夏の釧路湿原をゆく(4)


1)湿原を歩こう(その1)(8月20日午後)
トーさんのガイドで温根内ビジターセンターの木道を散策しました。ここの木道は環境庁ご自慢のもので、1mが二万円したそうですが、バリアフリーになっており車椅子の方も散策可能です。谷地眼(ヤチマナコ)は、小さい水溜りのようですが、深さを備え付けの棒で測ると2m以上ありました。表面は1mくらいは水が溜まり、その下は湿原植物の未分解産物(気温が低いので腐敗しない)が溜まり、さらに下は泥炭状の柔らかい泥の、いわば底無し沼状態をいいます。少し離れた涌き水には、可愛いニホンザリガニがいました。今は北海道と東北の一部にしか、生息しておらず始めて見ました。食用カエルの餌として輸入したアメリカザリガニのウイルスにより個体数が減少しているようです。最近問題化しているブラックバスといい、自ら日本の貴重な自然を破壊しているのは悲しい気がします。

深いヤチマナコ 可愛いニホンザリガニ

温根内木道の野の花をどうぞ(*^_^*)どれも綺麗だしたよ。

ミゾソバ エゾミソハギ


クサフジ エゾノコギリキク


サワギキョウが満開でした。タヌキモ、トキソウはすでに時期を過ぎていました。モウセンゴケはしっかり見ました。もうひとつ惜しくも時期を過ぎたはホタルの乱舞です。なんと釧路湿原にはホタルがいるんです。そうそう、エゾシカの通った跡がありました。ノビタキが鳴いてました。

満開のサワギキョウとアゲハ蝶 温根内木道のHATA家の面々


湿原には唯一の木「ヤチハンノキ」やキタヨシ(=葦、北は良しということ)が生い茂っています。「人間は考える葦である」とはパスカルの言葉ですが、キタヨシは確かに賢いです。 風が吹くとそれに逆らわず、揺れるようにみえますが、本当は葉は根元から回転して風下に葉を向けます。葦もなかなかありませんが、機会があれば観察して下さいネ。HATA家の面々は大満足で、コッタロ湿原を途中で眺めて細岡大観望に向かいました。ちなみに、コッタロとは「涌き水の池がある場所」というアイヌ語です。特に水が多く釧路湿原の原風景といわれます。

温根内の低層湿原 コッタロ湿原



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