「ホワイトノイズ」「ブラックライト」「ブルーブラッド」「ゴールデンケージ」「インビジブルドリーム」の
計5作からなる短編集。
「ホワイトノイズ」:ディスカウントストアで衝動的にエアバンドレシーバー
(携帯電話や警察無線などを盗聴する機械)を購入した。その日から”僕”は、盗聴にのめり込んでいった。
そしてある日、”僕”は、ある犯罪に関わる電話を盗聴した。
井上夢人というのは、『焦茶色のパステル』や『クラインの壺』などの秀作を数多く世に残して”解散”した作家・岡嶋二人の
一人(ややこしい?)である。本書は、ミステリー作家が書いたものだが、完全にホラー小説である、と僕は思う。
ホラーといっても、スピード感と緊張感たっぷりの恐怖ではなく、じわじわと追いつめられ、いつの間にか恐怖に取り込まれている、
といったまさに”悪夢”そのままの怖さである。さらに、どの話もすべて後味が悪く読み終わった後も、つきまとわられるような
ホラー小説であった。 |