茹蛸  1998年10月 福島県


 岳温泉の奥に、新野地温泉という一軒宿の温泉があります。ここの紹介です。

入浴料500円です。とりあえず内湯の脱衣場で裸になり、先に露天風呂へ行くことにしました。

露天風呂へは、内湯から木道のような渡り廊下が通じています。途中で、十分に暖まったという身体をした兄ちゃんとすれ違いました。

露天風呂は大人が8人くらい入れる大きさですが、3人ほどしか入っていません。それも片方に寄って。空いている方へ入りましたが、あまりの熱さにそのまま反対側に出てしまいました。

ぬるめる為の水が出ているホースもありますが、湯口から出ている湯量に比べてあまりに僅か。焼け石に水、ちっともぬるくなりません。

湯口から一番遠い所にゆっくり沈んで動かずにいましたが、とても我慢出来るものではありません。

もう一人来たのを潮に、ゆっくりとまわりに迷惑をかけないようにあがりました。

と、隣に沈んでいたガキが小さな声で、「茹蛸一丁上がり!」。

 露天風呂への木道ですれ違った兄ちゃんは、十分に暖まったのではなく十分に茹で上がっていたという訳でした。


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