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沖の鳥島・尖閣列島
下川 榮一これから書くことは、日本の「海の領土」に中国が目をつけ、その一部の領有権と海洋権益をめぐり中国が横槍をつきつけ、小競り合いが続いているという話です まずは写真@「 日本の位置 」をみてもらいたい。
日本列島を囲む斜線の部分がある。日本の沿岸から200カイリ(370キロ米)の此の海域は、排他的経済水域( Exclusive Economical Zone。略して EEZ )といわれる海域だ。その意味する所は、この範囲内での 資源 に関する、探査、開発、保存、管理及びその他の経済的活動について、日本が排他的(他の侵入を許さない)な管轄権をもつことを国際的にみとめられた水域だ。つまり、つまり資源に関する経済活動の面では、航行、上空飛行、いずれにしても他国が、日本の了解なしにこの領域に入つてはならんという水域だ。 厳密にいえば、国連海洋法条約という国際規約があり、その246条には 「排他的経済水域および大陸棚における海洋の科学的調査をする場合には、沿岸国(この場合は日本)の同意をえて実施する」とあり、かつ「実施した調査結果の沿岸国への報告する義務がある」と定義づけている つまり日本は写真@に見る通り、広大な海の経済的な領土を持っているわけだ。まさに「海洋国家」である。その西端は台湾に近く 尖閣列島 があり、一方南の端は台湾より遙か南、太平洋に切り込んで 沖の鳥島 が鎮座している。 と言うよりは、日本がこの広大な南太平洋の領域、本土の12倍の広さの海の資源を仕切る資格を持っているのは、「尖閣諸島」や「沖の鳥島」という領土を持っているからだ、というべきだ。 ところが最近中国が、この 二島に関する 排他的経済水域を無視 するような無礼極まる行動を仕掛けてきており、太平洋を波立たせている。以下にこの問題をとりあげる。 中国はかねてより、尖閣列島周辺の日本の 排他的経済水域 の定義に異議をもっており 、(日本は中間線などの妥協案をだして折衝しておる)、また尖閣列島は中国の領土だと喚き、国民の反日感情をアオつている。昨年八月のサッカーのアジア大会の会場に、「釣魚島(尖閣諸島)は中国領だ」と書かれた横断幕が高々と掲げられたいう。また三月には、中国人七人が上陸して、岩場の上に畳半分大の中国の旗をおいたという。 さらに 日本の 排他的経済水域内を、資源調査の為か、示威のためか、まるで自分の庭のように動きまわっている。しかし、この暴挙に対し当時の日本側の責任者はまるで他人事のように傍観していて何の手も打たず、心ある日本人を憤慨させていた。(いまさら言いだしてもどうにもならないが、当時の女性外相はその報告を、にこにこ顔できいて、そのまま聞き流したという。) ところが 最近になり石油需要の急増におわれる中国が、この地で天然ガス採掘施設の建設を始めた。「春暁ガス田」がそれである。写真A 。これは中国側のEEZに位置するものの、海底の鉱路が日本側の海域に延びておりており、このままでは日本の天然ガスをストローで吸うように盗みとられ、中国に持って行かれる可能性が高い。
ここにいたり、政府の無策にたいする国内の与論がたかまり、政府も漸く腰を上げ四月十三日、試掘を開始する手続きを決定した。中国はこれに反対、おりから日本の安保理事国いり反対、日本品ボイコットのデモが各地で挙行中であったが、ここに尖閣列島試掘反対を加え、反日デモを強化。十六日には上海では数万の暴動化、これが官憲黙認のうちに日本総領事館に侵入、乱暴、損害を与えた。 もつか、日本政府は中国側に謝罪と弁償を求めている。 ○沖の鳥島 (東京都小笠原村)
島と称しているが、環礁に囲まれた東西約一里強、南北半里の海域で、内に二つの島と観測塔がある。写真B。「島」といっても、高さ1mていどの陸地といえる存在が顔を出している程度。此の島が風化したり、波浪にたたかれ破損し、見えなくなると、排他的経済水域の南端の実証がなくなり後退する。つまり日本の海の領土が削られ大きく後退する。 これはえらいことだ、と1999年に閣議決定し285億円の費用をかけ補強をおこなった。即ち島の周囲をテトラポットとコンクリートで囲い、チタンの蓋をするという荒工事である。これで島の形を保ち、一応の面目はたったが、これで安心という訳にはいかない。今後浸食されないという保証はない。
中国はこの日本の対策に対し、当時より「沖の鳥島は消滅した、残っておるのは 排他的経済水域を設定できない岩だ」と主張し、 沖の鳥島 が、日本 の排他的経済水域の最南拠点でなくなった宣言してきた。そして沖の鳥島周辺などに勝手に入り込み違法の海洋調査を頻繁におこなっている。 中国政府は昨年十月、外務省にたいし、東京都・小笠原諸島西側の排他的経済水域で今年四月から五月にかけて海洋調査を実施したいと申し入れてきた。 領海の持ち主である日本政府の許可をもとめるのは国際法にもとずく行為であり、感心、感心と手を叩くのはハヤトチリ。 今回の中国の申請区域では 、写真Cの斜線部分に示す範囲であり、その南の「沖の鳥島」周辺域が除外されている。つまり 中国政府が 同海域を日本の 排他的経済水域として認めておらず、許可を求める必要がないと考えておるからだ。 さらに、日本政府が今回の中国の申請を許可すれば、中国は待ってましたとばかりに 「日本政府は 沖の鳥島周辺域を放棄した」と許可証を振りかざすであろう。 政府は昨年十二月、この地域の管轄者である東京都に意見をもとめた。
○東京都の対応 中国が沖の鳥島周辺地区の問題にこだわるのは、これが海底資源の獲得にくわえ、同島周辺の海域に潜水艦を航行させることによって台湾をまもる米軍の動きを牽制する狙いもある。 「沖ノ鳥島周辺の 排他的経済水域は、資源の面だけにとどまらず、最近の台湾問題の緊張をふまえ、日本の安全保障上も重要な海域なのだ。今回の中国よりの承認要請は、政府は国の方針として断固即座に拒絶すべきだ(形式的に東京都のご意見をきく要無し)」と、気炎をあげたのが 石原都知事 だ。 国の 沖ノ鳥島 の守り対策は手ぬるい、東京都 が先鞭をつけねばとの気負いがあってのことか、一月三十一日、石原慎太朗知事が首相官邸に小泉純一郎を訪ね面談している。 その席で、沖ノ鳥島周辺 に東京都が海洋の温度差を利用した発電設備を設置したいとの意向を伝えた 。また周辺地域での魚業活動を都が支援する計画もあると説明した。なお発電や漁業活動にはこの島が日本の経済水域であることをしめす狙いがある。都は2005年度予算案に漁業などの支援費五億円を計上した。 このあと、 三月九日に、政府の海上保安庁は、 沖ノ鳥島に灯台を設置する方針をかためた。 政府が灯台を設置すれば、、世界各国が作成している灯台の位置を記した灯台表に「沖ノ鳥島灯台」を記載することになり、日本の領土であることが国際的にもより明確になるためだ。 電源は太陽電池とバッテリを併用するが、将来的には東京都が周辺に建設予定の海洋温度差発電所の電力で稼働させる案も浮上している。 ○石原都知事渡島
都知事が五月二〇日、沖ノ鳥島に渡島、現状を視察した。勿論今後の管理や活用法をしらべるのが目的。ボートからシマアジの稚魚を放流。またシュノーケルを着けて潜水し海中の様子を調査した。また日の丸の旗をふり、「ここは日本の領土だ。シナに文句を云わせないぞ」と気炎をあげた。 ちょっとオトナゲのないところもあり、早速その夜のテレビで評論家なるものが「やりすぎだ、あそこまでさわがなくとも」などと、型どうりのコメントをだしていたが、今までの事勿れ主義で抗議をしない日本の外交態度が、今日、竹島で、尖閣列島で、韓国、シナになめられる無念さを招来したのだ。 以上書き連ねたように、今日 このように日本の海の領土、(排他的経済水域 EEZ)の西端・南端の両拠点をめぐる中国からの揺さぶりは、日に日に激しさを増している。
国民は、経済の面からも、国防の面からも政府の対応に目が離せない。 (完) ( ”リヴラン 佐原”四月号同名文に一部加筆の上転載) |