2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。
経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使して日本の政界経済界に
衝撃を与える一大勢力に成長していく。その後、全世界の注目する中で、彼らのエクソダス(脱出)が
始まった―。
1998年〜2000年に連載されていた近未来小説。
今の日本が尋常ではないほどの大不況ということは、小学生でもイメージとしてわかっているだろう。
中学生ならなおさらだ。本書はそんな中学生たちが、学校を捨てネットワークを作り、ネットビジネスを
発展させていく。だが、彼らは、お小遣いがもらえないからとか、親の収入が減ったから、とかいうような
「お金を稼ぐため」という動機や、「お金が欲しい」という欲望も感じられない。そもそも仕事という
感覚でネットビジネスを展開していないのではないかと思う。
昇給がなくなって、ボーナスはカット、挙句の果てにリストラ。そんな目に遭うサラリーマンには
なりたくないと、フリーターになる若者は増えるばかり。本当に、日本は夢も希望も持てない
国になってしまったと思う。
こんな状況でも小泉首相は相変わらず口先だけは達者で、先日も首相就任二年目を迎えて、
ご機嫌な様子で記者たちになにやら語っていたっけ。
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