♪Column - 極私的JAZZCD評 トロンボーン、早島大祐によるジャズCD評。

第17回(2004.9.4) - WYCLIFFE GORDON "Dig This!!" (CRISSCROSS 2004年)

 

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エリントン楽団にいたトリッキーサム・ナントンのような「ヤー・ヤー」プレイをものし、しかも早いフレーズを吹いても破綻がないと「寝てよし・立ってよし」の完璧なプレイヤーがワイクリフ・ゴードン。クリスクロスに多くのリーダー作を残しているけど、シーマス・ブレイク ピーター・バーンスタイン サム・ヤヘル ビル・スチュワート… と今やスターとなった面子を集めた今作が彼のアルバムのベストではないか。もともとはウイントン一派の人だけど、そこに安住(※註)せず以上のようなNYの精鋭ともしっかり他流試合。トロンボーン奏者の力量が試される二大バラードの一つ、「いいだしかねて」も格好よくやってます(ちなみにもうひとつは「ニアネス・オブ・ユー」)。バラードもよしで三重丸。

※註:なにやらリンカーンセンターのバンドは基本給のほか、リハにもお金がでるらしい!それを蹴って、一本立ちするとはいくら「楽器一本さらしにまいて…」のミュージシャンとはいえ、相当の勇気だ。

 

1.Dig This!!
2.Mahajual
3.Old Man Blooz, Take 2 [Take 2]
4.Limehouse Blues
5.Beautiful Souls
6.Jookin' the Blooz
7.Lonnie's Lament
8.I Can't Get Started
9.Cone's Tune
10.Blues Etude #2
11.Old Man Blooz, Take 1 [Take 1]

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