岐阜県にある小さな集落・暮枝。そこには不治の病も治ってしまう奇跡の泉があるという情報が、ある雑誌社に持ち込まれた。
町田と天瀬は、その情報を持ち込んだ石動戯作という奇妙な男とともに、渋々暮枝に取材に行くことにした。しかし、のどかな
村で待っていたのは、首なし死体に始まる、名門一族が次々と殺されていく凄惨な連続殺人事件だった。
『ハサミ男』で衝撃のデビューをした殊能将之の2作目。一発ネタだった前作とは異なり、今回は、少々
ふざけた名探偵を登場させシリーズ化を狙っているようだ。
『美濃牛』というまるで畜産専門書のようなタイトルだが、MINOTAUR(ミノタウロス)とかけた著者のユーモアらしい。
さらに舞台が暮枝―くれえだ―クレタ島とかけてあるようだ。そのほかにも、思わず笑ってしまうようなユーモア
もいろいろ散らばっている。
ノベルスで530ページという結構な厚さだったけど、推理しながら楽しんで読んでいるうちにいつの間にか読み終わっていた
という感じだった。
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