国宝・松本城
長野県松本市
2004.5.2
 僕にとってのGW初日となった5月2日、長野県の松本城に行ってきた。
 途中までスイスイ流れていた高速道路も軽井沢付近になって渋滞5キロ。  ファミリーやカップルがこぞって軽井沢のアウトレットモールを目指していた に違いない。そんなおしゃれスポットとは対極にある「城」を目指す身としては 納得のいかない渋滞だ。しかし、ラジオで交通情報を聞いていると、場所によっては 渋滞30キロなんてところもあったそうだから、5キロなんてまだまだ序の口だったの かもしれない。


 多くの城が明治の廃城令や戦火や火災などで、破却・焼失していく中で、松本城天守は 無事現存しつづけ、犬山城・彦根城・姫路城とならんで国宝に指定されたそうだ。
 失ってからその大切さが分かるということはよくある話で、あちこちで城の復元・修復が 行なわれているようだ。明治時代の廃城令では、全国の3分の2の城郭が破却されたそうだから、 ずいぶんともったいない事をしたものだ。
 光が反射して見づらいが、左の写真は、天守最上階(6階)に掲げてあった国宝指定書(たぶんコピー)。

 GWということもあって、うんざりする混み具合だった。城に入るまでに、ディズニーランドのアトラクション 並に行列していた。右の写真は、その行列を城の内部の矢狭間から眺めた様子だ。
 戦国時代に、これだけの人数が城の内部に入ったことはないと思うので、重さに耐え切れずに 崩壊するなんてことがないのか、ちょっと不安になった。
 内部は、天井は結構高いものの、柱が多く、結構狭い。壁が白く、鉄砲狭間や矢狭間が至るところに 開けられているので、昼間は明るかっただろうが、柱も床も黒いので、夜はかなり暗かったのではないだろうか。
 階段がかなり急で、手すりなしには上がれないし降りられないくらいだった。さらに階段の途中には、 頭上に梁があって、うっかりすると頭をぶつけてしまう。さらに階段の踊り場は、人がすれ違えないほど 狭く、降りる人と上る人が譲り合って階段を使わなければならなかったくらいだった。このどれもが、 敵軍にとっては攻めにくく、自軍にとっては守り易くするための工夫のようだ。たしかに攻めにくく、守り易い だろうが、相当住みにくいだろう。まあ、城は住むものではなくて、軍事の拠点と考えればこれでいいのだろうけど、 現代にこんな家を建てたら欠陥住宅で訴えられること間違いなしだ。
 しかし、昔の武士は、この城の中を重たい鎧を着て、武器を持って動き回っていたのだからすごいことだ。

 内部には、鉄砲狭間・矢狭間が100箇所以上、石落が10箇所以上ある。どれも敵の侵入を 防ぐための設備だが、今はそれが、城から外を眺めるための、格好の覗き穴になっている。 右の写真は、その鉄砲狭間から、外を眺めた様子。つつじ(だと思う)がとてもキレイだった。
左は、天守最上階からの眺め。内堀には、鯉がたくさん泳いでいた。




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