男声合唱団

志木グリークラブ
      こんなこと・あんなこと        

◆ 心に響く「完全5度のハーモニー」を目指して!
        - 彩の国男声コーラスフェスティバルにグリークラブ出演 - 
(2009.10.13 掲載)

 「完全5度のハーモニーを完璧に」「声を自分の体から放して、音を視ながら歌う」「他のパートに気を送りながら歌う」これ が、彩の国男声コーラスフェスティバルに臨んでのキーワードである。

 10月3日、昨年まで、全日本合唱連盟関東支部等の主催で開催されていた、「おとうさんコーラス大会」が、埼玉県合唱連盟等主催「彩の国男声コーラス フェスティバル2009」と名称を変え、秩父ミューズパーク音楽ホールで、埼玉県下から、20団体(男声16団体、女声4団体)が参加して開催された。

 今回演奏した曲は、「秋の日ぐれ」と「十二人の盗賊」である。前者は、近藤吐愁作詩、平井康三郎作曲で昭和25年の第3回全日本合唱コンクールの課題曲 で、男声合唱曲として愛唱されている名曲であり、転調が2回ある難しい曲でもある。
後者は、ロシア民謡で、ロシア語で歌う団体が多いが、我々は日本語訳で歌った。

  彩の国男声コーラスフェスティバルに臨んで、初谷先生から指示されたキーワードは、冒頭に記したとおりであるが、特に「秋の日ぐれ」における小節の終わり の「完全5度のハーモニー」を確実にハモらせることに気を遣った。どちらかと言えば、曲想よりハーモニー重視の演奏である。

 そのために色々工夫した。まず、ステージでのパートの並び方を変えた。ステージに向って左から2ndテノール、トップテノール、バス、バリトンの順に並 んだ。この狙いは、トップテノールとバスを隣りにし、バスを中に入れることによりバスの音を聴きやすくし、完全5度のハーモニーを確実につくるためであ る。

 ハーモニーを確実に作るためには、まず、メンバー一人一人が正確な音程の音を出すことである。そのために練習においては、カルテット形式の練習を多く採 入れた。カルテットのメンバーをランダムに編成する方法に初めは戸惑いもあったが、段々慣れてきて、お互いの音を聴くようになった。時には、初谷先生が 「ハイ、今のは3点!」「今のは70点!」と採点され、「4人歌って3点とは、なんでー?」と辛い練習をしました。

 我々は、9番目に演奏した。演奏順は、クジ引きでなく連盟の方で決めた。今年は、女声コーラスが、4団体出場しており、男声、女声がうまく散らばるよう に、演奏順を決めたようである。秩父ミューズパーク音楽ホールで演奏するのは、5回目で慣れたホールである。応援団のいつもの「おとうさん、ガンバッ テー!」の声援に送られて、1曲目の「十二人の盗賊」を歌う。これの聴きどころ見どころは、なんといったって日系ロシア人(?)K氏のソロであろう。ロシ ア人を思わせる風貌と声量に聴衆も聴きほれていた。

 いよいよ「秋の日ぐれ」の演奏である。出だしの『蜻蛉(とんぼ)釣る子に秋が来て、ツクツク法師が鳴いている・・・・・』にまずは、細心の注意を払う。 最初の完全5度もまずまずこなし、1回目の転調である『朝晩通うこの道も、穂丈(ほたけ)が伸び切る箒ぐさ・・・・・・』も少し音程が下がり気味だが、大 きな崩れもなくいった。2度目の転調である『日ぐれだ、日ぐれだ段畠、麦蒔き蜻蛉が、麦を蒔く』でいよいよ最後の完全5度のハーモニーだ。“ここが決まれ ば万来の拍手だ”と念じながら“蒔くーー(ウーー)”と声を伸ばした。(少し音程が下がったようだが初谷先生の採点は何点だろう)

 今回は、女声コーラスが、4団体出演しており、例年の野郎ばかりのゴツゴツしたステージと変わって、色気と華やかさのあるステージになっていた。キンキ ラキンの衣装に振付けで「DANCING QUEEN」を歌った団体など、会場を間違ったのではないかと思わせるノリであった。(来年が思いやられる なー)

 約2時間の第1部20団体の演奏が終わり、待ちに待った第2部の懇親会が、5,000名収容できる野外ステージに会場を移し始まった。例年どおり、第2 部は、「乾杯の歌」で幕を開け、各団体が一緒にステージに登り、定番の「いざ起て戦人よ」「柳河」「遥かな友に」等々を歌った。

  嬉しいことがあった。会場で初谷先生のお母様に会えたことである。一時体調を崩して入院されていたがご家族の暖かい介護と支えがあって恢復され、以前と同 じ姿にお会いすることができた。「退院後、初めて遠出して聴きに来ました。皆に会えて本当に嬉しいです」と仰ってました。

 貸切バスで秩父まで往復した。それもドン・キホーテ男声合唱団(DQ)と一緒である。往路は、車中で軽く発声練習を一緒に行い、ノドの調子を整え本番に 備えた。復路は、アルコールも入り、お互いに難しい曲(DQは、島原の子守歌を演奏した)を無難?に演奏できた余韻に浸りながら、車中の人となった。     車中では、皆が自己紹介を兼ねて一言ずつお話をした。DQとは、今年3月のファミリーふれあいコンサートに友情出演してもらって以来である。同じ市内で活 動を続ける2団体が、また近いうちに男声合唱という共通の土俵で、地域の皆さんに喜んでもらえる演奏会ができればと願う。

  こうして、今年の彩の国男声コーラスフェスティバル2009(おとうさんコーラス大会)が終った。志木グリークラブは、今年で結団17年になり、3月には 始めての自前の演奏会である“ファミリーふれあいコンサート”を皆さんの支えがあって開催することができた。
グリークラブの『Glee』には、「気晴らし」とか「楽しみ」という意味がある。その意味のとおり、気晴らしに男声合唱を皆で楽しみ、何歳になっても歌が 歌えて、地域に溶け込んだ活動ができれば、これからの我々の人生は楽しく充実したものになるであろう。

(2nd-Tenor:和氣敏夫)



---------- 志木グリークラブ ----------