「旋視」と「転視」と呼ばれる能力を使い、この世界の姿を自分の想像通りの姿に変えることができる術者を”想師”と
呼ぶ。800歳の天承老師の弟子である草薙は、暗殺や不治の病の治療など様々な依頼を受ける想師だ。彼はある日、
暴力団組長を暗殺した帰りに、巨大な恐竜と出会う。それは、破壊と殺戮専門の凶悪な想師・九鬼凍刃の姿だった。
著者も内容もよくわからなかったけど、何となく面白そうだったので図書館で借りてみたという一冊。この世界観を理解するまで
に少々時間がかかるけど結構面白いエンタテインメント小説だった。
植物人間を回復させたり、死者と話したり、核ミサイルをつかんで投げ返したり、津波を消したり、想師は何でもできてしまう。
あまりの破天荒ぶりにちょっと笑えてしまう。
キャラクターがかなり豊富で、草薙の師匠と弟子の他にも、カバラ魔術をあやつるカバリストや、呪術に長けた呪術者、
そしてしゃべるサボテンなんていうのまで出てくる。シリーズ化もできそうなほど個性的なキャラクターが揃っているのだ。
なかなか掘り出し物の一冊だった。
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