではない。 いくら20歳以上のアイドルを起用しても受け入れられなければ意味がない。 子供たちに小さな時から20歳以上の「大人のアイドル」を憧れさせ、 「自分もあんな大人になりたい」という感情を抱かせるようにする事も大事だが、 それの成果が出るのは相当先の話。

 そこでバーチャルアイドルである。実際、 未成年を性的対象にするような著作物では既に実際の子役ではなく バーチャルアイドルのみが起用されているではないか。 これを普通のアイドルにまで広げるのである。 「遠くて手の届かないようなアイドル」「身近な雰囲気なアイドル」 「ファッションや仕種を真似したくなるアイドル」 など従来型のアイドルはもちろん、「嫌われアイドル」 というのも気兼ねなく実現できる。アイドルを一定期間やらせた後、 犯罪行為をさせてその後どのような末路をたどるのかを描く 「見せしめアイドル」も、飛行機事故で死亡する「お涙頂戴アイドル」 さえも可能である。
 また、実体がないから追っ掛けなどという行為も存在しえなくなる。 プレゼントにお金を浪費する子もいなくなる。カメラ小僧も意味をなさなくなる。 ストーカーはもちろん、顔に塩酸を投げかける事も出来なくなるのである。
 そしてもっとも重要なのが、「しょせんバーチャルアイドルであり、 自分とは違う存在なのだ」という事を子供たちがきちんと認識出来る、 という点である。 今までのアイドルでは本物の高校生がスポットライトをあびていたため、 それに憧れる子供が多数いた。 「あの子は特別な才能を持った子だ」という言い訳も、 平等教育の進んだ日本では通用しにくい。逆に、嫌われ役が生身の人間だと、 自分との共通点がある場合に不愉快になる場合が少なくない。特に女性は 「女性である」事以外になんの共通点もないのに「同じ女性が」と言う事が多い。 このようにアイドルや俳優を自己同一視したりその立場に憧れたりする行為も、 バーチャルアイドルであれば解消するのである。
(Original released at 1998/ 4/20, revised at 1999/3/6)



簡単に謝る今の子供たち

 昔の子供は、今の子供のように簡単には謝りませんでした。 たとえ悪い事だと分かっていても、なかなか謝りませんでした。 謝る事は恥ずかしい事、非を認める事は恥ずかしいことだと思っていたのです。 しかしそういう気持ちが、悪い事をしないようにしよう、 という歯止めにもなっていたのです。
 しかし、最近の子供は簡単に謝ります。 教育の場で謝る事への羞恥心を無くすようにしてきたからでしょうか。 悪い事をしても謝れば何も損はしない、という感覚になってきたのか、 あるいは実際にそういう社会になったのか。
 確かに人間は過ちを犯さない人はいませんが、 だからと言って歯止めもなく「謝ればいい」 というのは問題があるのではないでしょうか。 「謝る事は恥ずかしい事だ」という気持ちをもっともっと大切にするべきなのです。 恥ずかしいと思う気持ちは、「悪い事をした」 という気持ちにもつながっているのです。目に見える謝罪よりも、 そういった気持ちの方を大切にしたいものです。
(Original released at 1998/ 4/22)



昭和恐慌以来の首相経験者による蔵相

 「昭和恐慌以来」という言葉が、子供達の間にパニックを引き起こしている。 特に小学生の間では「僕たち売り飛ばされるんじゃないのか」「小学校を卒業 する前に丁稚奉公に出されるんじゃないか」という話題で持ちきりだ。プライ バシー意識の向上した今の子供達にとって「売り飛ばされる」という言葉は脅 威なのだろう。親に「ゲームボーイソフト買ってなんてもうねだらないから、 売り飛ばさないで」と泣きつく子供もいるとかいないとか。

 中には具体的な職業名まで挙げて不安心理を煽る子供もいる。「市の清掃局」 「土木工事の現場労働」。しかし出てくる職業の数は意外と少ない。職業の組 織化とイメージ戦略が押し進められ、さらに日本では専門知識を持った人が蛍 光灯替えのような雑務までやるという風習もあり、小学生でも出来ると思える 仕事が少なくなったのだろう。学歴を要しない職業は大抵「要普免」である。
 「サーカスに売り飛ばされる」というのがない辺り、時代を感じる。「売春 宿」というのもない。やるんだったら自営業だろう。
(Original released at 1998/ 8/11)



女子中学生のみなさん、あなたもキャリアウーマンとして

丸暗記した専門知識を職場で単純に繰り返す単純労働者になってみませんか?

 キャリアウーマンになるのに、教養なんて不要です。 高校は、女子中学生に人気のコース制がお勧め。 男子みたいに普通科で幅広く勉強する必要はありません。 必要最小限の専門知識を身につければOK。 早いうちからしっかりとした目的意識を持った人は、その分楽ができます。
 大学も、教養に力を入れている大学は避けましょう。 女性に教養や幅広い視点は不要です。必要な専門知識だけ身につけ、 あとは職場でルーチンワークを覚えれば、あなたも立派なキャリアウーマン。 会社が潰れても同じ職種なら再就職も容易です。 あなたも楽しいOLライフを楽しめます。
 「業界自体が不景気になったらどうするの?」 「技術革新で私の技術が不要になったら?」 そんな事今から考えてはいけません。そんな事を考えるのは男の仕事です。
(Original released at 1998/ 9/20)



人権団体は、キレる言い訳を作っております

 理由はないけどむしゃくしゃする、理由はどうでもいいから暴れたい。 そう思っている男の子はいませんか?そんなあなたにキレる理由を差し上 げます。受験戦争、詰め込み教育、校則、友人関係、いじめ、親子関係、 プライバシー侵害、そんなもっともらしい言い訳を私達は多数用意してお ります。これで安心して物を壊したり人を刺したり、思う存分キレる事が 出来ます。裁判になった場合も、支援団体が付いてきます。
 なお費用は、集会での発言等、一生かけて体で払って頂きます。
(Original released at 1998/12/ 9)



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