有栖川さんの本は、以前に何冊か読んでいて、結構面白かったのでこの本もそう期待して読みました。でも、どこかもの
足りない読後感。具体的にどこがイケナイとかではないのですが、なんとなく読者を引き込む力が弱い感じというを受けま
した。もしかしたら、以前の僕なら満足していたかもしれません。でも、最近、結構引き込まれる本ばかり読んでいたので
それらの本とつい比べてしまい、その結果物足りなさを感じたのかも。しかし、皆さんが読んでどう感じるかはわかりませんよ。
それでは、内容を少し。
画家サルバドール・ダリをこよなく愛する宝石チェーンの社長が殺された。死体発見場所は、社長の自宅にあったフロートカプ
セルという、現代の繭とも言うべき奇妙な装置の中であった。しかも、奇妙なことに、社長のトレードマークであったダリ髭がき
れいにそり落とされていた。なぜ髭は剃られていたのか?なぜ殺されたのか?誰に殺されたのか?こうした謎に『臨床犯罪学者』の
火村英生と、推理作家の有栖川有栖が挑む。 |