A各地紹介





  1. Firenze[フィレンツェ]
  2. 1995年02月05日(日)
  1. Rome[ローマ]
  2. 1995年02月02日(木)
  1. Venezia[ベネツィア]
  2. 1995年02月06日(月)

■□特集・イタリア&新世界ワイン□■
   ●もうソムリエなんて怖くない●
  〜イタリアワインは7つの赤と3つの白を覚えるべし〜
 イタリアは世界一のワイン生産国である。南北に伸びる長靴型の地形のため、バラエティーに富んだ味のワインが揃っており、各付けはテーブルワイン、DOC(原産地統制呼称ワイン)、DOCG(統制呼称原産地呼称ワイン)の3つに分類される。生産されるワインの90%はテーブルワインだが、DOCの指定を受けた上級ワインだけでも215銘柄あり、これがワインリストを複雑で難解にする元凶でもあるのだ。ほとんどのイタリア料理店に置いてあるメジャーなワインとなると覚えるべきは10銘柄だけ。それさえ頭に入れてしまえば、多少はイタ飯屋でエラそうにできるハズ。
 まずは赤はトスカーナ州のキャンティ、ブルネロ、ソライヤ、サシカイヤを押さえ、ピエモンテ州のバローロ、バルバレスコ、ヴェネト州のヴァルポリチェッラも暗記しておけば、もはや怖いもの知らずだ。
 白ワインを覚えるのはもっと簡単。ピエモンテ州のガヴィ・ディ・ガヴィ、ヴェネト州のソアーヴェ、ラツィオ州のフラスカーティの3銘柄だけ。このうちソアーヴェとフラスカーティは、中重のガヴィ・ディ・ガヴィに比べ、酸味が強くて軽いタイプの白ワインで、パスタや魚料理によく合う。この赤白10銘柄が、イタリアワインの基本中の基本。しっかり覚えてもらいたい。

  ●その他のワイン産地とその特徴●
 今や、「ワインは安くて美味しい」のが当たり前。フランス・イタリア以外にも質の高いワインが増えている。ドイツワインは独特のフルーティーな甘さときめ細かい上品な酸味が魅力。スペインワインには、ボルドーにも匹敵するといわれるコクを持つものも多い。また、最近特に注目されているのが、新世界ワイン(南半球を主としたワイン生産新興国のワインの総称)と呼ばれるもの。陽光に恵まれ、春先から初秋に降雨のない気候のもと、果実味豊かなワインができるカリフォルニア。近代的な設備と技術で、次々とワインを生み出すオーストラリア。カベルネ・ソーヴィニヨン種の品質の高さで、既に世界的レベルを誇るチリなどがその代表だ。

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産 地   特 徴    
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  ドイツ ブドウ栽培の北限、北緯50度にあり、寒く厳しい環境で醸造する。酸味
が強くアルコール度があまり高くない繊細なタイプ飲ものが多く、90%
は白ワイン。日本でドイツワインといえば軽く甘酸っぱく飲みやすい印
象があるが辛口のものも多い。
スペイン 武道の栽培面積は世界一だが、生産量は世界第3位。お国柄か、おおら
かなワイン造りをしているようだ。基本的にはカジュアルで素朴な日常
ワインが多く、白は軽く飲みやすいタイプ、赤は樽香のきいた重いタイ
プのものを生み出す。
カリフォルニア 伝統はないが、ワイン造りの技術は世界一ともいわれる。気候がいいの
で甘くいいブドウが穫れ、甘味ののったアルコール度の高いワインが多
い。赤はボルドータイプ、白はブルゴーニュタイプを目指し、品種の個
性をいかしたワインを造る。
オーストラリア ブドウの収穫期が北半球より半年早いため、夏期に新酒が出荷され、サマ
ー・ヌーヴォーとして人気が高まっている。乾燥して気候のいい国なので、甘
いブドウが収穫され、ワインも甘くアルコール度の高いパワフルなタイ
プが多い。
  チリ 欧洲の地中海性気候に似た環境にある。ヨーロッパで大規模な害虫被害
があった19世紀半ば以前のブドウの木が移植されているため、クラシッ
クなタイプのワインが造られる。赤も白も重い正統派だが、欧洲に比べ
価格が安く人気がある。
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  ●代表的なブドウ品種とその特徴●
 ワインは、原料になるブドウの品種が風味の基本になるといっても過言ではな
い。赤ワインの代表的品種はカベルネ・ソーヴィニヨンというピノ・ノワール。前者はボルドーの最
優良品種で、複雑で深い味わいのワインを生む。対して後者はブルゴーニュの最
高級品種。単一で用いられ、きめ細かい味わいのワインを生み出す。白ワインで
は、ドイツの主力品種でさわやかな果実実と豊かな酸味を持ったワインを生むリ
ースリング、世界的な白の辛口名醸ワインを生み出すシャルドネが代表格だ。
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色  品 種 特 徴    
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赤 カベルネ・ソーヴィニヨン ボルドー地方の代表的高級品種。鮮やかなルビー色で、タンニ
ンがやや強くコクがあり、熟成につれて素晴らしい芳香を放つ
。野菜のような香りが特徴。メドック地区の主力品種。
赤 メルロー やはりボルドー地方の品種。カベルネ・ソーヴィニヨンよりタンニンが少な
く、ソフトでコクのあるワインになる。野菜っぽい香りと、甘
酸っぱいプルーンのような香りがする。
赤 ピノ・ロワール ブルゴーニュ地方の赤ワイン用の品種。カベルネ・ソーヴィニヨンよりやや
淡い赤色。タンニンは少なめで渋味が穏やか。力強い香りと厚
みのある味で、ラズベリーや梅の風味。
赤 ジンファンデル カリフォルニアの品種。やや渋味が多く甘味ののった重いタイ
プのワインになる。本来は少し生臭い感じの香りを持っている
が、最近はそれが押さえられ、飲みやすいものが多い。
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白 シャルドネ ブルゴーニュの品種。芳香高く、熟成につれコクのある辛口ワ
インとなる。オレンジ、グレープフルーツ、桃などの果実味が
するのが特徴。シャンパーニュの主力品種でもある。
白 ソーヴィニヨン・ブラン ボルドー地方とロワール地方の、辛口の白ワイン用の品種。い
きいきとしたフレッシュな酸味があり、キレのいいワインにな
る。青草や野菜のようなさわやかな香りが特徴。
白 リースニング ドイツの代表品種。造り方で甘口からシャープな辛口まで様々
なタイプのワインになる。青リンゴやパッションフルーツのよ
うな甘い香りに加え、ビニールのような香りがする。
白 セミヨン ボルドーの品種。多くはソーヴィニヨン・ブランとブレンドされる。また
貴腐ワインの品種出もある。辛口から極辛口まであり、メロン
、バナナ、セメダインの様な香りがする。