アマゾン探検隊に参加した高梨。その後、現地住民とのトラブルにより、やむなく帰国した彼は、以前とは全く人格が変わっていた。そんなある日、彼には「天使の囀り<サエズリ>」が聞こえるようになる。
そして、誰よりも死を恐れていたはずの彼が、自殺を遂げる。その後、アマゾン探検隊に参加したメンバーが次々と奇妙な自殺を遂げていく。
怖いというより、気持ちが悪い。お食事中の人・想像力豊かな人・心臓の弱い人は、読まない方がよいだろう。細かいデータと資料に基づいた専門的な記述が、難解であると同時に、この恐怖をリアルに感じさせている。しばらく、悪夢を見てしまいそうだ。
また、作中にインターネットについての記述があるのだが、チャットの話やFLマスクの話など、まるで筆者の実体験であるかのように事細かに書いてあり、思わずニヤリとしてしまった。全体的に、気持ち悪さが先行していて、ホスピス医である主人公の設定や
心情、その他のキャラなどが、すべて霞んでしまった気がする。 |