志木第九の 会

     志木第九の会      第6回定期演奏会 ポスター とメッセージ


第4回定期演奏会に臨んで

志木第九の会 


    合唱とオーケストラの共生をめざす   

 志木第九の会は1991年夏に結成以来、ハイドンの「天地創造」、モーツァルト の「レクィエム」など、あえて”回り道”をしながら、「第九」の、より高い音楽表現を求め、合唱技術を磨いて参りました。

 第4回定演、私たちにとって2回目の「第九」の演奏に当たり、三澤音楽監督は、 基本的なコンセプトとして《Globalな共生》を挙げておられます。

 もちろん、「第九」自体は変わるわけではありませんが、今回のオーケストラは、 あまり大規模にしないで、また、大きな音を出す大太鼓やシンバルなどの楽器を省いて、いわば贅肉をそぎ落として、より内面的なアプローチを試みようとして います。

 18世紀にシラーが「百万人よ、抱き合え」と謳った世界と比べ、現在では人類の 意識はもっと広く、地球全体に向けられていますし、また、”兄弟”とか”友”といっても、人間だけではなく、すべての生物が対象となっています。そして、 人間は、今や、こうした地球の環境の網の目のような《共生》の枠組みのなかでのみ存在しうるといえます。2千年も昔、イエス・キリストが身分、職業、病人 などを差別せず、誰とも分け隔てなく、あるがままの状態で相手と接したことが、グローバルな《共生》の原点ともいわれています。

 この視点から、コーラスとオーケストラが、大仰に”張り合う”ことをせず、《共 に生きる》ことで、結果として、しなやかな「第九」の演奏を目標としています。

   美しい日本語の歌の”語りべ”と して   

 吉野弘作詩・高田三郎作曲の混声合唱組曲「心の四季」は、私たちにとって、初め ての、本格的な日本の合唱曲への取り組みです。

 この曲は、詩集の原詩を、作曲家が”歌うに適した形で、聴いて分かる言葉”とな るよう書き直しを依頼し、その作業の過程で、選ばれた一つひとつの言葉により綴られた詩の意味を生かすよう、研ぎ澄まされた細い氷の針のように、それぞれ の言葉を音を厳しく当てはめながら、曲全体の流れを作っています。

 私たちは、この美しい日本語を、聴いて分かるよう、一つの単語のもつ”顔”や感 受性までをも、そのまま表現しようと挑戦しています。繊細で、強く触れると壊れてしまいそうな曲を、音楽的にしっかりと活写する”語りべ”となれれば幸い です。

 このような4年目の私たちの試みにご期待ください。   (Ken)

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