戦国時代頃からモンゴル高原で活動を始めた遊牧騎馬民族。 |
人種はトルコ系またはモンゴル系といわれる。 |
年代が進むに連れて人種間の混血が進んだ。 |
首長は単于と呼ばれ、その下に単于の一族の左賢王・右賢王などの王、 |
有力族長などからなる骨都侯などが置かれた。 |
単于の姓は虚連題氏で他に呼衍・須卜・丘林・蘭の四姓の名族から |
単于の閼氏(后)などが選ばれた。 |
紀元前4世紀頃から中国への侵入を開始し、秦末の頭曼単于の頃に |
月氏を逐ってオルドス(内蒙古)を支配したが、始皇帝の征討を受けて後退した。 |
頭曼の子冒頓単于は楚漢の争いに乗じてオルドスを回復し、 |
中国を統一した高祖の親征軍を白頭山に包囲した。 |
高祖を破った冒頓は漢の兄弟として毎年の歳幣と漢の公主の入嫁 |
などを内容とする和約を結んだ。 |
武帝の度重なる遠征によって勢力を弱めたが、武帝の晩年には将軍李広利を |
捕らえるなど再び漢を脅かす存在となった。 |
前60年の虚閭権渠単于の死後、匈奴は分裂し五単于が分立する状態となり、 |
虚閭権渠の子チツ支と呼韓邪もそれぞれ単于を称して匈奴は東西に分裂した。 |
呼韓邪単于は漢の力を借りて匈奴を再び統一した。 |
呼韓邪の子単于輿は光武帝の時代に後漢と和を結んだが、度々盟に背いて |
并州・涼州への侵入を行った。 |
輿の死後、子の蒲奴と兄の子比がそれぞれ単于を称して匈奴は南北に分裂した。 |
南単于の比は漢と結んで北匈奴を破り、祖父と同じ呼韓邪単于を名乗った。 |
北匈奴は南匈奴に討たれて衰退し、西走してフン族になったともいわれる。 |
南匈奴は後漢との和平を保ったが、2世紀半ば頃から内乱が頻発して勢力を弱めた。 |
216年に単于呼廚泉は入朝して官位を授けられそのままギョウに留められた。 |
曹操の献策により匈奴は五部族に分割して統治され、居住地も平陽に限定された。 |
304年、匈奴左部の劉淵は八王の乱に乗じて故郷の平陽に戻って |
部族を統一し漢王を称した。 |
308年、劉淵は皇帝を称して晋攻略を開始した。(永嘉の乱の始まり) |
劉淵の後を継いだ子の劉聡は311年、洛陽を落として懐帝を捕虜とした。 |
316年には長安の愍帝を捕らえてついに西晋を滅亡させた。 |
劉聡の死後、[革斤]準の乱を平定した劉淵の養子劉曜が後を継いだ。 |
劉曜は配下の石勒と仲違いして離反させ、ついに石勒の捕虜となって殺害された。 |
329年、劉曜の子劉熙も石勒に殺害され、ついに匈奴の正統は断絶した。 |
匈奴の生き残りの沮渠氏や赫連氏などにより北涼・夏が建国されたが、 |
北魏により滅ぼされて国民は吸収された。 |
その後は民族の混血が進み、歴史上から匈奴の名は姿を消すこととなった。 |
中国皇帝 | 年号 | 王・族長 | 事跡 |
---|---|---|---|
前4C | 匈奴、オルドス地方に勢力を築く。 | ||
趙・燕、長城を築き匈奴に備える。 | |||
始皇帝 | 前215 | 頭曼 | 頭曼、秦の蒙恬に敗れオルドスから退く。 |
頭曼 | 始皇帝、秦・趙・燕の長城を繋ぎあわせて匈奴に備える。 | ||
前209 | 頭曼 | 頭曼、オルドスを回復する。 | |
冒頓 | 冒頓、父の頭曼を殺害して単于となる。 | ||
前206 | 冒頓 | 冒頓、月氏を破る。 | |
高祖 | 前200 | 冒頓 | 韓王信、高祖に討たれ冒頓を頼る。 |
冒頓、白登山に漢の高祖を包囲する。 | |||
高祖、陳平の計で包囲を脱す。 | |||
高祖 | 前198 | 冒頓 | 冒頓、漢と和を結び毎年の歳幣と公主の入嫁を約束させる。 |
冒頓、西方の烏孫・月氏・楼蘭を服従させる。 | |||
高祖 | 前197 | 冒頓 | 漢の陳[豕希]、匈奴と通じて反乱を起こす。 |
高祖 | 前195 | 冒頓 | 燕王盧綰、高祖の討伐を受けて匈奴に亡命する。 |
恵帝 | 前192 | 冒頓 | 冒頓、漢と和を結ぶ。 |
少帝弘 | 前181 | 冒頓 | 冒頓、狄道に侵入する。 |
文帝 | 前177 | 冒頓 | 灌嬰、匈奴右賢王を撃退する。 |
冒頓、月氏・楼蘭・烏孫を征服する。 | |||
文帝 | 前174 | 老上 | 冒頓死す。子の老上が単于となる。 |
文帝 | 前173頃 | 老上 | 文帝、老上に公主を送り、中行説を遣わす。 |
文帝 | 前166 | 老上 | 老上、安定に侵入する。 |
文帝 | 老上 | 老上、遼東・雲中・代郡に侵入する。 | |
文帝 | 前162頃 | 老上 | 老上、月氏を攻撃して駆逐する。 |
文帝 | 文帝、匈奴に公主を嫁がせ、中行説を派遣する。 | ||
文帝 | 前161 | 老上 | 老上死す。 |
文帝 | 前160 | 老上 | 老上の子軍臣が単于となる。 |
文帝 | 前158 | 軍臣 | 軍臣、上郡に侵入して漢の周亜夫と戦う。 |
景帝 | 前154 | 軍臣 | 軍臣、趙王劉遂と結んで侵入を図る。 |
景帝 | 前144 | 軍臣 | 軍臣、雁門・武泉・上郡に侵入する。 |
武帝 | 前138 | 軍臣 | 武帝、大月氏に張騫を派遣して匈奴挟撃を図る。 |
張騫、匈奴に抑留される。 | |||
武帝 | 前133 | 軍臣 | 軍臣、馬邑で漢将王恢の計を見破り兵を退く。 |
武帝 | 前131 | 軍臣 | 張騫、匈奴を脱走して大月氏国に到達する。 |
武帝 | 前129 | 軍臣 | 漢将衛青・公孫敖・公孫賀・李広匈奴に攻め込む。 |
衛青、匈奴の本拠地竜城に攻め込む。 | |||
公孫敖、匈奴に敗れる。 | |||
李広、匈奴の捕虜となる。 | |||
武帝 | 前128 | 軍臣 | 軍臣、雁門で衛青に敗れる。 |
武帝 | 前127 | 軍臣 | 軍臣、衛青にオルドスを奪われる。 |
衛青、匈奴の白羊王・楼煩王を破る。 | |||
漢、オルドスに朔方郡を置く。 | |||
張騫、大月氏からの帰途匈奴支配下の羌族に抑留される。 | |||
武帝 | 前126 | 軍臣 | 軍臣死す。弟伊稚斜が軍臣の子於単を破り単于となる。 |
伊稚斜 | 於単、漢に投降する。 | ||
張騫、帰国して武帝に西域事情を伝える。 | |||
武帝 | 前125 | 伊稚斜 | 伊稚斜、代郡・定襄・上郡に侵入する。 |
武帝 | 前124 | 伊稚斜 | 衛青、匈奴の右賢王を破る。 |
武帝 | 前123 | 伊稚斜 | 伊稚斜、衛青と戦う。 |
武帝 | 前121 | 伊稚斜 | 漢将霍去病、匈奴の折蘭王・盧侯王を斬る。 |
漢将李広、匈奴の左賢王と戦う。 | |||
匈奴の渾邪王、漢に投降する。 | |||
匈奴の休屠王の太子金日[石單]、漢に没入される。 | |||
武帝 | 前119 | 伊稚斜 | 伊稚斜、衛青に敗れゴビ砂漠以北に退く。 |
霍去病、左賢王を破り、狼居胥山で天を祀る。 | |||
武帝 | 前118 | 伊稚斜 | 武帝、烏孫に張騫を派遣して匈奴挟撃を図る。 |
武帝 | 前115 | 伊稚斜 | 武帝、渾邪王の故地に酒泉・武威郡を置く。 |
武帝 | 前114 | 伊稚斜 | 伊稚斜死す。子の烏維が単于となる。 |
武帝 | 前111 | 烏維 | 武帝、張掖・敦煌郡を置く。 |
武帝 | 前110 | 烏維 | 武帝、匈奴に親征する。 |
武帝 | 前108 | 烏維 | 烏維、漢使路充国を抑留する |
武帝 | 前105 | 烏維 | 烏維死す。子の児が単于となる。 |
武帝 | 前104 | 児 | 匈奴左大都尉、漢と通じて児の殺害を図って逆に殺される。 |
児、漢将趙破奴を捕虜とする。 | |||
武帝 | 前103 | 児 | 児死す。 |
武帝 | 前102 | [口句]犂湖 | 児の叔父の[口句]犂湖が単于となる。 |
武帝 | 前101 | [口句]犂湖 | [口句]犂湖死す。弟の且[革是]侯が単于となる。 |
武帝 | 前100 | 且[革是]侯 | 且[革是]侯、漢の使者蘇武を抑留する。 |
武帝 | 前99 | 且[革是]侯 | 且[革是]侯、天山で漢将李広利に大勝する。 |
漢将李陵、匈奴に降伏する。 | |||
武帝 | 前97 | 且[革是]侯 | 且[革是]侯死す。 |
武帝 | 前96 | 狐鹿姑 | 且[革是]侯の子狐鹿姑が単于となる。 |
武帝 | 前90 | 狐鹿姑 | 李広利、燕然山で匈奴に敗れて降伏する。 |
武帝 | 前88 | 狐鹿姑 | 狐鹿姑、李広利を殺す。 |
昭帝 | 前86 | 狐鹿姑 | 金日[石單]死す。 |
昭帝 | 前85 | 狐鹿姑 | 狐鹿姑死す。子の壺衍[革是]が単于となる。 |
昭帝 | 前83 | 壺衍[革是] | 壺衍[革是]、代郡に侵入する。 |
昭帝 | 前82 | 壺衍[革是] | 壺衍[革是]、蘇武を帰還させる。 |
昭帝 | 前81 | 壺衍[革是] | 蘇武、中国に帰国する。 |
壺衍[革是]、漢に敗れて西北方に逃亡する。 | |||
昭帝 | 前79 | 壺衍[革是] | 壺衍[革是]、酒泉・張掖を襲い敗れる。 |
昭帝 | 前78 | 壺衍[革是] | 壺衍[革是]、五原郡に侵入する。 |
烏丸、匈奴に侵入して王の墓を暴く。 | |||
昭帝、范明友を匈奴・烏丸征討に派遣する。 | |||
昭帝 | 前74頃 | 壺衍[革是] | 壺衍[革是]、烏孫を攻撃して漢の公主を要求する。 |
宣帝 | 前73 | 壺衍[革是] | 宣帝、范明友・韓増・趙充国らに匈奴を撃たせる。 |
侯恵、烏孫と共同で匈奴を破る。 | |||
壺衍[革是]、烏孫・丁令・烏桓に敗れて衰弱する。 | |||
宣帝 | 前69 | 壺衍[革是] | 壺衍[革是]死す。弟の虚閭権渠が単于となる。 |
宣帝 | 前68 | 虚閭権渠 | 壺衍[革是]の弟の虚閭権渠が単于となる。 |
虚閭権渠、漢に侵入を図り失敗する。 | |||
匈奴、飢餓により人口の半数以上を失う。 | |||
宣帝 | 前67 | 虚閭権渠 | 虚閭権渠、新車師王を任命して東遷させる。 |
この頃ノイン・ウラの匈奴文化。 | |||
宣帝 | 前64 | 虚閭権渠 | 虚閭権渠、車師を攻めて漢軍を撤退させる。 |
丁令、匈奴に侵入する。 | |||
宣帝 | 前60 | 虚閭権渠 | 虚閭権渠死す。児の玄孫握衍[月句][革是]が単于を称す。 |
握衍[月句][革是] | 握衍[月句][革是]、弟を遣わして漢と和親する。 | ||
匈奴日逐王の先賢[才單]、漢に投降する。 | |||
宣帝 | 前59 | 握衍[月句][革是] | 握衍[月句][革是]、離反した左奥[革建]王を撃つ。 |
宣帝 | 前58 | 呼韓邪 | 虚閭権渠の子稽侯サン、呼韓邪単于を称す。 |
握衍[月句][革是]、孤立無援となり自殺する。 | |||
握衍[月句][革是]の従兄の薄胥堂、屠耆単于を称す。 | |||
宣帝 | 前57 | 呼韓邪 | 匈奴の呼掲王、呼掲単于を称す。 |
匈奴の右奥[革建]王、車犂単于を称す。 | |||
匈奴の烏藉都尉、烏藉単于を称す。 | |||
烏藉・車犂単于、屠耆単于に敗れて呼掲単于と合流する。 | |||
烏藉・呼掲単于、単于号を捨て車犂単于を立てる。 | |||
屠耆単于、車犂単于を破る。 | |||
宣帝 | 前56 | 呼韓邪 | 屠耆単于、呼韓邪に敗れて自殺する。 |
車犂単于、呼韓邪に降伏する。 | |||
屠耆単于の従弟の休旬王、閏振単于を称す。 | |||
呼韓邪の兄の呼屠吾斯、チツ支単于を称す。 | |||
宣帝 | 前54 | 呼韓邪 | チツ支、閏振単于を殺す。 |
チツ支、呼韓邪を破り、王庭を奪う。 | |||
匈奴、東西に分裂する。 | |||
宣帝 | 前53 | 呼韓邪 | 呼韓邪・チツ支、漢に侍子を入朝させる。 |
宣帝 | 前51 | 呼韓邪 | 呼韓邪、漢に入朝して恭順を示す。 |
宣帝、董忠・韓昌を遣わして呼韓邪を護衛させる。 | |||
宣帝 | 前50 | 呼韓邪 | 呼韓邪、再び漢に入朝する。 |
屠耆単于の末弟、伊利目単于と称す。 | |||
チツ支、伊利目単于を殺す。 | |||
チツ支、烏孫を破る。 | |||
チツ支、烏掲・堅昆・丁零を併合する。 | |||
元帝 | 前44 | 呼韓邪 | チツ支、漢使谷吉を殺す。 |
元帝 | 前43 | 呼韓邪 | 呼韓邪、漢と盟約を結んで北方に帰る。 |
この頃、チツ支が康居に身を寄せる。 | |||
チツ支、烏孫を攻撃し、大宛に朝貢させる。 | |||
元帝 | 前36 | 呼韓邪 | チツ支、漢将陳湯・甘延寿に討たれ西匈奴滅ぶ。 |
元帝 | 前33 | 呼韓邪 | 呼韓邪、漢に入朝する。 |
呼韓邪、元帝から王昭君を贈られる。 | |||
成帝 | 前31 | 呼韓邪 | 呼韓邪死す。 |
成帝 | 前29 | 復株累 | 呼韓邪の子復株累が単于となる。 |
成帝 | 復株累、王昭君を娶る。 | ||
成帝 | 前25 | 復株累 | 復株累、漢に入朝する。 |
成帝 | 前20 | 復株累 | 復株累死す。 |
成帝 | 前19 | 捜諧 | 復株累の弟捜諧が単于となる。 |
成帝 | 前12 | 捜諧 | 捜諧、入朝の途上で病死する。 |
成帝 | 前11 | 車牙 | 捜諧の弟車牙が単于となる。 |
成帝 | 前8 | 車牙 | 車牙死す。弟の烏珠留が単于となる。 |
烏珠留 | 成帝、夏侯藩を通じて匈奴に土地の割譲を求める。 | ||
哀帝 | 前5 | 烏珠留 | 烏珠留、西境を侵した烏孫を攻撃する。 |
哀帝 | 前1 | 烏珠留 | 烏珠留、漢に入朝する。 |
平帝 | 後1頃 | 烏珠留 | 烏珠留、二名の禁に従い名を知と改める。 |
平帝 | 後2 | 烏珠留 | 烏珠留、亡命してきた車師後王を漢に送る。 |
平帝 | 烏珠留 | 漢、烏桓に匈奴への納税を禁じる。 | |
平帝 | 後9 | 烏珠留 | 王莽、烏珠留に「新匈奴単于章」の印を与える。 |
王莽 | 10 | 烏珠留 | 烏珠留、王莽の待遇を怒って西域諸国と反乱を起こす。 |
王莽、呼韓邪の子孫十五人の単于擁立を図る。 | |||
王莽 | 11 | 烏珠留 | 王莽、烏珠留の弟咸を孝単于として匈奴の分断を図る。 |
咸、子の登を新に入侍させる。 | |||
烏珠留、雲中に侵入する。 | |||
王莽 | 13 | 烏珠留 | 烏珠留死す。 |
王莽 | 14 | 烏累 | 烏珠留の弟烏累(咸)が単于となる。 |
王莽、烏累の子の登を殺す。 | |||
烏累、新と和を結ぶ。 | |||
烏累、子の登が殺された事を知り、新の北辺を侵す。 | |||
王莽 | 15 | 烏累 | 王莽、匈奴単于を恭奴善于に改める。 |
王莽 | 18 | 烏累 | 烏累死す。弟の輿が単于となる。 |
輿 | 王莽、骨都侯当を須朴単于とする。 | ||
王莽 | 19 | 輿 | 輿、新との和を破って反乱を起こす。 |
王莽、匈奴の右骨都侯須朴当を長安に連行して善于とする。 | |||
王莽、再度匈奴遠征を行う。 | |||
王莽 | 23 | 輿 | 輿、烏丸とともに北方に侵入する。 |
更始帝 | 24 | 輿 | 輿、更始帝への臣従を拒む。 |
光武帝 | 30 | 輿 | 輿、光武帝に使いを送って和を結ぶ。 |
輿、盧芳とともに漢の北辺を侵す。 | |||
光武帝 | 33 | 輿 | 光武帝、大司馬呉漢に匈奴を討たせる。 |
光武帝 | 37 | 輿 | 輿、河東に侵入する。 |
輿 | 輿、弟の左賢王知牙師を殺す。 | ||
光武帝 | 45 | 輿 | 輿、上党・扶風・天水に侵入する。 |
光武帝 | 45 | 輿 | 輿、上谷・中山を侵略する。 |
光武帝 | 46 | 輿 | 輿死す。子の烏達が単于となる。 |
烏達 | 烏達死す。弟の蒲奴が単于となる。 | ||
光武帝 | 48 | 比 | 匈奴の首長、協議して烏珠留の子比を単于に立てる。 |
比、呼韓邪単于を称す 匈奴、南北に分裂する。 | |||
光武帝 | 49 | 呼韓邪 | 呼韓邪、北匈奴を破る。 |
呼韓邪、後漢に朝貢する。 | |||
光武帝 | 50 | 呼韓邪 | 北匈奴の左賢王<十十奥>[革建]、単于を称す。 |
呼韓邪、<十十奥>[革建]を破り自殺させる。 | |||
呼韓邪、子を入朝させる。 | |||
光武帝 | 56 | 呼韓邪 | 呼韓邪死す。弟莫が単于となる。 |
光武帝 | 57 | 莫 | 莫死す。弟の汗が単于となる。 |
明帝 | 59 | 汗 | 汗死す。比の子適が単于となる。 |
明帝 | 61 | 適 | 北匈奴が五原郡に侵入、適これを破る。 |
明帝 | 62 | 適 | 適死す。莫の子蘇が単于となる。 |
明帝 | 63 | 蘇 | 蘇死す。適の弟長が単于となる。 |
北匈奴、度々漢の辺境を侵す。 | |||
漢、度遼営を設置して匈奴の交通を遮断する。 | |||
明帝 | 73 | 長 | 漢、南匈奴と結んで北匈奴を討つ。 |
北匈奴、幽州に侵入する。 | |||
明帝 | 75 | 長 | 北匈奴、西域都護の撤退で西域を支配下に置く。 |
章帝 | 76 | 長 | 北匈奴、南匈奴に敗れる。 |
章帝 | 77 | 長 | 北匈奴単于、南匈奴・鮮卑に敗れ、遠方に逃亡する。 |
章帝 | 84 | 長 | 北匈奴、漢に交易を請う。 |
章帝 | 85 | 長 | 長死す。汗の子宣が単于となる。 |
宣 | 宣、鮮卑・丁零・西域と北匈奴を攻め温グ犢王を殺す。 | ||
章帝 | 87 | 宣 | 北匈奴の優留単于、鮮卑に敗れ斬られる。 |
北匈奴、後継争いで分裂し民二十万が漢に降る。 | |||
章帝 | 88 | 宣 | 宣死す。長の弟屯屠何が単于となる。 |
屯屠何 | 北匈奴、後継争いで勢力を衰退させる。 | ||
和帝 | 89 | 屯屠何 | 屯屠何、漢将竇憲・耿秉と北匈奴を討つ。 |
和帝 | 90 | 屯屠何 | 屯屠何、漢とともに北匈奴を破り閼氏を捕らえる。 |
竇憲、班固に燕然山に戦功を刻ませる。 | |||
和帝 | 91 | 屯屠何 | 北匈奴単于、漢に敗れ烏孫に亡命する。 |
北匈奴単于の弟於除[革建]、単于となり漢に降伏する。 | |||
和帝 | 94 | 屯屠何 | 於除[革建]、漢に背き滅ぼされる。 |
屯屠何死す。宣の弟安国が単于となる。 | |||
安国、左賢王師子の人気を妬み殺害を図る。 | |||
和帝 | 95 | 安国 | 安国、漢の仲裁を拒んで討伐を受け舅に殺害される。 |
適の子師子が単于となる。 | |||
匈奴の部族長、反乱を起こして屯屠何の子逢侯を単于に立てる。 | |||
師子、漢将朱徽・任尚らの助力で逢侯を破る。 | |||
和帝 | 96 | 師子 | 匈奴の右温犢王鳥居戦、漢に反乱を起こす。 |
和帝 | 98 | 師子 | 師子死す。 |
和帝 | 98 | 檀 | 長の子檀が単于となる。 |
和帝 | 100 | 檀 | 檀、北匈奴の逢侯を破る。 |
和帝 | 104 | 檀 | 逢侯、漢に和親を請い拒絶される。 |
和帝 | 105 | 檀 | 逢侯、再び漢に和親を請う。 |
安帝 | 109 | 檀 | 南単于檀、漢に反乱を起こす。 |
安帝 | 110 | 檀 | 檀、常山・中山に侵入して撃退され、漢に降伏する。 |
安帝 | 111 | 檀 | 逢侯、鮮卑に敗れる。 |
安帝 | 112 | 檀 | 逢侯、漢に降伏する。 |
安帝 | 124 | 檀 | 檀死す。弟の抜が単于となる。 |
安帝 | 125 | 抜 | 鮮卑、匈奴に侵入して漸将王を殺す。 |
抜、漢に援軍を請う。 | |||
順帝 | 128 | 抜 | 抜死す。弟の休利が単于となる。 |
順帝 | 140 | 休利 | 匈奴左部句龍王吾斯・車紐らが反乱を起こす。 |
漢、烏桓・鮮卑・羌・胡の兵を率いて吾斯らを討つ。 | |||
休利、五原太守陳亀の問責を受けて自殺する。 | |||
陳亀、単于の近親を内郡に移そうとして誅殺される。 | |||
車紐 | 車紐、単于に推戴される。 | ||
車紐、烏桓・羌・胡とともに京兆に侵入する。 | |||
車紐、漢の張耽に敗れ、降伏を願い出る。 | |||
順帝 | 141 | 車紐 | 吾斯、漢の馬続に敗れる。 |
順帝 | 142 | 車紐 | 吾斯ら、并州に侵入する。 |
順帝 | 143 | 車紐 | 兜楼儲、洛陽で単于に立てられ南庭に送られる。 |
吾斯、漢の馬寔に暗殺される。 | |||
順帝 | 144 | 兜楼儲 | 馬寔、匈奴・烏桓を降伏させる。 |
桓帝 | 147 | 兜楼儲 | 兜楼儲死す。居車兒が単于となる。 |
桓帝 | 158 | 居車兒 | 匈奴の諸部、反乱を起こして漢の張奐に鎮圧される。 |
桓帝 | 166 | 居車兒 | 匈奴、鮮卑・烏桓・高句麗と北辺に侵入する。 |
霊帝 | 171 | 居車兒 | 居車兒死す。 |
霊帝 | 172 | 某 | 居車兒の子某が単于となる。 |
霊帝 | 177 | 某 | 単于某、鮮卑の檀石槐に大敗する。 |
単于某死す。 | |||
霊帝 | 178 | 呼徴 | 単于某の子呼徴が単于となる。 |
霊帝 | 179 | 呼徴 | 呼徴、漢の張脩に殺害される。 |
張脩、右賢王羌渠を単于に立てる | |||
張脩、単于殺害の罪で誅殺される。 | |||
霊帝 | 184 | 羌渠 | 羌渠、子の於夫羅を派遣して黄巾賊に協力する。 |
霊帝 | 187 | 羌渠 | 羌渠、幽州の張純の反乱平定に協力する。 |
霊帝 | 188 | 羌渠 | 羌渠、右部の反乱により殺害される。 |
於夫羅 | 羌渠の子於夫羅が単于となる。 | ||
反乱部族、須卜骨都侯を単于に立てる。 | |||
霊帝 | 189 | 於夫羅 | 於夫羅、南庭を逐われ洛陽に向かう。 |
於夫羅、霊帝崩御を知り、白波賊と略奪を行う。 | |||
献帝 | 194 | 於夫羅 | 於夫羅死す。 |
献帝 | 195 | 呼廚泉 | 於夫羅の弟呼廚泉が単于となる。 |
献帝 | 196 | 呼廚泉 | 呼廚泉の弟去卑、白波賊の韓暹と献帝の長安脱出を助ける。 |
去卑、献帝を洛陽に送り届け河東に帰る。 | |||
献帝 | 202 | 呼廚泉 | 呼廚泉、袁尚に通じて平陽で反乱を起こす。 |
呼廚泉、曹操の部将鍾ヨウに降伏する。 | |||
献帝 | 204 | 呼廚泉 | 曹操、河北を平定後、蔡文姫を匈奴から身請けする。 |
献帝 | 206 | 呼廚泉 | 呼廚泉、曹操に敗れた高幹の亡命を拒む。 |
献帝 | 216 | 呼廚泉 | 呼廚泉、漢に入朝して曹操にギョウに留められる。 |
去卑、河東で部族を治める。 | |||
曹操、匈奴を五部に分ける。 | |||
呼廚泉 | 匈奴、并州に移る。 | ||
曹丕 | 220 | 呼廚泉 | 呼廚泉、魏の曹丕から璽綬を与えられる。 |
劉豹、平陽で匈奴の左部を継ぐ。 | |||
曹芳 | 251 | 魏のケ艾、匈奴分離策を上奏する。 | |
曹芳 | この頃劉淵生まれる。 | ||
劉淵、晋に入朝する。 | |||
劉豹死す。子の劉淵が左部帥となる。 | |||
司馬炎 | 290 | 劉淵 | 劉淵、建威将軍・匈奴五部大都督となる。 |
司馬衷 | 304 | 劉淵 | 劉淵、八王の乱に乗じて并州に帰り、単于に推戴される。 |
劉淵、漢王を称す。 | |||
司馬熾 | 308 | 劉淵 | 劉淵、左国城に遷都する。 |
劉淵、漢の皇帝を称し、元号を永鳳と定める。 | |||
劉淵、平陽に遷都する。 | |||
劉淵、劉聡・石勒らを晋に攻め込ませる。 | |||
司馬熾 | 309 | 劉淵 | 劉淵、劉聡・石勒らを洛陽に攻め込ませる。 |
司馬熾 | 310 | 劉淵 | 劉淵、単氏を皇后、劉和を皇太子とする。 |
劉淵、劉聡・石勒らを晋に攻め込ませる。 | |||
劉聡、大司馬・大単于となる。 | |||
劉淵死す。子の劉和が皇帝となる。 | |||
劉和 | 劉和、弟劉聡らを排除しようとして逆に劉聡に殺される。 | ||
劉聡 | 劉聡、皇帝に推戴される。 | ||
司馬熾 | 311 | 劉聡 | 石勒、苦県で晋の太尉王衍を破り殺害する。 |
劉曜、洛陽を陥落させ、懐帝を捕虜にする。 | |||
劉曜、洛陽を焼く。 | |||
石勒、王弥を殺す。 | |||
司馬熾 | 313 | 劉聡 | 劉聡、懐帝司馬熾を殺害する。 |
司馬ギョウ | 316 | 劉聡 | 劉曜、長安を陥落させ、愍帝を捕虜にする。 |
司馬ギョウ | 317 | 劉聡 | 劉聡、愍帝司馬ギョウを殺害する。 |
劉聡、皇太弟劉乂を廃し、子の劉粲を皇太子とする | |||
318 | 劉聡 | 劉聡死す。子の劉粲が皇帝となる。 | |
権臣[革斤]準、劉粲を殺害する。 | |||
劉曜 | 劉淵の養子劉曜、皇帝となる。 | ||
劉曜、石勒を趙公に封じ、[革斤]準を討たせる。 | |||
[革斤]準、部下に殺害される。 | |||
319 | 劉曜 | 劉曜、石勒の部下を殺害し、石勒と不和を生ず。 | |
劉曜、長安に都を移し、国号を趙とする。 | |||
石勒、後趙を建国する。 | |||
328 | 劉曜 | 劉曜、石勒の甥石虎の軍を破り、洛陽を包囲する。 | |
劉曜、石勒に敗れて捕虜となる。 | |||
劉曜、石勒の降伏勧告を無視して殺害される。 | |||
劉熙 | 劉曜の子劉熙が皇帝となる。 | ||
329 | 劉熙 | 劉熙、石勒に敗れて殺害される。(前趙の滅亡) |