男声合唱団

志木グリークラブ
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ホールの彼方 天空に消えた歌声 ― 第16回おとうさんコーラス大会 ― 2005.08.06

    しばらくの静寂の後、音楽堂は拍手の渦に包まれた。数百人の聴衆は、グリーの演奏が終わった瞬間、シーンと静まり返り、やがて怒涛のような拍手がかえって きたのである。

 去る8月6日、秩父ミューズパーク音楽堂で開催された第16回おとうさんコーラス大会で、グリークラブが「Rolling Home」を演奏した時のことである。

 今回のおとうさんコーラス大会でグリークラブは、新しいジャンルの曲として、シーシャンティの「Rolling Home」を演奏した。シーシャンティ(Sea Shanty)とは、水夫の歌。船上での苦しい労働のときなどに歌われる曲、いわば、海の労働歌である。世界の七つの海に雄飛していたイギリスでは、多く のシーシャンティが生まれている。

 当日は、真夏の茹だるような暑さのなか、グリーのメンバー21名とサポーター15名が、午前8時柳瀬川駅前に集合、バスで秩父に向った。途中関越自動車 道で渋滞に巻き込まれたため、車内で昼食をとり、12時頃会場に到着した。

 くじ引きの結果、出演33団体のうち、28番目に演奏することになった。

 第1回おとうさんコーラス大会は、サッポロビール川口工場の講堂(当時)を借りて開催された。グリークラブは第3回から連続出場している。当時は、コー ラス大会といっても、レベルが低く、会場も会議室を使ったりしていた。演奏もとても聴けたものではなく、途中で演奏を止めて(どこの団体か知らないが)失 笑をかったり、現在と比べれば、雲泥の差がある。当時から、第2部のビアパーティを楽しみにしているところは、現在と変わらないが‥‥。

    昨年は、アイルランド民謡の「Annie Laurie」、一昨年は徳島民謡による「鯛締め」と、グリーも一時の際物路線ばかりで なく、正調な合唱曲も演奏できるようになってきたようだ。そして、いよいよ今年は、合唱曲の本命中の本命、シーシャンティに挑戦した。

 「Rolling Home」の楽譜を手にしたのが3月の末、譜読みに入った。(当初「Rolling Home」を「老人ホーム」と勘違いした者がいたらしい)。歌詞は、英語の割にはそんなに難しくない。転調も1回だけ。「Annie Laurie」に比べれば、とっつき易そうに思える。

 この頃は、暗譜で演奏するのが当たり前になってきており、「当然、暗譜でやろう」が多数派を占める。ところが、やり始めると、それなりに骨があり、簡単 にゆかないのが、コーラスの難しさであり、楽しみでもある。なんたって3歩歩けば、全て忘れることを自慢にしている者が、何人もいるのだから。約5ヶ月間 の練習の成果が、本番で発揮でき、皆に感動を与えるえる演奏ができた。本番に強いグリーの面目躍如といったところか。

 メンバーの努力もさることながら、なんと言っても、最大の功労者は、若い感性で我侭なおじさん達を率いてくれた初谷先生である。シーシャンティという我 々にとって初挑戦の曲を素晴らしい味付けで指揮をしてくれました。昨年のおとうさんコーラス大会では、“志木グリーのヨン様”と言われ中年女性の人気を独 り占めにした?初谷先生も、今年は本業の合唱指導者としての実力を着実に上げてこられた。

 「Rolling Home」は、フレイズの節目に大事な和音があり、しかも、ppからffまで、大きく、時には小さくクレッセンドするいかに も船乗りの労働歌を思わせる曲である。歌い出しをppで入り、3小 節でff もって行く曲想は若い感性の真骨頂である。これを見事なまでに表現させ、会場の皆に感動を与えた演奏が出来たことは見事とゆうほかはない。会場で息子の演 奏を聴いていた初谷先生のお母様もキット感動されたことと思う。

 今年のおとうさんコーラス大会の特徴は、韓国の曲を2団体がハングル語で演奏したことである。歌詞は良く解からなかったが、心に伝わってくるものがあっ た。

 第2部は、例年どおり生ビール片手に、愛唱歌を歌いまくった。全団体を8グループに別け、順番にステージにあがった。我々のグループは、初谷先生の指揮 で「遥かな友に」を歌った。いつものことながら、懐かしい歌仲間との旧交を温めることができた。馴染みの友人から「今日の志木グリークラブは、MVPだ よ。歌に遠近感がでていて感動した」と最大級の賛辞をいただいた。

 宴たけなわであったが、全員の記念写真を撮って会場を後にした。

 いつものように、バスの中で、サポーターの方々から感想をいただいたが、「第九の母」は「今日は何も言うことはない。初めてRolling Homeを聴いたが、素晴らしかった。初谷さんも我侭なおじさん達をここまで指導したことで、“エリアス”の指導も期待できる」と、絶賛された。21匹の ブタは、全員木に登ってしまった。これからが大変だー。

 毎年おとうさんコーラス大会に出て感じることであるが、1年かけて練習に練習を重ねてステージに立ち、今回のように皆から「良かったよ。感動した」と言 われると、この1年元気で、過ごせたことに感謝の気持ちで一杯になる。この感動を忘れないように、これからのエネルギーにしてゆこう。
  
 当日、暑さの中、はるばる秩父まで応援に駆けつけてくださったサポーターの皆様、そして、われわれの練習スケジュールにご理解いただいた、志木第九の会 の皆様に、心から感謝とお礼を申し上げます。

 来年の大会は、栃木県小山市で開催される。

 第16回おとうさんコーラス大会の参加団体は以下のとおり。                                       
             
団 体 名 県 名
演 奏 曲 目
1.ハゲマス会
埼玉県
機織唄
2.所沢メンネルコール
埼玉県
郷愁
3.PEA1. 男声合唱CH Boys 山梨県 Ave Maria/上を向いて歩こう
4.クルトウス 群馬県 風雪ながれ旅/北の蛍
5.ベーレンタール男声合唱団 埼玉県 U Boj
6.男声合唱団メンネルAEC 埼玉県 宇宙線驟雨のなかで
7.R・コール 埼玉県 コサックの悲歌/ボルガの舟歌
8.アンサンブル・レオーネ 千葉県 ピエロの嘆き/Ein Prosit
9.アンサンブル響 埼玉県 聖なるかな/ブルドッグ
10.お父さんコーラス“ペペ” 茨城県 われは海の子〜ふるさと/遥かな友に
11.あんさんぶる“逍遥男声会” 静岡県 箱根八里/鉾をおさめて
12.男声合唱団コール・グランツ 埼玉県 ViveL Amour
13.男声合唱いず 静岡県 夢みたものは/さらに高いみち
14.洋光台メンネルコール 神奈川県 クリウン・グムガンサン/ボリバツ(麦畑)
15.宇都宮男声合唱団 栃木県 Lord I want to Be A Christian/Steal Away
16.アウルズ 栃木県 故郷/ふるさと
17.アール・コール 新潟県 武蔵野の雨/七つの子
18.男声アンサンブル「ポパイ」 埼玉県 村の鍛冶屋/鉾をおさめて
19.クリーンナインス 埼玉県 あしたうまれる
20.静岡男声合唱団 静岡県 空とぶうさぎ
21.ドン・キホーテ男声合唱団 埼玉県 Ave Maria Stella
22.つむぎの里ゆうき男声合唱団 茨城県 柳河
23.土声会 山梨県 紀の国
24.メンネルコールありの実 埼玉県 Annie Laurie/いざ起て戦人よ
25.こぶちさわメンネルハーモニー 山梨県 Deep River
26.メンネルコールJOY 群馬県 慕情/ゴットファーザー愛のテーマ
27.東芝MSコール 栃木県 宇宙線驟雨のなかで
28. 志木グリークラブ 埼 玉県 Rolling Home
29.男声合唱団「北総エコー」 千葉県 むぎや
30.グリーン梨声 千葉県 「中原中也の詩から」間奏曲/いとおしい日 々
31.MCメンネルコール 群馬県 ふるさと
32.しじゅから合唱団 群馬県 野良道/或る時
33.イル・カン パニーレ
埼玉県
ともしび、 Amazing Grace

            (2ndTenor:和氣敏夫記)

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