21世紀に入って間もない八重山諸島沖で、惨劇は突然その幕を開けた。総工費20兆円をかけて建設中だった巨大海洋情報都市
”オーシャンテクノポリス”が謎の発光現象とともに水没したのだ。さらに近くで操業中だった海底油田採掘基地”うみがめ2000”が
事故に巻き込まれる。しかし、それはまだ崩壊の序曲でしかなかった。調査の末、未知の”波動生命体”によって、惨劇が
引き起こされたことが判明するのだ。
SF海洋冒険小説といったらいいだろうか。とにかく一級品のエンタテインメント小説である。上下巻で1600枚という
かなりの長編だが、全く苦にならない。最初から最後まで、スピード感のある展開と、これでもかとばかりに連鎖するアクシデントと
派手なアクション。読む手を止めるタイミングに困るほどはまってしまった。はっきりいって、そこらのハリウッド映画の数十倍
は興奮したし、面白かった。
ここであれこれ語るより、百聞は一見にしかず、とにかく読んでみてほしい。絶対に時間の無駄にはならない。ただし、
いかに頭の中で映像化できるかが評価をわけるポイントだと思うので、想像力に欠ける人には面白いかどうかはわからない。
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