レンブラントとレンブラント派:聖書・神話・物語
国立西洋美術館
2003.9.13-12.14
 僕がレンブラントと聞いて思い浮かぶのは『夜警』という絵画と自画像くらいだ。 そういえば2ヶ月ほど前に、新発見の自画像が約13億円で競り落とされたことが報道されビックリした 記憶がある。一枚の絵に13億・・・。僕なんて、ミュージアムショップに売っているポストカードを 買うのだって、なるべく少ない出費で抑えようとしているのに。

 そんな自画像で有名なレンブラントだが、今回の展覧会には、エッチングという方式(版画の一種?)で 書かれた小さめの自画像が二枚あるだけだった。聖書・神話・物語と副題が付いているように、物語画家としての レンブラントを特集していて、聖書の一場面らしき絵画などばかりだった。聖書なんて読んだこともない 僕にとっては正直言ってあまり感動したり、興味を引いたりということはなかった。それと、レンブラントの 絵画よりも、レンブラントの弟子とかレンブラント工房というチーム(?)が描いた絵が割と多かったのも なんか面白くなかった
 それでも、光と闇の使い方がとても上手で、光が当たっている部分は細部までとてもリアルに描かれて いたのは感心した。

 企画展を一通り見てから、常設展を見たのだが、その常設展の中でやっていた「ジャック・カロの版画展」の 方が僕は印象的だった。一本一本ていねいに線を引いて、濃い影や薄い影を表現したり、まるで「ウォーリーを探せ!」を ほうふつとさせる様な、見ている方の気が遠くなる細かく手の込んだ銅版画がたくさんあった。
 すべてを見終わってから、ミュージアムショップでジャック・カロのカタログか画集がないか探したのだが、 店員さんによるとジャック・カロのカタログは作ってないとのこと。残念だった。「レンブラントとレンブラント派」の カタログは山積みされていた(あまり売れてなかった?)のに・・・。


舟越桂展 KATSURA FUNAKOSHI WORKS:1980-2003
栃木県立美術館
2003.6.28-8.31
 木(具体的にはクスノキ)を使った人物彫刻家・舟越桂の代表的な彫刻38点と素描19点を展示。
 作品の前に立って、間近で見ると、どの彫刻も遠い目もしくは虚ろな目をしている。 だが、ちょっと離れて別の彫刻を見ていると、何かこっちを見ているような感じがしてしまい、ちょっと怖い。 とにかく、何かの呪いにかかって木像となり、上半身だけ美術館に並べられてしまった人たちなのじゃないかと 思うくらい存在感がある。ちなみに、目は大理石でできていて、それに色鉛筆で瞳を入れ、コーティングしたうえで、 頭の後ろからはめ込んでいるそうだ。

 どの彫刻も口元がほぼ真一文字、または薄く開いているだけなので、笑いとか怒りといった感情は 感じられず、ただボーっとしているような、悲しみにくれているような表情をしていた。でも表情は、 見る人によってとらえ方は違うんだろうなぁ。

 会場では、一つの作品ができるまでの様子を撮ったビデオが上映されていた。クスノキの丸太から 削りだしていく様子は、芸術家というより大工仕事のようだった。それにしても、何ということのない 丸太を、あんな芸術作品にしちゃうんだからすごいよなぁ。

 会場には、彫刻や素描以外に、制作の途中で書いたようなメモもいくつか展示されていた。そこには、 いろいろなタイトル案や、映画からのセリフの抜粋や、閃いたような言葉が書かれていた。 タイトルにはかなり凝っているらしく、作品にはいかにも芸術家らしいタイトルがつけられている。 なんでこれがこんなタイトルなの?ということが多々あった。
 まだ会期中なので是非。


特別展 モノづくり日本 江戸大博覧会
国立科学博物館
2003.6.24-8.31
 会場に入ってすぐ、「杯洗」「無尽灯」「のぞきからくり」「扇風機」「エレキテル」など、欲しい!と思うものばかりだった。 それと、それらの作り方が描かれた本も展示してあったのだが、見た瞬間『キテレツ大百科』を思い出した。おそらく、 あれを見た人で『キテレツ大百科』を思い出したのは、僕だけではないはずだ。

 足を進めると、からくり人形ゾーンに入る。そこでは大きなモニターで、展示品を実際に動かしている映像がエンドレスで 流れていた。「弓曳童子」や「鯉の滝のぼり」などもよかったが、僕は「根付茶運び人形」と「根付飛び蛙」のチョロQのような 大きさとその動きにひかれた。

 その後も、地球儀とか天球儀とか測量の道具とか望遠鏡とか、華岡青洲の手術道具とか「解体新書」とか、いいもの目白押し。
 その日は、特設会場で、からくり人形師、九代目・玉屋庄兵衛という方が、「茶運び人形」と「弓曳き童子」の 実演をしてくれた。展示品は、鯨のひげのぜんまい、べっ甲細工、24金のおもりなどを使ったぜいたく品のようだが、 実演で使ったのは、数カ月がかりで復元したからくり人形だった。ユーモラスで、精巧なからくり人形を見ていると、 現代はずっと科学が進歩して精巧になっているけど、AIBOをはじめとする今のデジタルロボットは無駄が無さ過ぎて味気ないなって 感じがした。
 まだ会期中なので、行ってない人は是非。


ミレー3大名画展 ヨーロッパ自然主義の画家たち
Bunkamura ザ・ミュージアム
2003.4.10-7.13
 ミレーの3大名画といわれても、「落穂拾い」しか知らないのだが、とりあえずこんな有名な絵が見られるなら行ってみよう ということで、ゴールデンウィークに行ってみた。初めて渋谷の地を踏み、ちょっとドキドキした。

 「落穂拾い」「晩鐘」「羊飼いの少女」というのがその3大名画だそうだ。どれも地味な田舎の風景といった感じなのだが、 そんな地味な色の中に赤や青の帽子やスカートがとても映えていた。そして、静かで落ち着いた気持ちにさせる雰囲気を 醸し出していた。

 ミレーがメインなのだが、僕が気に入ったのは、「立ち往生」というアレクサンドル・アンティーニャという聞いたこともない人が 描いた絵だ。まず、そのデカさに圧倒され、絵の中の出来事がまるで目の前で起こっているかのようなリアリティに驚いた。 それと「10月、じゃがいもの収穫」というこれまた聞いたことのないジュール・バスティアン=ルパージュという人の作品も すごかった。中心に書かれた人物の耳や顔がまるで写真のようなのだ。同じ画家の「眠りこけた小さな行商人」という絵も、 ノーマン・ロックウェルみたいでよかった。この絵は、ミュージアムショップでA4版のポスターを買ってしまったくらい気に入った。


神秘の王朝 マヤ文明展
国立科学博物館
2003.3.18-5.18
 マヤ文明といえば何?と言われても、え〜と、と何も出てこない。マチュピチュだ!と思ったけど、それはインカ文明みたい。 そんな全くの白紙な感じでマヤ文明展を見た。

 色彩豊かな壷や皿がとても印象的で、「これ欲しい!」と何度も思った。僕はどうやら、良いものを見ると「欲しい!」と思ってしまう 癖があるようだ。でも、自分が欲しいかどうかというのは美術館や博物館に行ったときは意外と便利な見方だと思う。

 そのほか、石やヒスイを使ったさまざまなものが展示されていた。なかでも印象に残ったのは、歯にヒスイが埋め込まれた 頭蓋骨だ。鼻ピアス、へそピアスと僕には真似できない痛そうなおしゃれをする日本人の若者にも、歯にヒスイはできないだろう。 でも、歯にヒスイがおしゃれ!という流行になったら、何の抵抗もなくやってしまうのかな。
 このマヤ文明展を見ているときに、恩田陸の『上と外』が頭に浮かんだ。  


土門拳と土門拳賞作家展
群馬県立近代美術館
2003.2.8-3.16
 土門拳って何か聞いたことあるぞ、と思ったので行ってみた。
 黒い背景に仏像を置いて撮ったり、作家や職人を撮ったり、原爆被害者を撮ったりと、土門拳が撮ったいくつかの シリーズの中から結構な枚数が展示されていた。なかには、竹林や切り株を撮っただけとか、ドシャ降りの地面を撮っただけとかいう 写真があり、愚かにも「これなら僕にも撮れそう」と思ってしまった。それで、美術館を出てから、隣接する「群馬の森」のなかを散策し、 土門拳を気取ってデジカメで写真を撮ったのだが、そこであらためで土門拳はすごいと実感した。僕の撮ったのは、 ほんとにただの切り株にしか見えず、芸術性のかけらもなかった。


没後500年 特別展「雪舟」
東京国立博物館
2002.4.23-5.19
 ゴールデンウィークを利用して、雪舟を見に行った。
 笑い出したくなるくらい混んでいた。開館前についたのに、もう超長蛇の列だった。 おそらく僕のように、”雪舟にそれほど興味ないけど、聞いたことある 有名画家だし、没後500年の記念らしいからちょっと見てみるか”という人が山ほどいたのだろう。 中に入ったら、そこはもうゆっくり絵画鑑賞なんていう雰囲気ではなく、 押すな、押すなのギューギュー詰めだった。

 そんな雰囲気の中、「四季山水図」「天橋立図」「秋冬山水図」「慧可断臂図」など国宝・重要文化財の軸を見てきた。 掛け軸というと細長いというイメージがあったのだが、そこにあったのは、たたみ一畳はゆうに越える見上げるような大きさの軸が多かった。 また、どの山水画も、山や木ばかりでなく、人物が描き込まれていて、その人物がその絵の景色の壮大さを引き立たせている感じがした。

 たしかに、国宝や重文も素晴らしかったが、僕が最も気に入ったのは、「梅潜寿老図」という絵だ。最初見たとき、かなりインパクトがあり、見入ってしまった。 すべての展示品を見終わったあとに、逆走して、もう一度見に行ってしまったほどだ。それと、名前は忘れたが、猿が描かれた屏風があったのだが、 その猿が、まるで漫画みたいにかわいい猿で、雪舟っぽくないなと思ったことが印象に残っている。もしかしたら、雪舟の絵じゃなかったのかも。  


忍者の道具展
池波正太郎真田太平記館
1999.7.24-8.29
 池波正太郎の『真田太平記』にはまってしまい、真田幸村と忍びの者たちのことばかり考えていた頃、ちょうど池波正太郎 真田太平記館がオープンした。早速、訪れてみたら、ちょうどこの忍者の道具展が開催されていたのだ。
 できたばかりでまだピカピカしていた。常設展のほうには真田太平記関係の展示や、池波正太郎さんの机やペンや着物などが、 あった。忍者の道具展に関しては、だいぶ昔に行ったので、今となっては、どんな展示内容だったかあまり覚えていない。 手元にパンフレットがあり、それを見ると、手甲鈎、鈎縄、鎖鎌、手裏剣各種、苦無、シコロなどがあったようだ。
 このあと、上田城にも行ったのだが、土砂降りだったなぁという印象しか残ってない。いつか天気のいい日にもう一度、訪れたいと思う。



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