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その他


『オカルトでっかち』 松尾貴史(朝日文庫)
笑い2.5点 涙0点 恐怖1.0点 総合3.5点
 疑うものは、救われる。
 信じるものは、足下すくわれる。
 離れよ、さらば、救われん。
と説くほどのオカルト懐疑派になったタレント・松尾貴史氏のアンチ・オカルトエッセイ。
 今でこそ、「TVタックル」など様々な番組で、超常現象否定派のパネラーとして認知されるようになっているが、 その昔は、「日本超能力研究会」に入会したり、『UFOと宇宙』という雑誌を定期購読したり、タロット占い・ダウジング・ こっくりさんなどに夢中になったりする筋金入りのオカルト少年だったという。だが、長男が生まれた頃から懐疑派に なりはじめたそうだ。そんな過去を持つ松尾氏が、オウム真理教・占い師・サイババ・予言者などなど様々なオカルトを 批判している。
 もとから否定派の人が読むと共感できると思うが、僕のような否定派でも肯定派でもないグレーゾーンにいる人間や、 オカルトが大好きな人たちを否定派にするほどの説得力はない。結局、松尾氏も、巧みな話術でごまかしているにすぎず、 決定打に欠けている気がするのだ。
 しかし、オカルトは確かに深入りすると危険である。だから、興味を抱き、面白がりつつも、心の奥では常に、 疑ってかかることが大切なのだ。本書を読んで、あらためて疑うことの大切さを知った。


『とんまつりJAPAN』みうらじゅん(集英社)
笑い4.0点 涙0点 恐怖1.0点 総合4.0点
 『とんまつり』とは?その地域の人は毎年吉例の祭りであるので麻痺しているが、その地域以外の人が初めて目にする時、 思わず”どうかしてるよ、コレ!”とツッ込みたくなるような祭りの名称。「奇祭」と不気味な呼び方もあるが、オレは あえてその抱き締めたくなるようなプリティさを”とんま”と表現し、とんまな祭り、ちぢめて『とんまつり』と命名したのである。 (本文より抜粋)

 日本全国から18箇所の「とんまつり」が紹介されている。
 「笑い祭り」「尻振り祭り」「へトマト」「ジャラポン祭り」「うじ虫祭り」などそのネーミングだけでも”どうかしてるよ” と思うが、その内容はさらに”どうかしてる”ものばかり。R指定なのでは?というような祭りや、数年後も伝統として 残っているのか疑問な祭りなど様々で、参加している人もすごいが、わざわざ何時間もかけて見に行くみうらじゅん氏もすごい。 そしてわざわざ行っても、その祭りの歴史的背景や意味・由来などは深く追求せず、ひたすらそのとんまぶりを写真やビデオ におさめ、レポートするだけなのだ。
 現実逃避したい人は是非コレを読んで、祭りに参加しに行ってみてはどうでしょう。


『チーズはどこへ消えた?』スペンサー・ジョンソン(扶桑社)
笑い0点 涙0点 恐怖0点 総合3.0点
 ネズミのスニッフとスカリー。小人のヘムとホー。彼らは迷路の中に住み、チーズを探していた。ある日、彼らが苦労の末に 探し当てたチーズが跡形もなく消えてしまう。それを目にした2匹と2人は、それぞれ行動を始める。

 言わずと知れたベストセラー。100円で売っていたのでつい買ってしまった。
 内容についてはもはや触れるまでもないだろうが、本書は「チーズが消える」という”変化”に対して、2匹と2人がどのような 行動をとったのかを読み、そこからあなたも教訓を得てくださいよ、という本だ。
 僕自身、優柔不断で決断の遅くなることがあるので、「案ずるより産むが易し」と常に肝に銘じて、素早い決断と 行動を心がけている。この本にも、似たようなことが書いてあったので改めて強く肝に銘じることにした。
 まあ、100円だったし、たまにはベストセラーを読んでみるのもいいかな。


『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ(角川文庫ソフィア)
笑い0点 涙0.5点 恐怖0点 総合4.0点
両親の望みでもある神父になるため、サンチャゴは16歳まで神学校に通っていた。しかし彼は、旅をして広い世界を知りたかったため、 羊飼いになった。
 羊と共に旅をしている道中、彼は二度同じ夢を見た。エジプトのピラミッドのそばに隠された宝物があると告げる夢だった。 その夢を信じ、彼は羊を売り、スペインを離れ遠いエジプトを目指した。

 訳者あとがきによると、「アルケミスト」は欧米をはじめ世界中でベストセラーになり、サン・テグジュペリの 「星の王子さま」に並び称されるほどの賞賛を浴びたという。さらにこの本は十年に一度、現れるか否かの名著であるそうだ。
 夢に向かうサンチャゴを導く錬金術師、錬金術師になることを夢見るイギリスの少年、メッカ巡礼を長年夢見続けるクリスタル商人、 「運命」について語りサンチャゴに勇気を与える謎の王様。など、多くの魅力的な人物が登場する。そして、夢を持つことの 大切さ、夢はあきらめてはいけない、ということを読者に教えてくれる。
 何度も読み返してみたい一冊である。


『思考のレッスン』丸谷才一(文春文庫)
笑い―点 涙―点 恐怖―点 総合3.0点
 思考の達人・丸谷さんが「どうすればいい考えが浮かぶか」のテクニックを伝授します。「仮説は大胆不敵に」 「ひいきの学者をつくれ」「ホーム・グラウンドを持て」「文章は最後のマルまで考えて書け」・・・。 究極の読書法、文章を書く極意、アイデアを生むコツが満載。レポートや論文を書く時に必携の名講義です。(本書あらすじ引用)

 インタビュー形式。
 全体的に、文学論、評論、評論家などについての話が多くて、高度な講義だったなぁという感じだった。それでも、得られたものは たくさんあった。あらすじにもあるが、レポートや論文を書く人は必読かもしれない。
 「思考の準備」と題した講義が僕には最もためになった。ここでは、読書の効用、本を読む上で大事なこと、本を選ぶコツなどが 述べられている。
 「義務的読書は読書の喜びの敵」だと丸谷氏は述べている。これを読むと、学校でやらされた読書感想文はまさに「敵」だとわかる。 とはいえ、義務にしないと読書しない生徒がたくさんいることも事実。そもそも、教師になる人は皆、読書好きなのだろうか。 国語以外の教師も読書好きであるべきだと強く思う。


『五感で恋する名画鑑賞術』
西岡文彦(講談社)
笑い−点 涙−点 恐怖−点 総合3.5点
 モネ、ミレー、フェルメールら巨匠の技法や、油絵にまつわる様々なエピソードなどを前半で紹介している。 そして、後半は、本書のメインともいうべき「恋する美術館鑑賞 極意10!」と題して、絵画や彫刻を見る時の 極意を紹介している。

 先日、「ミレー三大名画展」に行ったその帰りに立ち寄った書店で購入した。
 結構好きで毎週のように見ていたテレビ東京の番組『芸術に恋して』。その番組で、ナビゲーターをしていた 西岡氏が書いた本。
 博物館も美術館も結構行くのだが、絵を描く趣味はなく、美術史も全く知らない僕は、美術館の楽しみ方が いまひとつわからなかった。そんな僕に、本書はピッタリの内容だった。
 西岡氏は、絵は好きな順に好きな速さで見ればよいという。さらに、絵を見る前に、画家の名前や解説を見ない ようがよい。絵だけでなく、額縁も見てみる。近寄って見る。絵葉書やカタログなどのおみやげも買おう。 一番好きな絵を選び、その理由も考えてみよう。などなど様々な極意を教えてくれている。
 美術館に行ったこと無い人も、本書を読んで美術館に行ってみよう。


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