♪Column - 今月のおすすめELLINGTONCD The FEELリーダー井上によるオススメCDの紹介。

連載第1回 (1998年8月)

THE POPULAR DUKE ELLINGTON
邦題「ザ・ポピュラー・デューク・エリントン」(日本ビクター R25J-1015)

【至上の一枚、Ellingtonの芸術ここに極まれり。】
おなじみの名曲が、極められたアレンジで演奏されている、まさにおすすめの一品です。高い完成度と緊張感のわりに、聴いていて肩がこらないのは円熟したEllintonian達の余裕のsoloのおかげでしょう。
このアルバムを「落ち目のEllingtonの人気取り」とする批判もありますが、まあダマされたと思って3回聴いてみてください。

【この1枚、この3曲】
1.Take The "A" Train
 頭のPiano Soloと曲の構成がEllingtonのこの曲への想いを示していると思います。また、CootieのTrumpet soloは、「こんなにかっこいい『クサさ』はない!」と言えるほど最高です。 
2.Mood Indigo
 はじめて聴くと、どこに旋律があるかわからずドキッとさせられるかもしれないアレンジですが、ラストのClarinet soloでゾクッと来たら、あなたも通です!
3.I Got It Bad
 たまらなくHodges!演奏するのにこんなに難しい曲もそうそうないでしょう。
  (註:Johnny Hodgesはエリントン楽団のリード・アルト)

【もうひとこと...】
 私のEllingtonは、この1枚から始まりました。当時高校2年生だった私は、調子のいいTake The "A" Trainしか聴けませんでした。(実はこの頃、Ellingtonのハーモニーがとてもとても苦手だったのです)
 ところが今では、このアルバムの半分以上がThe FEELのレパートリーとなっています。

【DATA】(録音 '66,5)
1. TAKE THE "A" TRAIN 『A列車で行こう』
2. I GOT IT BAD (AND THAT AIN'T GOOD) 『アイ・ガット・イット・バッド』
3. PERDIDO 『パーディド』
4. MOOD INDIGO 『ムード・インディゴ』
5. BLACK AND TAN FANTASY 『黒と茶の幻想』
6. THE TWITCH 『ザ・トゥイッチ』
7. SOLITUDE 『ソリテュード』
8. DO NOTHIN' TILL YOU HEAR FROM ME 『私が云うまで何もしないで』
9. THE MOOCHE 『ザ・ムーチ』
10. SOPHISTICATED LADY 『ソフィスティケイテッド・レディ』
11. CREOLE LOVE CALL 『クリオール・ラブ・コール』

Duke Ellington, piano
Harry Carney, Russel Procope, Johnny Hodges, Jimmy Hamilton, Paul Gonsalves, reeds
Lawrence Brown, Buster Cooper, Chuck Connors, trombones
Cootie Williams, William "Cat" Anderson, Mercer Ellington, Herbie Jones, trumpets
John Lamb, bass
Sam Woodyard, drums

Recorded in RCA Victor's Music Center
of the World, Hollywood, California.
Recording Engineer : Dave Hassinger.

Produced by Brad McCuen