西域

西域

西域は敦煌以西の地域を指し、広義ではペルシア・メソポタミア・ローマ
までもがその範囲に含まれる。
民族・言語は多様で、不明な点が多い。
戦国時代には既に中国と交渉があり、于<門眞>の玉などが輸入されていた。
前4世紀後半にマケドニアのアレクサンドロス大王がパミール高原以西
までを征服し、ギリシア文化が流入した。
前3世紀末に匈奴が史上に登場すると、東トルキスタン諸国を征服・服属
させた。
武帝が即位すると、張騫は西方の大月氏との匈奴挟撃を提案し、自ら
西域への使者となり、中国に初めて西域の詳細な情報を伝えた。
張騫の部下は遠く安息(パルティア)にまで達した。
武帝は河西四郡を設置し、楼蘭・大宛を征服するなど、積極的に西域への
進出を行い、匈奴の勢力を削ぐとともに西域諸国とのを国交を推進した。
武帝の曾孫の宣帝の時代には西域都護、元帝の時代には戊己校尉が置かれ、
漢の西域経営は本格的な物となった。
漢から帝位を奪った王莽は西域諸国王の位を侯に降格して反乱を招き、
西域との通交は断絶した。
新末より莎車が勢力を拡大し、莎車王康は西域大都尉として五十五国を統率し、
康の弟賢は西域都護を自称した。
ゼン善・車師ら諸国は光武帝に西域都護の設置を求めたが、光武帝は国内の
安定を優先してその願いを却下した。
漢の不干渉に乗じて北匈奴が西域に勢力を伸ばすと、明帝は竇固に命じて
北匈奴を西域から駆逐させた。
明帝は西域都護・戊己校尉を復置したが、翌年には焉耆・亀茲により都護
の陳睦が殺され、章帝は都護・校尉を廃止した。
竇固の部下であった班超は単独で勢力を維持して漢の威信を回復し、
大月氏を撃退、亀茲を服属させ、西域都護に任じられた。
97年、班超は部下の甘英を大秦(ローマ)に派遣したが、甘英は安息の
商人の言葉を信じて途中から引き返した。
班超の後任の任尚は西域諸国の反乱を招き、安帝は都護を廃止し、西域は
再び断絶した。
その後、竇憲に駆逐された北匈奴が再び西域に進出し、西域諸国を服属
させると、班超の子班勇はゼン善・亀茲・車師を平定、北匈奴を駆逐した。
その後も北匈奴の侵攻は続き、羌族の反乱により西域との交通は遮断しがち
であったが、漢への朝貢・侍子の入朝などは度々行われた。
2世紀後半から西域の僧が盛んに中国に至り、多くの仏典を伝えた。
桓帝の時代には大秦国王の安敦(マルクス・アウレリウス)の使者が到着した。
魏が成立すると、焉耆・ゼン善・亀茲・于<門眞>ら諸国が朝貢を行い、
魏への友好を示し、明帝の時代には大月氏(クシャン朝)の国王波調
(ヴァースデーヴァ)が貢物を献じた。
晋が成立すると、車師前部・ゼン善・焉耆・亀茲が侍子を入朝させ、大秦国
からも使者が到着した。
八王の乱・永嘉の乱により中国が乱れると、西域諸国との交通は断絶した。
4世紀中頃、前涼の張駿は部下に亀茲・ゼン善・焉耆などの諸国を服属させた。
前涼を滅ぼした前秦はゼン善王・車師前王を入朝させるなど、西域の支配
を強め、部下の呂光を西域征討に派遣した。
前秦の苻堅が後秦の姚萇に殺されると、呂光は河西で独立して後涼を建国し、
西域諸国を統治下に置いた。
西域諸国の統治権は後に後涼から後秦・北魏へと移ったが、諸国は依然と
して独自の国家として存続した。



中国皇帝 年号 事項
高祖 前206 匈奴の冒頓単于、月氏を破る。
文帝 前177 匈奴の冒頓単于、月氏・楼蘭・烏孫を征服する。
文帝 前162 匈奴の老上単于、月氏の王を殺す。
文帝
月氏の一部、南山の羌の地に移住する。
文帝 前160頃 月氏、西に移動して塞族の地を奪う。
文帝
烏孫王猟驕靡、月氏を逐い、その地を奪う。
武帝 前139頃 月氏、西に移動して大夏を破って支配する。


武帝、張騫を西域に派遣する。
武帝 前129頃 張騫、大月氏に到着する。
武帝 前126頃 張騫、西域から帰国する。
武帝 前121 匈奴の渾邪王、漢に降伏する。


西域諸国、匈奴の支配を脱す。
武帝 前118頃 武帝、張騫を烏孫に派遣する。
武帝 前116頃 張騫、副使を西域諸国に派遣する。
武帝 前115 張騫、烏孫から帰国する。


武帝、武威・酒泉郡を置く。
武帝 前114頃 張騫の副使、各国の使者を伴い帰国する。
武帝 前111 武帝、武威・酒泉を分割して張掖・敦煌郡を置く。
武帝 前108 趙破奴、楼蘭王を捕らえ、姑師(車師)を破る。


武帝、烏孫王猟驕靡に公主細君を嫁がせる。


楼蘭王、漢に侍子を入朝させる。
武帝 前104 大宛、漢の使者を殺害する。 


武帝、李広利を大宛に遠征させる。 
武帝 前103 武帝、高昌壁を築かせる。
武帝 前102 李広利、大宛攻略に失敗して帰国する。
武帝 前101 李広利、再度大宛に遠征する。


大宛国人、国王毋寡を斬り、李広利に降伏する。


李広利、昧蔡を大宛王とする。


上官桀、郁成王を捕らえる。
武帝 前100頃 武帝、敦煌に酒泉都尉を置く。


武帝、大宛以西の諸国に使者を派遣する。


大宛国人、昧蔡を殺して蝉封を王とする。


蝉封、漢に侍子を入朝させる。


漢使、葡萄・目宿の種子を持ち帰る。


この頃、敦煌から塩沢まで駅亭・屯田兵を設置。使者校尉を置く。
武帝 前99 武帝、車師を征討させる。
武帝 前92 楼蘭王死す。新王、漢に侍子を入朝させる。
武帝 前90 馬通、車師国を降伏させる。
武帝 前89 武帝、桑弘羊らの進言を退け西域出兵を止める。
昭帝 前85頃 昭帝、于弥国の太子頼丹を校尉将軍として輪台に屯田させる。


亀茲国の姑翼、頼丹を殺す。
昭帝 前80頃 楼蘭、漢を裏切り匈奴と通じる。
昭帝 前77 傅介子、楼蘭王安帰を暗殺する。


昭帝、安帰の弟伊屠耆を楼蘭王とし、国名をゼン善と改める。
昭帝 前74頃 匈奴の壺衍[革是]単于、烏孫を攻撃して烏孫公主を要求する。


烏孫公主解憂、漢に救援を請う。
宣帝 前73 烏孫王翁帰靡、漢と共同で匈奴を攻める。


常恵、頼丹殺害の罪で亀茲王絳賓を問責する。
宣帝 前70頃 亀茲王絳賓、烏孫公主の娘を娶る。


車師王烏貴、匈奴と婚姻を結ぶ。
宣帝 前68 鄭吉、諸国の兵を率いて車師を撃つ。
宣帝 前67 鄭吉、車師を降伏させる。


車師王烏貴、烏孫に逃亡する。


匈奴の虚閭権渠単于、新車師王を東遷させる。
宣帝 前65 亀茲王絳賓、漢に入朝する。


烏孫公主解憂の子万年、莎車王となる。


前莎車王の弟呼屠征、万年を殺して莎車王となる。


莎車王呼屠征、漢使奚充国を殺す。
宣帝 前64 宣帝、烏孫に少主を嫁がせるが内紛により中止する。


宣帝、車師王の子軍宿を車師王として渠犂に置く。
宣帝 前62 前車師王烏貴、烏孫から漢に入朝する。
宣帝 前60 宣帝、鄭吉を西域都護に任命する。
宣帝 前60頃 魏和意・任昌、烏孫公主と烏孫王泥靡の暗殺を謀り失敗する。


莎車王呼屠征、匈奴と通じて西域諸国を離反させる。


馮奉世、莎車王呼屠征を斬り、その弟を新王に立てる。


馮奉世、大宛王に名馬・象龍を献じさせる。
宣帝 前53頃 匈奴の外孫烏就屠、泥靡を殺して烏孫王となる。


烏就屠、鄭吉の説得により小昆莫となる。


烏孫公主解憂の子元貴靡、烏孫王となる。
宣帝 前51 烏孫公主解憂、漢に帰国する。
元帝 前48 元帝、戊己校尉を置く。


漢、投降した匈奴の東蒲類王を烏貪<此言>離の地に置く。
元帝 前40頃 康居、匈奴のチツ支単于を迎え入れて烏孫に対抗する。


大宛、チツ支単于に朝貢する。
元帝 前36 甘延寿、西域都護となる。


甘延寿・陳湯、康居に進軍してチツ支単于を斬る。
成帝 前33 段会宗、西域都護となる。
成帝 前15頃 烏孫小昆莫の末振将、烏孫王雌栗靡を殺す。


段会宗、烏孫公主の孫伊秩靡を烏孫王とする。


烏孫翕侯難栖、末振将を殺す。
成帝 前11 段会宗、末振将の子番丘を斬る。
哀帝 前5 烏孫、匈奴の西境に侵入する。
哀帝 前1 烏孫王伊秩靡、漢に入朝する。


博士弟子景盧、大月氏使者伊存から仏典を口授される。
平帝 後2 車師後王・去胡来王、漢に背いて匈奴に亡命する。


王莽、匈奴に車師後王・去胡来王を護送させ誅殺する。
王莽 10 車師後王須置離、匈奴に投降を図り、都護但欽に斬られる。


須置離の弟狐蘭支、匈奴とともに戊己校尉を襲う。


陳良、戊己校尉チョウ護を殺して匈奴に降伏する。


匈奴、西域に侵入して新との関係を断ち切る。


莎車王延、匈奴への服属を拒む。
王莽 13 焉耆、都護但欽を殺す。
王莽 16 焉耆、新の五威将王駿を要撃して殺す。


郭欽、焉耆本国を襲撃して帰国する。


新、西域諸国と断絶する。
王莽 18 莎車王延死す。
更始帝 23頃 西域都護李崇、攻撃を受け戦死する。
光武帝 25頃 莎車王康、河西に使者を送る。
光武帝 29 河西大将軍竇融、莎車王康を西域大都尉として五十五国を統率させる。
光武帝 33 莎車王康死す。弟の賢が後を継ぐ。
光武帝 35頃 莎車王賢、拘弥・西夜王を殺して兄康の子を王とする。
光武帝 38 莎車・ゼン善、漢に朝貢する。
光武帝 41 光武帝、莎車王賢を漢大将軍とする。賢、西域都護を自称する。
光武帝 45 ゼン善王安・車師前王ら、漢に侍子を入朝させ、西域都護の設置を求める。


光武帝、都護設置の要求を退け、侍子を帰国させる。
光武帝 46 莎車王賢、ゼン善王安を破る。


莎車王賢、亀茲王を殺して亀茲を併合する。
光武帝 47 ゼン善王安、西域都護設置を断られ、匈奴に服属する。
光武帝 50頃 莎車王賢、子の則羅を亀茲王とする。


亀茲国人、則羅を殺して身毒を王とする。亀茲、匈奴に服属する。


莎車王賢、大宛王延留を降伏させ、拘弥王橋塞提を大宛王とする。


康居、大宛を攻めて橋塞提を逃亡させる。莎車王賢、延留を再び大宛王とする。


大月氏貴霜翕侯の丘就卻、四翕侯を滅ぼして王となる。


丘就卻、安息から高附国を奪い、濮達・ケイ賓を征服する。
光武帝 55頃 莎車王賢、于<門眞>を併合し、その王兪林を驪帰王とする。


莎車王賢、兪林の弟位持を于<門眞>王とする。


莎車王賢、拘弥・姑墨・子合王を殺す。
明帝 60頃 北匈奴、西域諸国を脅かして漢と断絶させる。


明帝、夢に金人を見て天竺に仏教を求めさせる。(伝説)


休莫霸、莎車から自立して于<門眞>王となる。
明帝 70頃 于<門眞>王休莫霸、莎車を攻めて戦死する。甥の広徳が王となる。
明帝 73 竇固、北匈奴を駆逐して伊吾盧に駐屯する。


竇固、班超・郭恂を西域に派遣する。


明帝、伊吾盧に宜禾都尉を置く。


班超、匈奴の使者を斬り、ゼン善王広に侍子を入朝させる。


軍司馬班超、于<門眞>王広徳を降伏させる。


亀茲王建、疏勒王成を殺して兜題を疏勒王とする。
明帝 74 班超、兜題を捕らえて成の子忠を疏勒王とする。


竇固、蒲類海辺で白山の虜を撃ち破り車師に入る。


明帝、西域都護・戊己校尉を復置する。


于<門眞>、漢に侍子を入朝させる。


烏孫、漢に名馬を献じて侍子の入朝を請う。
明帝 75 北匈奴、車師後王安得を攻め殺す。


焉耆王舜、亀茲とともに西域都護陳睦を殺す。


北匈奴・車師後王、疏勒城に戊己校尉耿恭を包囲する。


亀茲・姑墨、班超及び疏勒を攻める。
章帝
章帝、酒泉太守段彭に耿恭を救援させる。
章帝 76 段彭、車師後王を破る。


章帝、戊己校尉を廃止する。
章帝 77 章帝、伊吾司馬を廃止する。
章帝 78 班超、疏勒・康居・于<門眞>兵を率いて姑墨を破る。
章帝 79頃 莎車、亀茲に降伏する。


疏勒都尉番辰、漢に反乱を起こす。
章帝 80 西域仮司馬班超、姑墨・疏勒を破る。


章帝、班超の進言により亀茲を討つ為に烏孫に同盟を結ぶ。
章帝 不明 大月氏、康居と婚姻を結ぶ。
章帝 84 将兵長史班超、莎車を征討する。


疏勒王忠、莎車に従って反乱を起こす。


班超、成大を疏勒王とする。


康居、疏勒王忠を救援する。


班超、大月氏に賄賂を贈り、康居を説得して兵を引かせる。


康居、班超の工作により疏勒王忠を捕らえる。
章帝 85頃 于<門眞>王広徳、莎車王賢を捕らえて殺す。
章帝 86 西域長史班超、疏勒王忠を斬る。


于<門眞>王広徳、北匈奴に服属する。


北匈奴、莎車王賢の子不居徴を莎車王とする。


于<門眞>王広徳、不居徴を殺して弟斉黎を莎車王とする。
章帝 87 班超、莎車を降伏させる。


大月氏、扶拔・師子を献じる。


班超、大月氏への公主の降嫁を拒む。
和帝 90 竇憲、閻槃を遣わして伊吾を攻略させる。


車師前・後王、侍子を入朝させる。


大月氏、副王謝に班超を攻撃させる。


班超、大月氏副王の謝を降伏させる。
和帝 91 北匈奴単于、耿キに敗れて烏孫に逃げ込む。


亀茲・姑墨・温宿、班超に降伏する。


班超、亀茲王尤利多を廃して侍子の白覇を王とする。


班超、西域都護となる。


和帝、戊己校尉を復置する。
和帝 94 班超、亀茲・ゼン善諸国の兵を率いて焉耆を撃つ。


班超、降伏した焉耆王広・尉犁王汎を斬る。


西域五十余国が人質を入朝させる。


条支・安息諸国が貢物を献じる。
和帝 95 和帝、班超を定遠侯に封じる。
和帝 96 車師後王[シ豕][革是]、反乱を起こして前王尉卑大を攻撃する。
和帝 97 西域長史王林、車師後王[シ豕][革是]を斬る。


班超、甘英を大秦に派遣する。
和帝 100 蒙奇・兜勒国、漢に内属する。
和帝 101 安息王満屈、漢に師子・条枝大爵を贈る。
和帝 102 班超、漢に帰国する。
安帝 106 西域諸国、反乱を起こして都護の任尚を攻撃する。


任尚、包囲を脱して帰国する。


安帝、段禧を西域都護とする。


亀茲国人、国王白覇に反乱を起こす。


西域副校尉梁[小菫]、亀茲・温宿・姑墨を破る。
安帝 107 安帝、西域都護を廃止して西域を放棄する。
安帝 110頃 北匈奴、西域諸国を服属させる。
安帝 119 安帝、行西域長史索班を派遣して西域を招撫させる。


車師前王・ゼン善王、漢に服属する。
安帝 120 北匈奴、車師後王軍就を率いて索班を殺す。


安帝、班勇の進言により敦煌に護西域副校尉を置く。
安帝 123 安帝、班勇を西域長史に任命して柳中に駐屯させる。
安帝 124 班勇、ゼン善・亀茲を服属させる。
順帝 125 班勇、ゼン善・疏勒・車師前部の兵を率いて車師後部を破る。


班勇、車師後王軍就を斬る。
順帝 126 班勇、元後部王の子加特奴を車師後王とする。


班勇、東且弥王を斬り、車師六国を平定する。


班勇、北匈奴の呼延王を破る。


呼衍王、班勇に敗れて枯梧河畔に居所を移す。
順帝 127 疏勒王臣磐、漢に朝貢する。


敦煌太守張朗、焉耆王元孟を降伏させる。元孟、漢に侍子を入朝させる。


西域の十七国が漢に服属する。


班勇、長史を罷免され帰国する。


烏孫・葱嶺以西と断絶する。
順帝 129 于<門眞>王放前、拘弥王興を殺し、子を拘弥王とする。


拘弥国、漢に朝貢する。
順帝 130 疏勒王臣磐、侍子を入朝させる。大宛・莎車、漢に朝貢する。
順帝 131 順帝、伊吾司馬を復置する。


于<門眞>王放前、侍子を入朝させる。
順帝 132 敦煌太守徐由、疏勒王臣槃を率いて于<門眞>を破る。


徐由、興の子成国を拘弥王とする。
順帝 133 疏勒王臣磐、師子・封牛を献じる。
順帝 134 車師後王加特奴、車師後部司馬と共同して匈奴を破る。
順帝 135 北匈奴の呼延王、車師後部を攻める。
順帝 143 ゼン善国、漢に朝貢する。
桓帝 148頃 安息国の僧安世高が中国に至る。
桓帝 151 北匈奴の呼延王、伊吾司馬の毛トを殺す。


敦煌太守馬達、伊吾に進軍して呼延王を撤退させる。
桓帝 152 西域長史王敬、于<門眞>王建を殺す。


于<門眞>国人、王敬を殺して建の子安国を王とする。
桓帝 153 車師後王阿羅多、漢に反乱を起こして北匈奴に逃亡する。


桓帝、軍就の子卑君を立てて車師後王とする。


戊校尉閻詳、阿羅多を王に復位させる。
桓帝 158頃 度遼将軍[禾中]ロ、亀茲・莎車・烏孫を懐柔する。
桓帝 159 天竺国が来献する。
桓帝 161 天竺国が来献する。
桓帝 166 大秦王安敦が日南経由で貢物を献じる。
霊帝 168 疏勒の和得、甥の王を殺して自ら王となる。
霊帝 169 西域長史張晏ら、疏勒王和得を撃つ。
霊帝 175 于<門眞>王安国、拘弥王を殺す。


西域長史、拘弥王の侍子定興を拘弥王とする。
霊帝 180頃 月氏の僧支婁迦讖が洛陽に至る。
献帝 202 于<門眞>、象を献じる。
献帝 220 焉耆・于<門眞>が貢物を献じる。
文帝 222 ゼン善・亀茲・于<門眞>、魏に朝貢する。
文帝 227 焉耆、魏に侍子を入朝させる。
明帝 229 大月氏王波調が貢物を献じる。明帝、波調を親魏大月氏王とする。
廃帝芳 240 焉耆・危須、魏に朝貢する。
元帝 260頃 魏の索勵、楼蘭で屯田を行う。
元帝 265 康居・大宛、魏に名馬を献じる。
武帝 270 大宛・焉耆、晋に朝貢する。
武帝 275 西域戊己校尉馬循、鮮卑の渠帥を斬る。
武帝 276 馬循、鮮卑族長の阿羅多を破り降伏させる。
武帝 280 車師前王、侍子を入朝させる。
武帝 283 ゼン善王、侍子を入朝させる。
武帝 284 大秦王、晋に貢物を献じる。
武帝 285 焉耆王龍安・亀茲王白山、晋に侍子を入朝させる。


武帝、楊を遣わして蘭<广臾>を大宛王に封じる。
武帝 287 康居、晋に貢物を献じる。
不明
龍安死す。子の会が後を継ぐ。
不明
大宛王蘭<广臾>の子摩之、汗血馬を献じる。
不明
焉耆王会、亀茲王白山を殺して亀茲王となる。


亀茲王会、子熙を焉耆王とする。
不明
亀茲王会、葱嶺以東諸国を服属させる。
不明
亀茲王会、亀茲人羅雲に殺される。
恵帝 301 張軌、護羌校尉・涼州刺史となる。
愍帝 314 張軌、西平公・涼州牧となる。


張軌死す。子の張寔が後を継ぐ。
元帝 320 張寔、部下に殺害される。弟の張茂が後を継ぐ。
明帝 323 張茂、前趙に服属して涼王の称号を受ける。
明帝 324 張茂死す。張寔の子の張駿が後を継ぐ。
成帝 325頃 西域諸国、前涼に汗血馬・火浣布・封牛・孔雀・巨象及び珍異の品二百余品を献じる。


前涼の西域長史李柏、反乱を起こした戊己校尉趙貞を撃って敗れる。


張駿、趙貞を捕獲し、高昌郡を置く。
穆帝 345頃 張駿、沙州刺史楊宣に西域を鎮撫させる。


楊宣の部下張植、亀茲・ゼン善・焉耆を降伏させる。


亀茲王元孟、張駿に娘を献じる。


焉耆・于<門眞>・車師前王、張駿に朝貢する。
穆帝 346 張駿死す。子の張重華が後を継ぐ。


張重華、仮涼王を自称する。
穆帝 353 張重華死す。子の張耀霊が後を継ぐ。


張重華の弟張祚、張耀霊を殺して涼州牧・涼公を自称する。
穆帝 354 張祚、皇帝を名乗る。
穆帝 355 張祚、部下に殺害される。張耀霊の弟の張玄セイが後を継ぐ。


張玄セイ、帝号を廃して晋の年号を用いる。
哀帝 363 張祚の弟張天錫、張玄セイを殺して涼州牧・西平公を自称する。
孝武帝 376 張天錫、前秦に降伏して前涼滅ぶ。


前秦の苻堅、梁熙を涼州刺史、楊翰を高昌太守に任命する。
孝武帝 380頃 梁熙、西域諸国に使者を派遣する。


ゼン善王・車師前王、前秦に入朝。大宛・康居・天竺、前秦に貢物を献じる。
孝武帝 382 ゼン善王・車師前王、前秦に入朝する。
孝武帝 383 苻堅、ゼン善王休密を都督西域諸軍事・車師前王弥<宀眞>を西域都護とする。


苻堅、呂光に西域を征討させる。


呂光、焉耆王泥流を降伏させる。


亀茲王帛純、呂光に敗れて逃亡する。


西域の三十余国、呂光に降伏する。


呂光、帛純の弟帛震を亀茲王とする。


苻堅、呂光を西域都尉とする。
孝武帝 384 呂光、姑臧に拠り涼州刺史・護羌校尉を称す。


呂光、鳩摩羅什を涼州に連行する。
孝武帝 386 呂光、酒泉公・大将軍を自称。建元と改元する。


ゼン善王胡員タ、苻丕の下で後秦と戦う。
孝武帝 389 呂光、三河王を称して百官を置く。
安帝 396 呂光、天王を称す。


焉耆王熙、後涼に侍子を入朝させる。