| A-3 | 渡航者憧れの的、「学生ビザ」(英国編) |
| ※私の知識が古くてスミマセン。現在は1999年、かなり情報が変化していると思います。その後の情勢をご存じの方は連絡下さいな。 |
現代社会において対立する国家(または民族)はどんなものがあるか? |
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国際政治の動向によって変化することがあるが、長期間にわたって政治的・民族的に対立する国家としては、以下の国家等がある。 (1)アラブ諸国vsイスラエル 1947年の国連総会で英信託統治領パレスチナをユダヤ・アラブ領国家として分割することを提案したが、アラブ側が拒否。翌48年にはユダヤ人国家イスラエルが建国される。以来、パレスチナにおけるユダヤ人とパレスチナ人との対立が続いており、パレスチナ人を支援するアラブ諸国との間に数次の戦争が行なわれている。 アラブ諸国・・・アルジェリア、バーレーン、エジプト、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モーリタニア、モロッコ、オマーン、カタール、サウジアラビア、ソマリア、スーザン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、イエメン、PLO(パレスチナ開放機構) (注)アラブ諸国内でもエジプトは77年に当時のサダト大統領がイスラエルを訪問し、やはり当時のイスラエルのベギン首相との間で、「不戦の誓い 」を宣言、事実上イスラエルを承認した。以後、エジプトとイスラエル間には国交が開かれている。 (2)インドvsパキスタン 1948年に英領インドが独立した際、インド中央部のヒンズー教徒地区はインドとして、その東西にあるイスラム教徒地区はパキスタンとして建国された。その後、東パキスタンは、インドの支援によって、71年に独立戦争の末バングラデシュとしてパキスタンから独立した。インド・パキスタン間には、領土問題としてカシミール紛争があり、国境周辺では軍事衝突がしばしば起きている。 (3)大韓民国vs朝鮮民主主義人民共和国 第二次大戦後、二分された同一民族国家の対立。1950年には南北朝鮮間で戦火を交えたが、90年からは南北首相会議が開始されている。 (4)中国vsインド 1950年に中国の人民解放軍がチベットに進撃し、51年中国・チベット協定成立。59年にはチベットの貴族・寺院が反乱し、中国軍が鎮圧。ラマ教教主第14ダライ=ラマはインドへ亡命した。子のことから中国とインドの国境が緊張。62年には大規模な戦闘が行なわれ、中国が圧勝した。中印国境についてはマクマホン=ラインをめぐって未解決のままである。チベットは65年に自治区となったが、その後も騒擾が度々起きている。 (5)アルメニアvsアゼルバイジャン 旧ソ連から独立した両国だが、アルメニアはキリスト教徒、アゼルバイジャンはシーア派イスラム教徒と宗教的には全く対立する。しかも、アゼルバイジャン の中に浮島のようにある「ナゴルノ・カラバフ自治州」は住民の75%がキリスト教徒となっており、アルメニアの帰属を要求した。92年に入ると、アルメニアの攻撃が強まり、自治州とアルメニアを結ぶ地点がアルメニアの手に落ち、ナゴルノ・カラバフ自治州は事実上アルメニア領となっている。 |
内戦が続く主な国家にはどんなものがあるか? |
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(1)北アイルランド イギリス領の北アイルランドにおける宗教的対立。英国内多数派のプロテスタント教徒が支配的地位を握っているのに対し、北アイルランドの多数派のカトリック教徒がアイルランド共和国への編入を求め、IRA(アイルランド共和軍=アイルランド共和国正規軍とは関係ない)等が武装闘争している。 (2)キプロス 1974年にクーデターが起き、トルコ軍が北部を占領、少数派のトルコ系住民地区と多数派のギリシア系住民地区とに分裂した。83年にはトルコ系住民が独立宣言し、北キプロス・トルコ共和国と名乗ったが、国連はこれを認めず、撤回を要求している。ギリシア系住民地区では大統領選挙が行なわれ、穏健派のバシリウー氏が当選し、トルコ系住民との対話の道を探っていた。 (3)レバノン 1943年の独立からマロン派キリスト教徒による支配が続いたが、70年以後、多数のパレスチナ難民が流入し、75年にはパレスチナ・ゲリラがキリスト教徒民兵に殺害されてから内戦となった。76年からはシリアが軍隊を駐留し、82年にはイスラエルが南部を占領した。PLO内部の抗争から、イラクは右派のキリスト教徒グループを支援、シリアが支援する左派のイスラム教徒グループと対立した。その後、湾岸戦争の影響でイラクの力がなくなり、レバノンはシリアと友好協力条約を締結、内戦終結へ向かっている。 (4)スリランカ 1983年よりヒンズー教徒で少数派のタミル人が、仏教徒で多数派のシンハリ人が支配するスリランカからの分離独立を要求して、人種暴動となった。87年にはインドが軍事介入(90年撤退)、紛争は泥沼化している。 (5)イラク 1990年8月にクウェートに軍事侵攻して世界中にその名を轟かしたイラクであるが、国内では少数民族クルド族ゲリラとの内戦が20年以上にわたって続いている。クルド族はイラクから隣国トルコ、イラン、シリアにかけても分布しており、戦闘的な独立運動を継続している。既に、クルド人の死者は数千人の単位となっており、国際的な問題となっている。 (6)グルジア グルジアも旧ソ連から独立した国家だが、国土面積7万km2の小国内で、2カ所の独立運動を抱えている。ひとつは南オセチア自治州のオセチア人の運動で、90年の分離宣言以来2年間戦闘が続いたが、92年のロシアの仲介で停戦へと進行中である。もうひとつはアブハジア自治共和国のアブハジア人問題で、こちらには政府が軍を投入し、92年8月に首都を制圧した。 ※以上に上げた国以外でも、ルーマニアのトランシルバニア地方やフィリピンのミンダナオ島、インドネシアの東チモール、ミャンマー、スペインのバスク地方などで少数民族による独立運動が行なわれており、またユーゴからの独立が達成されたボスニア・ヘルツェゴビナでも、激しい内戦が続いている。 |

