♪Column - 極私的JAZZCD評 トロンボーン、早島大祐によるジャズCD評。

第15回(2004.8.9) - DAVID KIKOSKI "ALMOST TWILIGHT" (CRISSCROSS、1999年)

既に新聞などに連載されていた頃から評判だった片岡義男のエッセイ(『自分と自分以外』NHKブックス)がたいそう辛く、読んでて悶絶しそう。バブルのときに、赤川次郎らと角川の看板をはった人だけど、今のような時代には辛口エッセイと時代の空気を的確に読んだ作品を発表している。では「ジャズの片岡義男」(←もっさい表現ですが…)は誰かといえば、それはパティトゥッティじゃないか。フュージョン全盛のころにはコリアら、今みたいにジャズが少し復権してきたら、ショーター御大からNYの若手中堅達と中身の濃いジャズを演奏している。時代におもねって、ではなくごく自然にそうなったというのが素晴らしい。片岡義男の小説を読んでないように、この人のフュージョン作も聴いてないけども、ワッツ、キコスキと組んだこの作品、全曲キコスキのオリジナルながら、歌心、躍動感と全てにおいて充実の一枚。こちらのサウンドも身体の芯にずしんときます。明るくすばしこいHがおすすめ。

 

1 Waiting For G.M.
2 Rose Part 1 And 2
3 Water
4 Games
5 Almost Twilight
6 Betrayal
7 Blues In The Face
8 Opportunity
9 Immediacy

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