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清水義範


『ザ・勝負』清水義範(講談社)
笑い1.5点 涙0点 恐怖0点 総合3.0点
 「始皇帝vsアレキサンダー大王」:「NHKヒストリー・始皇帝」という番組を担当したアナウンサー と同じくアレキサンダー大王を担当したアナウンサーが繰り広げる”どちらが偉大か?”、という酒席での口論。
「ゾロアスター教vsジャイナ教」:仏教の葬式で出会った二人の異教徒が繰り広げる宗教論争。
「ソースvs醤油」:”アジフライにはどっちをかけるか?”で始まったカップルの喧嘩。
「シンデレラvs白雪姫」:晩餐会で初対面した二人の老女の醜い争い。
「レオナルド・ダ・ヴィンチvsミケランジェロ」:”モナ・リザとダヴィデはどちらが名作か?” を寿司屋の主人が、客である元美術教師に問い詰める。
「東京vs大阪」:大阪人の男と付き合うことになった東京人の女。彼らの衝突。
 以上の他「長嶋茂雄vs王貞治」「米vs麦」「嫁vs姑」「砂vs水」の計10作からなる短編集。

 『ザ・対決』の続編というべき短編集。
 勝負は両者の力が拮抗しているほど面白い。そういう意味では勝負としては面白い。だが、「対決」同様に、決着がつくわけではなく 、みんなあいまいに終わるのが歯がゆい。でも、こういう論争は、酒の席とか、雑談とか、チャットとかで気軽に始められそうだ。 そういう中で読者自身が勝敗を決めるしかないのかもしれない。ちなみに僕は、アジフライにはソースだ。


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