Alive Renewal
she is still alive in your heart
AliveRenewal
2001年3月30日　Witch発売
評価：[B-3A-3A-A]

季節は初冬。
互いに想いあっているのになかなか煮えきらない二人だが、
幼なじみの祐里子の後押しもあり、
晴れて恋人同士になった主人公と柚木。
永遠に続くかと「しあわせ」な時間は、しかし、長くは続かなかった。
二人で初めて過ごすクリスマスイブを前に主人公の目の前で
柚木はこの世を去ってしまう。
悲しみにくれ、柚木の面影の中で生きていこうとする主人公を
救おうとする祐里子と久遠だが・・・。
コメント
システム
非常にオーソドックスなAVG。特に目立った特徴はないものの、非常に快適に動作します。
残念な点は、テキスト重視のゲームには必須の、テキスト読み戻しとスキップ時に既(未)読文章の判別、がないのが残念。
あと、第1部にしか声がないというのも少し残念なところ。
それに声の音量が上手く設定されていないところもマイナス点か。声自体はキャラにあっているので文句ないんですが。
ここら辺は初のvoice付きの作品ということで大目に見ましょう。
テキスト自体は非常に読みやすくいい感じでした。う〜ん、これはどっちかっていうとシナリオの感想になるのかなぁ。
あと、どちらかというと演出にはいりますが、ゲーム途中のアイキャッチとシステム画面の羽根のシーンは個人的に非常にお気に入り(笑)。
これまた演出にはいりますが、グラフィックの使い方、曲の使い方が若干おかしいところがありました。
とくにグラフィックのほうはかなり違和感があるところがあります。ここら辺はもうちょっと直したほうがいいでしょう。せっかく奇麗なグラフィックなんですから。
シナリオ
はじめに、ここに書くのはネタばれを含んでいますので、それでもいいという人は見て下さい。
まあ、それほどネタばれは書きませんし、これを読んでネタがばれてもあまり関係ないと思いますが。

基本的にこれは4つに別れてます。1部、2部、another story、おまけです。
これはまあ、witchのwebページでも書かれてるんですが(笑)。
ここでは各々について感想をば。

第1部について。基本的にはメインといえるかもしれない部分ですが、
個人的には2部の印象が強すぎて若干こちらが薄くなってしまっているのが残念。
このシナリオでは柚木エンドはなくのこり3人になるわけですが、その内の一人、春菜については若干唐突な感があり話が弱かった感じですね。もうすこし柚木あたりと絡んでいれば、よかったかもしれません。
もう一人祐里子については柚木との関係などありがちではあるものの、よくまとめられた話になっていると思います。が残念ながら久遠の印象が強くて若干影が薄くなってしまっているのは残念。髪型は楽しいのにねぇ。あと、彼女の母親とのやりとり、ボケは結構楽しくて好きです。
残り一人、個人的には、というか2部を見ても分かる通り、メインである久遠ですが、彼女だけはクリア後に彼女の視点に立った物語(Story of Kuon EPISODE I)がはじまり、話に厚みをつけています。こういった演出は私は好きです。また、この時間を繰り返すというネタはいろいろな所で使われてますが、これも視点を変えることによって非常に上手く使われていていい感じです。
第1部についてはもう一つ。柚木ですが、柚木が死ぬまでのやりとりは結構あるもののやはり量が薄いせいか、彼女の死に対する主人公の思い、悲しみが少し薄かったような感がします。まあ、もうちょっと彼女との話があってもよかったかもね、ってぐらいなんですが。

第2部について。これは第1部の久遠シナリオ、はてはこの物語のほとんどの謎がとける話になっています。基本的には第1部の久遠シナリオと同じ流れなのですが、久遠の謎やそれに関した人物が多数登場し謎解きをしてくれます。とくに第1部と同じく、主人公側からのシナリオが終った後と久遠から見たストーリー(EPISODE of Alive 「Arteisia」)がはじまりますが、かなり楽しい裏設定が待っています。そして叶えられない「たった一つの未来」を目指しながら時間を繰り返す久遠と、最後に見られる久遠と繭の話はかなり泣けます。個人的にはハッピーエンドになってくれるのを願っていたのですが残念ながら願い通りにはなりませんでしたね。それがゆえにより泣ける話になっているともいいますが。その意味では若干AIRのラストを思い出させる感じでした。とにかく第1部はやらなくてもいいから第2部はやれって感じ(笑)。あ、ちなみに第2部にいくには第1部の3人をクリアしましょう。

another storyとおまけについてですが、another storyは基本的に本編には大きく関りません。しかし、2部の謎の登場人物達の関係、そして次作へ続く引きで終りますから、alive2がでる予告ってとこですかねぇ(笑)。
おまけは柚木エンドですね。another storyをみたあとに第1部に戻ると久遠ストーリーに入った直後ぐらいに選択肢が増えて柚木エンドにいけます。久遠の話を見た後では若干つらいですが、それでもこの二人が幸せになってくれるのはほっとしますね、ほんと。
ビジュアル
原画を描いてる人は多少知っていましたが、個人的にはかなり気に入っています。
なので私と趣味の合う人はかなりいいと感じるはずです(笑)。
CGの出来も非常によくできており、処理も上手いです。立ち絵パターンも多くていいんですが、先に書いた通り場面とあっていない使われ方がされているところがあるのが残念ですね。
イベントシーンのCGも多くてそれなりにボリュームあるできです。
残念なのは柚木のイベントCGパターンが少ないことでしょうか(笑)。
まあ、死んでしまうので仕方ないといえばそうなんですけど。
ちなみにシナリオのとこでいいませんでしたが、
私のお気に入りは久遠(右絵)と柚です(笑)。
右絵からは久遠の悲痛さが伝わってきそうです(泣)。
サウンド
さて、曲ですが、BGMについては特にこれといった物は特にありません。
べつに悪いとも思いませんから、いたって標準的といえるでしょう。
まあ、AIRぐらい曲がよかったらびっくりしますしね(笑)。
曲とシーンがいまいちうまくいってないところもあったりするのが残念ですが。
主題歌については非常にゲームの内容にあっており、個人的にはかなりお気に入りです。歌っている人もうまいですし。
ただ、どちらかというと暗めなので、ゲームをやらないとちょっと寂しいですし、歌詞の内容もちんぷんかんぷんですが(まあ、現代の曲はそんなの多いけど)、ゲームやればばっちりあっていることがよくわかります。
ちなみにここの評価がAになっているのは主題歌(と久遠)のおかげです(笑)。
総合
非常によかったです。Air以後にやったなかでは一番かと。
はっきりいってこの物語のヒロインは柚木のようにみえますが(表紙とか)、久遠です(きっぱり)。久遠が願っていた未来が実現されることを切実に思いますが・・・そうするとちょっと柚木がかわいそうですね(苦笑)。それでも久遠を救ってやりたいですけど。
そんな訳で、ちょっぴり感動できる話が読みたいな、って人はやってみることをお薦めします。
それほど攻略も難しくありません(あとで書きますが)。
そして、(きっぱりと)コンシューマでもだせます(爆)。そんなもんです。それを期待してる人はやめておいたほうがいいかも(笑)。
攻略とおまけ
非常に簡単です。特に何も説明がいらないぐらい。

第1部の重要な選択肢は柚が死んだ直後の数個だけです。
ここの選択肢によって3人のどれにいくかが変わります。
それも見てたらだれにいくかはすぐ分かります(笑)。
ただし春菜にいく場合だけは生徒手帳を拾った日に出歩きましょう(笑)。
これら以外の選択肢は何を選んでもかまいません。ただしCGを取り損ねるかもしれませんが、何度かしているうちに回収できると思います。

第2部は選択肢はありますが全く関係なし。anotherなんて選択肢ありもしない(笑)。
おまけ(柚木シナリオ)は先にも書いた通り、第1部の久遠シナリオにいく途中に新たに選択肢がでますから、死後直後くらいからロードすればすぐにいけます。これも見たらすぐ分かる選択肢です。

おまけ:"ALIVE"の歌詞ファイル(ロングバージョン)