A各地紹介



  1. Antwerpe[アントワープ]
  2. 1998年02月17日(火)
  1. Liege[リエージュ]
  2. 1998年02月16日(月)

特集・Benelux紀行
 また懲りずにhalf termがやってまいりました。今回は2月14日(土)〜22日(日)の計9日間でした。前回のChristmas Holiday、前々回のhalf termはほとんど所持金をセーブしていましたので、今回ばかりは自分にご褒美と『リフレッシュ旅行』と題してBelgiumとLuxembourg(この2カ国とHolandをBenelux地方と称します)に行ってきました。そこで今回から数回に分けて私の旅の報告をしたいと思いますので、暇でしたら『地球のハマり方』を片手に取って読み流してくださいな。


●Vol.1,Luxembourg入り●
 一週間前から続いている風邪が治らないまま、出発当日を迎えました。2月13日(金)晴天。3日分の衣類(少ないですかね!?)の入った鞄を背負って16:30発のCheltenham発London行きのcoachに乗車、そして22:30発のcoach『EUROLINES』にてBruxellsへ。今回私は宿泊費をウカせようと夜便を選んだのですが、これが仇となりました。発車直後「さぁ、寝ようか」と思いきや、0:30にDoverに到着し、出国手続きとフェリー乗船でcoachから強制下車となりました。ただでさえ風邪のために体力が衰えていたので、睡魔が常時私を襲っていました。本当ならば感動の「Calais[カーレー]in France」だったのに、今回の私にはそんな感動さえ伝わりませんでした。今回のフェリーは満員御礼のようでした。さすがhalf term!! 船内のレストランもなかなかの繁盛ぶりでした(さすがに私には食欲さえありませんでしたが)。2:00にU.K.を離れ、時差を1時間戻し2:15にCalais着。ここでも入国審査で再び下車させられました。Calaisの国境警備隊がマシンガンを構えて立っているのを見てブルっと来ましたよ!!まぁ、私たち日本人はパスポートの表紙を見せるだけで素通りできますのであっけないものでしたが。そしてBruxellsまでノンストップ…。

 2月14日(土)晴天。定刻にBruxells北駅に到着。降りてみれば、それは寒いこと寒いこと。まだ日の出前でした。3年以上前から大々的な工事を行なっているBruxells北駅は今もなお工事中でした。半年英国にいる私なので、そびえ立つ高層ビルには驚かされました。その景色は日本の新都庁周辺並みの「ビジネス街」的装いで、新宿歌舞伎町や香港で見られるような「ド派手な商業看板」はまったく見かけられませんでした。真冬の早朝の「ビル風」が身体に凍みたひと時でした。

 事前にドイツ人の友人Clemensから聞いていたトクトク切符(国鉄時代の表現かな?)『GO PASS』を1,420ベルギーフラン(以下BFとします)(=\4,828)でゲットしました。この切符はBelgium国内の国鉄(正式には日本で言うJRに相当)に10回まで自由に乗車出来るといったフリー切符で、1st用と2nd用がありました。26歳以下の方が購入できるとか。でも何も証明することナシに購入できたのが現実でした。

 8:25発のIC(Inter City・・・日本で言う特急なのですが、特別料金を支払う必要は有りません)に乗り込みました。列車内はBelgiumをはじめ全ヨーロッパのレールの幅が標準軌(日本の新幹線と同じ幅)なのでゆったりとしていました。ほとんどの列車は1st classと2nd classを連結していましたが、私は当然ながら2ndしか乗れないタイプを購入(1st料金は2ndの1.5倍、しかし西欧の2ndは日本のグリーン車なみのレベルなので本当にくつろげました)しました。しばらく田園風景を眺め…この日もそうだったのですが、ほとんど晴天に恵まれたので、景色は最高でした…地元の小学生の団体と戯れながら約3時間、国境を再び越えLuxembourgに着きました。

 Luxembourgは神奈川県大の面積という小国なのですが、昔から鉱業が盛んで、隣国のGermany、France、そしてはるばる(でもないけれど)Italyなどから出稼ぎが多く流入したとか。現在も産業が盛んで裕福な国でいます。11:25に列車を降り、旅の「お約束」ごとであるInformationへ行き、事前に調べておいたYouth Hostel(以下YHと呼びます)の位置を調べました。Luxembourgは産業の栄えたnew townと、昔ながらの町並が残っているold townに別れていて、駅はnew、YHはoldと離れておりました。しかし街自体はそんなに大きくはないので、徒歩で30分ほどの距離です。途中、『マック』を発見してすこしホッとして(理由は解からないのですが、なぜか異国で見る『マック』に安心感を覚えてしまうのですね。ちなみに『マック』とは『マクドナルド』です)、喫茶店に寄り、13:00にYHにチェックイン。705ルクセンブルク・フラン(以下LFとします)(=\2,397)/泊(4人部屋・朝食付き)でした。今までは「YHは安いが汚い」という偏見を持っておりましたが、BergiumとLuxembourgだけは例外のようです。出会った方が全て口を揃えて言うには「B&B(=Bed&Breakfast)並み」「HOTEL並み」と。これらの国に訪れた場合はYHをオススメしますよ!!

 昨夜は国境越えで睡眠不足だったので早速仮眠しました。夢を見ることなく18:00となり、食事がてら街に繰り出してみました。私の泊まったYHは城壁外の『ボックの砲台』付近と立地条件は申し分のないところでした。この時間帯はちょうど夕陽が沈み、各史跡がライトアップされ始めた頃なので、街全体がオレンジ色に浮かび上がっておりました。途中『ギョーム広場』を抜け『ダルム広場』に入りました。3年前に西欧10カ国強行旅行に行ったときも感じたのですが、西欧ってあらゆる場所に広場があるのですね。石畳の地面に市庁舎もしくは教会が「デーン!」とそびえ立つ光景は英国でも同じです。そしてお洒落なcafeやレストランなどが軒を並べ、世界各国からの観光客がくつろいでいる…日本にこのような広場ってありましたっけ?

 BergiumやLuxembourgはシーフード料理で有名で、様々なお店の前には必ずって言うほど「ディスプレイ」が置かれていました。それは、一畳分ほどの棚に氷を敷きつめて、海老、蠣[かき]、ムール貝、海草、各種フルーツが置かれた「新鮮さ」をアピールするものでした。この日のターゲットは"Blue Mussels(ムール貝)"で、候補店を3つ選び、値段、客入り、雰囲気…で選考して暖簾[のれん]をくぐりました(似合わない表現ですね)。ワインとムール貝の野菜入り白スープ煮、子牛のステーキの英国ではおなじみのチップ付きを注文しました。ワインはムール貝に合うタイプをシェフに選んでいただきました(というよりワイン名がまったく聞いたことのない銘柄でしたので、選ぶことさえ出来なかったのでした)。前菜のブレッドの後にメインディッシュが運ばれました。ムール貝は黒い鍋に「たんもり(こんな表現でよろしいでしょうか?)」盛っておりました。私もこんな性格ですから、何匹の貝が使われているのか数えてみました。途中、周りのお客に笑われながら20分ほど経ったのかな?「122匹」とシェフに報告してスマイルを頂きました。次回注文して果たして同数のムール貝が入っているのでしょうか?ちなみに今回の出費はLF700(=\2,380)でした。

 お金のことが少しずつ出てきておりますが、私は事前に英国の『バークレイ銀行』でBFに兌換しておきました。そして最初の訪問地であるLuxembourgは当然LFなのですが、BFはLuxembourgでも流通しているので、兌換する必要がないのです。従って価値もBFと同様。ただLFはBelgiumでは通用しないところがオチですね。兌換した当時、£1=\205,BF1=LF1=\3.4でした。BF通貨なのですが、これまたややこしい。BF1硬貨、BF5硬貨、BF20硬貨…とあるのになぜかBF10硬貨だけが存在しないのです。だからジュースの自動販売機BF30のコークを買うためにはBF20硬貨1枚とBF5硬貨2枚を入れることとなります(当たり前ですが)。

 2月15日(日)晴天。7:30に起床しシャワーを浴び、9:00に食堂で朝食。今まで英国の『English Breakfast』に慣れてきた私には余りに寂しい朝食でした。ベーコン、ソーセージ、煮トマト…といった「定番」がまったく見られませんでした。朝の食卓を飾るメニューと言えばトースト数枚、有るか無いか分からない薄〜いハム&チーズ、そしてジャム各種とコーンフレークにコーヒー付き。つくづく英国がEUに所属しているのが疑問に思えてきました(笑)。逆に考えれば、ベーコンやソーセージが朝食に出るからEUのリーダー国でいられる訳なのですね(笑)

 10:00にチェック・アウトし、のんびり徒歩で城壁に沿って散策しました。この町は『ペトリュマ[Petrusse]川』と『アルゼット[Alzette]川』の三角洲に栄えたところで、景色が実に素晴らしい。途中、地元の商店に入り『1.5lエビアン』LF26(=\89)を購入。しばらくペトリュマ川沿いに歩き、丘に上がり『憲法広場』『郵便局(当日休み)』『日本大使館(雑居ビル2階)』等を廻りました。

 13:00にルクセンブルク市博物館[Musees de l'Etat]に入りました(LF150(学割))。ここの博物館のウリは「ハイテクノロジー」ということで、至るところにパソコンのモニター(タッチパネル型)が置かれているという、ビジュアル的なMussesでした。私が個人的に気に入ったものが、建物の中央に位置する大きなエレベーターです。10畳程の「箱」の側面は四方全てがガラス張り、うち二面は建物の外の景色が見えるような配置で、下方の古い町並を楽しむことが出来ました。最後にここを訪れた日本人の記帳を読んでみると、誰も展示物のことには触れず、「ハイテク」さの感動を訴えていました。日本人らしいですね。

 その後『王宮』『ノートルダム大聖堂』『ギョーム広場』『ダルム広場』を抜け、昼食がてら地元のパン屋『An Der Bakes Sarl』(よく名前を覚えていましたねぇ)にてクロワッサン等を購入、近くの公園にて食べました。LF39(=\133)で済んだランチでした。美味美味。

 19:00には前日に目を付けたイタリアンレストランに行き、ピザを注文しました。ここの店は、ピザ生地をお客の見えるところでクルクルっと回すアクションが見られたので面白かったです。本日の駄作(キャッチ・ミスや生地が破れる等)は残念ながら(?)見ることは出来ませんでした。もちろん味も最高でした(計LF700=\2,380)。

 2月16日(月)曇り。6:30に起床しシャワーを浴び、7:30にお馴染みの朝食。今回は持参した携帯味噌汁(一食分にパックされた、日本から郵送していただいたモノ)で食卓に賑わいを見せよう(?)と用意してきました。う〜ん、お袋の香りぃ…(^_^)。今回のYHには意外なことに他の日本人の姿は見られませんでした。ちょっと駅から離れているからかな?そして8:40にチェック・アウト、最寄りのバス停から『9』に乗ってLF40(=136)を払い、Luxembourg駅へと向かった私なのでした。


●Vol.2,Buluxell入り●
 今となっては夢幻のBenelux。本当にそこに行ったのかは、手元に残った各種チケット&リーフレット、私の重た〜いシステム手帳に記された日記、そして減ってしまった預金残高が証明してくれました(笑)。前回同様、私事の勝手気ままな独断偏見の旅行記第二弾です。

 2月16日(月)曇り。英国のCheltenhamを離れて3日目が経ちました。YHを離れ、バスに揺られて15分、懐かしのLuxembourg駅に戻ってまいりました。正式駅名は『GARA』。規模はJR八王子駅並(もちろん駅ビルはありません)かな?2両編成のかわいいローカル列車から10両以上連なった長距離列車まで、各種車両がホームに停車していました。駅コンコース内の電光掲示板を見ると、まぁ、なんて国際色豊かな行き先なのでしょう!! ローマ、ベニツィア、ウィーン、ブタぺスト、ミュンヘン、ヘイデルバーグ、フランクフルト、コペンハーゲン、パリ、ニース…こんな大衆的(といったら失礼かな?)な駅から頻繁に国際列車が出ているのだから、島国日本&島国英国から訪れた私にとっては新鮮かつ斬新な光景でした。

 感動しすぎて現実を少し忘れかけていた私、我に戻って乗車券を購入しました。事前に購入した『GO PASS』はBelgium国内専用なので、国境までは別途乗車券を購入しなくてはならないのでした。…でも初日にLuxembourgに列車入りした時は乗車券を購入しなかったなぁ。だって車内検札に来ないのだから、精算ができなかった訳でありまして…決して『キセル』目的の確信犯ではないゾ!!(とムキになってしまう私)。…「まぁ、小国だからそんなに出費する必要はないだろう」と窓口に並び、国境の駅『Gouvy』までの2ndクラスを購入、LF510(=\1836)?LF510(=\1836)!?LF510(=\1836)(驚)!? ちょっとそれはボリすぎとちゃう?思わず駅員に問い正してしまいました(笑)。しかしLF510は正確な料金でした。これは後で地図で確認したのですが、Luxembourgは確かに小国にも関わらず、形は三角形に写るかな?私の使用した路線はまさに底辺から頂点までの最長距離路線だったようです。先日に利用した路線だったら数百円の出費で終わったのに(;_;)。今回は小国内での長距離旅行(!?)となりました。

 定刻10:10に列車はホームを滑り出し、すぐトンネル、左下に今朝までお世話になっていたYHの真上を鉄橋で渡り、目的地はBelgiumのLiege[リエージェ]。今回はあえてローカル線を選んでみました。だから本数は2時間に1本というアクセスの悪さ。やはりJR相模線とは格が違うぜ(勝ち誇り)。しばらく走ると、車内検札が回ってきました。この車掌さんは嬉しくも、私に好意的に接してくれ、最後には彼の帽子を借りて記念写真!フランス語だったのでまったく会話になりませんでしたが、楽しかった一時でした。山間を川沿いに走り、時たま積雪を見ることができるといった車窓。この路線のウリは車窓の良さでしょうか?大自然の中を走り抜ける景色は最高でした。窓を開けると冷たいけれど、新鮮な酸素が流れ込んで気分爽快!! 今回は車内で昼食タイムを迎えるので、事前に購入しておいたサラダセットと手製のサンドイッチで空腹感を取り除きました。この日に限らず、今回の旅行の昼食のほとんどは手作りのサンドイッチ持参で安く済ませました。

 11:10頃に国境越え。といっても別に鉄格子やドズ黒い壁があるわけでもありません。私も車窓から必死に探したのですが、どこにもそれらしき物体を発見することができませんでした。国境駅『Gouvy』の駅看板のスタイルがLuxembourgと異なっていたから初めて気付いたとも言えます。

 12:34Liegeに到着。1時間ほど街散策をし、13:46発のIC[インターシティ]に乗車しました。この列車はドイツのKoln発ベルギー海側のOostende[オーステンド]行きの国際列車で、しかもベルギー国鉄所属の車両のために、清潔感溢れる高級車両でした。車内販売も行なわれているし、「本当に『GO PASS』で乗れるのかな?」としばらく半信半疑していた私。

 14:52Buxells中央駅に到着。3日前に来ただけあって、何も変化していませんでした(笑)。駅前には『CITIBANK』がドスンと構えていて、気持ちホッ(笑)。地理も方向も把握済みの私、一目散にYHに向かうのでした。

 15:10にチェック・イン。4泊5日分の宿泊代とシーツ代全額BF2525(=\9090)を一括で支払ってスッキリ。やはり必要経費は早めに支払っていたほうが後々気が楽ですよね(私だけだろうか)。今回の部屋はバンガローチックの洋風作りの二人部屋でした。前回同様、ここも清潔感溢れる「YHとは思えない」YHでした(何のこっちゃ!?)。話はかなり脱線しますが、日本での私の自宅付近にもYHがあるのですが、一度も使ったことがないので、その存在が気になっていたところです。帰国後、利用してみようかなぁ…。

 さぁ、街に繰り出すかぁ!! …生活基盤を築きに(!?)。私は中長期滞在する場合は、初日にその街の地理を理解し、格安のスーパーを発見することから始まります。早速Infomationへ行き「大衆的なスーパーを教えて下さい」と請いました(笑)。今回私が足場とした(?)スーパーは『AD DELHAIZE(住所 63 Boulevard Anspach - 1000 Bruxelles / TEL:02-512-8087)』。英国でいう『TESCO』、日本でいう『ダイエー』のような感じでしょうか?生鮮食品から加工食品、雑貨から酒、チョコレート各種まで手頃な値段で揃っておりました。また、これは後に発見したのですが、『AD DELHAIZE』の西側に中華街(そんなに大々的ではないが、いくつかの中国系スーパーやレストランが集まっている)があり、そこも格安でいろいろと手に入れることができました。嬉しいことに、日本製品もそこそこ揃っておりました。こういう情報も『地球のハマり方』に掲載すれば便利なのにね。日本人の中には私の様な『貧乏セコセコ旅行』を強いられる方もいるだろうに(笑)。

 『AD.D』の白色のビニール袋を両手にぶら下げてYHに戻っていた途中、一つの人ダカりを発見。「何かなぁ?」と皆様の目線に私も合わせて見ると…。おおっ!?これが有名な『小便小僧』かぁ。身長約30cmほどの石像からタラタラ流れ出る水…まさしく『小便小僧』だ!! まさかYHまでの「通学路」にあるなんて!? …感動しました。今回の彼はオールヌードでした。というのも、日によって様々な衣装を身に付けることで有名なのですから。以前「金太郎」バージョンがあったとかで嘆いていた日本人に心覚えがある私でした。そういえば、JR山手線の品川駅のホームにも彼がタラタラ出していた記憶が…。

 この日の夕食は『AD DELHAIZE』で仕入れた食材と、take away(=テイクアウト)したハンバーグ&チップで済ませました。何と安上がり、かつ、ボリュームたっぷり何でしょう(笑)!! この機会に(缶ではあるが)ベルギービールにも挑戦してみました。やっぱり本場、適当に選んだ銘柄でも美味しかったです。

 今回持参した衣類は三日分。初日に家から来てきた分を合わせても四日分。そろそろかな…とやってきましたここは憩いのコインランドリー(今回利用したYHには洗濯場とキッチンがないので、それだけが不満のタネでしたね)。YHから徒歩3分ほどの立地の良さでした。ただ、利用時間が原因なのかは分からないのですが、団体のユダヤ人がほとんどの洗濯機と全ての乾燥機を独占していたので、思った以上に時間を費やすハメに。小1時間ほどと思っていた洗濯に倍時間がかかるとは…(;_;)。部屋に戻ってすぐに布団に入る私なのでした。

 2月17日(火)曇のち晴。6:30に起床するのはつい仕事時の自分が出るから(笑)。7:30にYH一階の食堂にて朝食。5枚のトースト・フレーク・コーヒーと、やはりベーコンが出ない。もう一枚トーストを追加…むなしい。

 9:29に中央駅にて快速列車に乗車、本日の目的地はAntwerpe[アントワープ]です。10:14に到着するほどの近さです。Antwerpe中央駅に降り立つと、現在は大規模な修復が施されていますが、駅の建築物の迫力に驚かされました。ちなみに駅の東はなぜか動物園です。

 ここはBelgium第二の都市で、工業&商業が盛んで、特にダイヤモンド技術は世界的に屈指のモノを持っております。街中にはトロリーが引っ切りなしに走っていましたが、そんなに街が広いわけではないので、徒歩で移動することにしたボクなのでした。


●Vol.3.バロック芸術の町、Antwerpen●
 …最近『DIs-Com』に掲載する余白のない為に、今回まで先送りにされていたこの旅行記。旅行後すでに4カ月も経過していますね(笑)。さぁ、前回はLuxembourgからBelgium入りしたところまで書きましたよね?その続編です。…やっと『芸術』分野に触れることができました。これがこの旅行のメインだったのに…。

 偉大なる画家、ファン・アイク、ブリューゲル、ルーベンス。彼らは、独自の確立された作風を現代に多く残しました。そして、ここAntwerpen[アントワープ]は、ルーベンスゆかりの地として有名です。ルーベンスは、イタリアで古今の作品を研究しAntwerpenに帰り、多くの弟子を集めて大成しました。宗教画から風俗画まで、生の喜びに満ちあふれた作品を描いて、バロック最大の画家といわれています。

 10:41、Antwerpen中央駅のホームに降り立ち、1階ホールへ降りていく階段に差しかかった時、思わず足を止めてしまいました。古色蒼然とした建物、「これが駅!?」と思えるほど堂々としたホール。しかし1階では、切符の売っている窓口や小さな売店があり、なるほど納得。それにしても、入り組んだ階段と見事な装飾が施された手すりや柱…。振り返ると半円型の大きなステンドグラスが艶やかで、まるで前世紀の劇場か博物館のようでした。

 中央駅を出て、西方向に伸びるメインストリートDe Keyserlei[ダ・ケイゼルレイ]はこの街の盛り場。テラスの美しいCaffeやDisco、生のJazzを聴かせる店が軒を並べています。そのままMeir[メール]通りに入り、Gloen Plaats[フルン広場]を横切りながら進むと、前方にO-L-V-Kathedraal[ノートルダム寺院]の塔の先端が見えてきました。この寺院は、1352年から建築し始め、その後何度も増築を重ね、1521年に現在の様式になったとか。60BF(\204)で入場すると、建物の中の広さに圧倒させられました。さすが増築に増築を重ねたことだけあります。ここにはたくさんの著名な絵画が展示され、ルーベンスの大作『十字架にかけられるキリスト』『キリストの降架』『聖母被天昇』もここにあります。この3作品にはネロ[『フランダースの犬』の主人公の少年の名‥‥『♪夜明けの道を〜パトラッシュと歩ぅ〜いたぁ〜』と思わず唄ってしまう私…(笑)]が見たがっていたというエピソード(?)までもが残っています。ただ、この物語は現地ではそれ程有名ではなく、現地には日本で最近映画化された『フランダースの犬』の日本語版アニメポスターが数カ所で貼られていました。…さては日本人観光客狙いだな!?

 「確かこのあたりにInformationがあったよね?」とたどり着いたのがStadhuis[市庁舎]。横広く建てられた厳かなそれにはたくさんの掲揚柱が備え付けられていました。シーズンになると、この柱にベルギーや世界各国の国旗が掲揚されるらしく、それは町中のキヨスクで売られている絵はがきで確認できました。が、今は冷たい風の吹く2月、一つたりとも国旗はありませんでした。寂しい…。

そのまま西へ進むと『肉のギルドハウス』という赤茶色の煉瓦の建物に遭遇、そのまま歩くとSchelde[シュヘルド川]にでました。何の特徴のない、岸壁が整備された、日本でもよくありそうなその光景に少し落胆。そこに10〜16世紀まで『ステーン城』として使われていた要塞の一部を利用した『国立海洋博物館』があります。その要塞はかつて、500年に渡り、牢獄、処刑場としても使用されていたとか。現在は館内に帆船や期選の模型、航海道具、海図などが展示されております。入場料75BF(\255)。

 ただ今12:00。かなりの空腹ムードでしたので、休憩場所を探したのですが、これが結構苦労しました。前回述べましたが、少しでも出費を押さえるために、事前にスーパーで購入しておいた食材使用の、サンドイッチやサラダ等の弁当を今回も持参して来たのでした。従って、できるならば公園等の公共休憩場所を利用したかったのです。が、この日の天候は少し雨がパラつく寒い日でしたので、屋根と壁がある場所を探すハメに。…探してみればあるものですね。市庁舎から細い路地を少し入ったところにtake awayのチップス屋がありました。そこのお店の隣には、take awayのお客様用の席が備え付けられていました。私は出来立てのチップスを70BF(\238)で購入、寒さを凌いで快適に腹を満たすことができたのでした(^_^)。

 本日のメインはブリューゲルの『狂女フリート』に出会うことです。街の反対側に位置する『Mayer Van den Berg Museum[マイヤー・ヴィンテンベルグ博物館]』にそれが展示されているということなので、徒歩で移動しました。ちなみに、街中ではメトロ[市電]が発達しているのですが、今回の移動にはそんなに利用する距離でもないと、全て徒歩と決めていました。この美術館は1880~1901年にかけて、貴族のVan den Berg[ヴィンテンベルグ]が熱狂的に集めたコレクションを収蔵した、ベルギー屈指の私設美術館です。『狂女フリート』は、彼がドイツのノミの市でタダ同然で手に入れたといいます。BF100(\340)でした。

 この美術館の近くに『Rubenshuis[ルーベンスの家]』があります。彼が30年間住んでいたバロック様式のそれは、1611年から5年かけて築き上げたアトリエ兼住居でした。彼は画家としての才能ばかりか、7カ国語を自由に操り外交官としても活躍したとか。ここには調度品ばかりでなく『楽園のアダムとイブ』などのスケッチや彼の残した数少ない自画像など、絵画10点ほどが展示されております。レザー張りの壁画装飾も素敵でした。

 再びMeir通りに戻り、ちょっとお茶しようと見つけた『ハーゲンダッツ』。ここで注文したのがコーンのラムレーズンとポットティー、計BF210(\714)でした。私は日本でハーゲンダッツの専門店(?)に入ったことが希だった為、ポットティーを注文すると、多種多様のティーパックがテーブルに置かれることなど知りませんでした(ベルギーだけでしょうか?)。トロピカルティー、マンゴティー、バニラティー、ピーチティー、ココナッツティー、ウーロンティーなど。色々と試した結果ですが…やはり普通の紅茶が一番無難でした(笑)。

 ところで、Antwerpenが世界一のダイヤモンド取引の町であることをご存じでしたか?今までは安全確保のため、その事実は秘密になっていましたが、実は、世界のダイヤモンドの70%以上が、ここで研磨され、Antwerpenの専門業者を経て世界中へ輸出されているそうです。ただ、ダイヤモンド街は原則として専門業者しか入れませんが、私たちのような観光客は『ダイヤモンドランド』にてお目にすることができます(入場無料)。ここではダイヤモンドの研磨作業や4C(カラー、カット、カラット、クラリティ)と鑑定書、透明度と評価などについて学ぶことができます。ただ、それを購入するには至りませんでしたが(笑)。一応、外国人は免税ですので、富豪の方は一度ご利用なさっても宜しいかも。

 1997年12月14日(日)、ベルギー・フランス間に鉄道新線が開通し、TGV、Euro Starに続き、『Thalys[タリス]』が新車両となって『新幹線化』しました(『Thalys』はEuro Starの赤紫色版で、Paris〜Brussel,Amsterdam,Keulen等を結びます)。その新線の開通によってLondon〜Brusellの所要時間が3:15→2:40に短縮されました。さすが今回利用することはありませんでしたが、次回ベルギーを訪れる際には是非利用してみたいですね。


●Vol.4.『天井のない美術館』、Brugge●
 『天井のない美術館』…「これはまた変わった表現をするものだなぁ」と『地球の歩き方』を読み、感心してしまう私。しかし一度その町並を脳裏に焼き付けてしまうと、そう言われる理由に納得できるほどの魅力的なところでした。今回も『美』を求めた旅をしてきました。場所はBrugge[ブリュージュ]。

 2月18日(水)、前日と同様、6時半に起床、シャワーを経て、YHの食堂でフレークとトースト3枚といった軽い朝食。8:15にYHから徒歩3分のところに位置するChapel駅から列車に乗車しました。

 9:52、定刻通りにBrugge駅に降りました。ここもBelgium[ベルギー]を代表する街の一つ、近代的な駅舎な一方、観光地でもあるので、構内にレンタサイクルも見受けられました。何て便利な駅なのでしょうか! …もし、平民レベルの所持金があれば私もそう思っていたでしょうに(笑)。

 駅前広場の前の運河を渡るとそこからが旧市街、石畳を踏み締めながら『Minnewater[愛の湖]へ。…まぁ、定番の白鳥がプカプカ浮いているごく普通の池だったのですが(笑)、そこから北の方角には『Begijnhot[ベギン会修道院』のトンガリ屋根がひょっこり頭をだしております。1245年創立の修道院で、現在は、ベネディクト派の美しい尼僧たちが1日6回の礼拝へと秩序を守りながら歩くのが見られるそうです。団体客の群がっている入り口付近には『Begijnhuisje[ベギン会の女性達の住まい]』のあったそうで、当時の女性達の暮らしぶりが伺えるとか。…ツアー客の後ろをついていけば隈無くBruggeを満喫できたりして(笑)。

 小さな運河をいくつか渡り、馬車が頻繁に走る石畳を更に進んでいくと、またまたドでかい建築物に遭遇、それが『Memling Museum[聖ヨハネ病院とメムリンク美術館]』と『O-L-Vrouwekerk[ノートルダム寺院]』。その裏に位置するのが今回の目的である『Groeninge Museum[グロウニング美術館]』です。そしてそこにはボッシュのフランドル絵画があるのでした!! BF150(大人、\510)でした。

 芸術鑑賞すると不思議と時間の流れがゆっくりになりませんか?…そして、その時間の流れを崩壊させる『空腹の叫び』と呼ばれる重低音(笑)。時計の針は12:30を指していました。場所を町の中心『Markt[マルクト広場]』に移し、ベンチで例のランチ…今日もサンドイッチ持参です。…迷子になってもこの広場に立つ鐘楼『Belfort[ベルフォールトの塔]』を目印にすれば戻ってこられる…ほどノッポな塔が私のベンチの真後ろにそびえ立っていました。昼休み後の、再び入場可になることを狙って13:30に昼食を済ませました。BF100(\340)で塔に登り始めた私…途中から階段が一人がようやく通れるほど狭く、そして急勾配になり、横っ腹を押さえる私。15分ほどかけて登ったのでしょうねぇ…14:00には鐘の音を頭上2mで聞くハメとなったのですから。

 鐘楼での疲れ(?)を癒すべくCafeでBF70(\238)のコーヒーを飲み、Hoog StreetとLange Street等を抜け東へ進んだ私。…Bruggeは運河に卵型に囲まれた町で、町と外部を結ぶ橋には城門が多く残されております…。その城門の1つにたどり着き、今度は運河沿いに歩いてみると、風車に遭遇しました。18~19世紀には30台のそれがあったそうですが、現在はほんの数基だけが当時の様子を物語っています。私の目にした『St.Janshuismolen[聖ヤンハウスの風車]』は1770年から1914年まで使用されていたという『ブルージュオリジナル』な風車です。実は1964年から再び稼動しているのでした。

 再び運河沿いを南下、途中『St.Magadalenakerk[聖マグダレーナ教会]』を通り、16:25発のIC[インターシティ]の待つBrugge駅へ戻るのでした。

 17:21にBrussellsに戻り、昨日のスーパーマーケット『A.D.DELHAIZE』で食料&ビール購入(BF182.8(\621.52))し、YHに帰宅しました。