信玄の死後、急速に衰退し始めた武田家は、織田信長・徳川家康・北条氏政らの強敵に囲まれ、滅亡の危機に瀕していた。
武田家の外様・真田昌幸は、武田家に見切りをつけつつも、武田勝頼に秘策を申し出た。
一方、幸村は、清く散ってこそ武士であるとの信念を持ち、武田家に見切りをつけてまで生き延びようとしている父・昌幸に反感を覚えた。
まだ信長が存命の時代に生きる若き真田幸村に焦点をあてた小説である。上巻は、武田家滅亡から、本能寺の変までというごく短い期間の
幸村の様子を描いている。
【笑い】に3点の評価がついているが、これは、上巻の中盤あたりから登場する”赤吉”という子供が、とても愛くるしくて、
その言動には思わず笑ってしまうからなのだ。この赤吉は、猿飛佐助のような存在なのだが、山で偶然幸村に出会い、幸村になついてしまったため、
幸村が家来にしたのだ。しかし、言葉遣いも、礼儀も知らず、あどけないのだが忍者としての技術は一級品だったのだ。
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