志木第九の会 第六回定期演奏会
(日本・オーストラリア交流記念特別演奏会)
アンドレ・デ・クァドロスを迎えて
おかげさまで、志木第九の会の定期演奏会も6回目を迎えることになりました。昨年12月、ハイドンのオラトリオ「四季」以来1年半となり ます。
今回は、オーストラリアから気鋭の指揮者アンドレ・デ・クァドロス氏を招聘し、「戴冠ミサ」を振っていただくことになりました。これは将 来的には、日・豪(メルボルン市)の市民合唱団の交流にも発展する可能性のある、国際的なプロジェクトの第一歩でもあります。
これを機に、一段と飛躍を期する志木第九の会にご声援ください。
自然を優しく見つめ、限りなく母の愛に感謝を捧げる「花に寄せて」
詩を書いた星野富弘さんは、不慮の事故で首から下が動かなくなり、その闘病生活のうち、口にくわえた筆で、字や絵を描きはじめました。花 や草木を写しとっている間に、自然のなかで生かされている喜び、神の御業を心に感じ、また、じっと耐えながら看病を続けてくれた母の愛に感謝を捧げていま す。
昨年私たちは、群馬県東村の星野富弘美術館を訪ねた折り、降りしきる雨の中、美術館の中庭で、第1曲「たんぽぽ」を歌いました。その感激 を胸に歌います。
モーツァルトのザルツブルク時代の傑作「戴冠ミサ」
大司教コロレドとの確執が激しくなった、ザルツブルク時代の最後期1779年に作られた「戴冠ミサ」は、母の死による精神的なショックと ともに、芸術家として大きな成熟を遂げたパリ〜マンハイムの旅の後の作品だけあって、それ以前の、協会音楽家として職業的に作った他のミサ曲に比べ、一回 り大きく、力強い作品となっています。
最終曲「アニュス・デイ」冒頭のソプラノのソロが、6年後の「フィガロの結婚」の伯爵夫人のアリアの旋律に似ていることから、世俗的過ぎ ると非難された時代もありましたが、神の領域から一瞬、オペラの世界に迷い込んだような、人間的なぬくもりを感じます。
ソリストは、第一回定期「天地創造」において、透明で温かな声を聞かせた松田昌恵さん、群馬県新町の「カルメン」で堂々とタイトロールを 演じた新人、湛山(かつやま)貴子さん、そして、すでに志木第九の会の”顔”ともなった小林彰英さん、安 藤常光さんです。
モーツァルトの”ト短調”を代表する「交響曲第40番」
1788年夏、三部作と言われる第39番から第41番<ジュピター>まで、わずか2ヵ月の間に書き上げられ、いずれもモーツァルトの交響 曲の集大成として広く愛好されています。生涯で41曲の交響曲のなかで、短調の曲は、25番とこの40番の2曲だけで、しかもモーツァルトにとって運命的 ともいえるト短調。《三澤モーツァルト》の切れ味にご期待ください。 (伸)
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