男声合唱団

志木グリークラブ
      こんなこと・あんなこと        

◆ 念願叶って“Shenandoah(シェナンドー)”を歌う
  第19回おとうさんコーラス大会 IN ぐんま (2008.7.26)


 男声合唱をやっている間に一度は歌いたかった“Shenandoah(シェナンドー)”を今年のおとうさんコーラス大会でやっと歌うことができました。

 おとうさんコーラス大会は、今年19回を迎えましたが、グリークラブは第3回大会から連続出場しています。その間、”Shenandoah”は毎年候補 曲になりながら、選曲に漏れてきました。その大きな理由は、歌い出しの難しさと寂びの部分で4パートが2つに別れ8部になって歌う難しさがあるからです。

 メンバーによる選曲の話合いのなかで、果たして今のグリークラブの歌唱力で“Shenandoah”を歌いこなせるか、歌いたいけれども歌えないもどか しさが、いつもありました。今年は、思い切ってチャレンジすることにしました。8部のところを編曲し、4部にして歌うことも検討しましたが、初谷先生の 「原曲のままで大丈夫、歌えますよ!」の力強い一言で原曲のまま歌うことになりました。

 今年から、おとうさんコーラス大会の主催方法が変わりました。そもそも、おとうさんコーラス大会は、埼玉県合唱連盟が主催して、スタートしたものです。 それが、だんだん盛んになり、今では関東9県から参加するようになりました。そこで、今年から、(社)全日本合唱連盟関東支部加盟の各県連が持回りで主催 することになり、今回が新主催方法の1回目にあたります。会場は、みかぼみらい館(群馬県藤岡市)で、関東一円から34団体が参加し、日頃の成果を発表し ました。グリークラブは21名、応援団20名が行きました。

 私は、おとうさんコーラス大会には、第3回から皆勤で参加してきましたが、いつも出演するたびに思っていることがあります。
 それは『今年も皆で歌いに来ることが出来た。これも私の周りにいる皆のお陰である。楽しい時も悲しい時も辛い時もあった。しかし、歌うことでそれを乗り 越えてきた。自分一人では何も出来ない。有難いことである。皆に感謝しなくては』の感謝の気持ちです。演奏の中身の出来映えも大切ですが、それ以上に、1 年間健康で過ごし、暑い時も寒い時も皆と一緒に練習することができた。この過程がもっと大切だと思っています。この気持ちは、志木第九の会に参加している 皆様も同じではないかと思います。

 “豚も煽てれば木に…”といいますが、グリークラブは、今年も木に登ったのではないかと思います。冒頭にも書きましたが、“Shenandoah”は、 ポピュラーな曲なので、優しそうな曲に聴こえるのですが、いざ歌ってみると結構難しい曲です。そこで、我々は、そもそもこの曲のテーマは、何か。何のこと を
歌っているのか。そこから始めました。インターネット等から資料を集め検討したところ、色々な曲の解釈があることも判りました。

 「この曲はシーシャンティである。捲きろくろの歌で、変化の無いあきあきするような仕事をする時に歌った。歌詞は、南北戦争後に愛唱されたインディアン の酋長の娘が好きになった白人の男とミズリー河を越えて行ってしまったという内容が一般的に使われている。また、アメリカの歴史面からの解釈も成立ち、 1830年アメリカ東南部一帯に住むインディアンをミシシッピ川の西側に移住させる法律が施行され、住み慣れた美しい土地から強制的に立退かされ、異郷の 地に移っていく時の悲しい気持ちを歌っている。」等々。

 過去のおとうさんコーラス大会において、毎回少なくとも1団体は、”Shenandoah”を歌うが、我々は他の団体では歌っていない”初谷節”のハー モニーを作ることを合言葉に練習を積んできました。p(ピアノ)と(フォルテ)、クレッンド゙とディクレッセンド゙の違い、緩急の違い等々を忠 実に表現する。

 みかぼみらい館は、平成6年に完成し、ホールは1,100席あり、響きの比較的良いステージでした。グリークラブは、8番目に演奏しました。歌い出しに 神経を集中させ、「a-way…、Im bound away…」と歌い出した。中盤から、縦の線も揃ってきて、寂びのところも、無難にこなした。いよい よ最後の
「Mi-sou-rye…」を歌い終わったところで、会場は、水を打ったように2秒程シーンとした。初谷先生の棒が下りた瞬間、「ブラボー!」。

 本番で練習の成果が発揮できたか否かは、帰路のバスにおける応援団の女性の皆さん方が異口同音に言った「今回の演奏は良かった。年々上手になっている。 別のグリークラブみたい。おとうさん、おじいさん達を見直した!」のお褒めの言葉に表れている。(辛口の講評もあったようだが、忘れました)

 私が求める志木グリークラブのお手本は、北欧の国ノルウェーにある“ベルレヴォーグ男声合唱団”である。人口1,200人の小 さな町に1917年創立以来、父から子へ、子から孫へと歌い続けられているこの合唱団は、この町で歌うことを誇りとしている。メンバーは30名。白寿を迎 えるような人から、若い人まで、漁を続けながら歌ってきている。「人生で本当に大切なもの」を知るメンバーの満ち足りて幸せな顔、誇りを持って、時には ユーモラスに生活を語りながら過ごす人生。それらは、やがて力強いハーモニーとなって、回りの人を癒し、勇気づける。心が荒んでいる時でも、歌うことで心 が和んでくる。
地元、志木市に根を下ろし、市民の中に溶け込んで、我々が男声合唱を楽しみながら周りの人に男声合唱を楽しんでもらう。このような、合唱団になりたいもの です。このことは、志木第九の会も全く同じだと思っています。

 既に、ご存知かと思いますが、グリークラブは、2009年3月15日(日)市民会館ホールで(仮称)ファミリーコンサートSpecialを開催いたしま す。ドン・キホーテ男声合唱団の賛助出演もあります。志木市内にある2つの男声合唱団が一同に会し演奏会を開くのは始めてです。会場の女性の人とグリーク ラブが一緒に歌うステージもあります。どんな演奏会になるのか、今は不安と期待で夜も寝られません。しかし、この苦難の道も、志木第九の会の女性の「グ リークラブは上手になった!見直した。ガンバッテ!」のお褒めと激励の言葉にのせられて、乗り越えられそうな気がします。ヒョットすると今まで登ったこと も無いもっと高い木に登れるのではないかと変な自信が湧いてきました。

 何たって、グリークラブ(志木第九の会)の男性は、女性を喜ばせるために歌っているのですから。是非、陰日なたになって、応援して下さい。

※2001年封切りされた映画『歌え!フィシャーマン』の モデルになった。映画は、ノルウェーでは1年にわたるロングラン。
 合唱団は、国内だけに留まらず、米国でも公演を行い、全米5都市を巡った。嘗ては、漁業で栄えた町ベルレヴォーグ。
 今では、魚工場が1つある小さな町だ。1917年に創立したベルレヴォーグ男声合唱団は、父から子へと歌を継承してきた。
 この町で歌うことを誇りとしてきた合唱団である。


(T2: 和氣敏夫)


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