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設計
Alvar Aalto

所在地
Hallitukatu 9 Rovaniemi,Finland

用途
図書館

竣工
1968年

参考ウェブサイト
WILD AND FREE Travel information on Finland - Congress serveces - ROVANIEMI

ロバニエミの図書館・図面

参考文献
建築文化1998年10月号(彰国社)

文責
ダミカ

作成日
19991106

最終更新日
20010104

ページは追記・修正があったときに随時更新しています。

フィンランド目次

Rovaniemen kirjasto
ロバニエミの図書館

北極圏まであと8kmという厳寒の都市、ロバニエミ。第二次世界大戦時は戦場となり破壊された街でもある。戦後1944年から、アアルトよって都市復興計画「トナカイの角計画」が立案された。これはトナカイの角のように枝分かれした街路と特徴的な形態を持つ住居地域を計画したものであったが、非現実的な部分もあり、一部分しか実現にいたらなかった。1958年に再びアアルトはロバニエミの都市計画を作りなおす。そして現在のロバニエミの行政・文化センターが形成されたのである。これは車が排除された広場を、市庁舎、図書館、劇場で取り囲んだ形式を取っており、まず最初、1968年に完成したのが、この図書館である。

アアルトデザインのイスに深々と腰掛けて、皆さん熱心に読書中。フィンランドの人は大変熱心に図書館を利用する。私がこの図書館を訪れたのは平日の夕方であったが、子供達に混じって、お父さん、お母さんたちの姿も多く見られた。 厳寒の地であるゆえ、どうしても長くなる室内生活のストレスを解消するために、人々は公共施設へ出かけるそうである。このように、フィンランドにおいて市民生活と図書館は密着しているだけに、アアルトはフィンランドの建築家としての責任感を持ってこの図書館を設計したとのことである。

アアルトの図書館の設計手法として「ファン(扇)・モチーフ」・「窪み」というものがある。閲覧室は扇の形態をとり、その扇の半径の中心部分に、カウンターが設置され、読書机は一段下がった窪みに形成される。つまりカウンターからは閲覧室全体を見渡せ、1m程下がった窪みにある読書スペースでは、カウンターのにぎわいをさほど意識せず過ごせるのである。(写真左側/カウンター・右側/読書スペース)

ハイサイドライトからは、高緯度地域特有の低い角度から差し込む太陽の光が入る。そしてその光は壁に当たり、やわらかい反射光となって手元に落ちる。

真冬の太陽が登らない季節に対しては、洗練されたデザインの照明器具が対応する。だが決して目障りな位置には設置されていない。

地階クローゼット。今回このクローゼットは使われていなかったが、フィンランドの公共施設にはかならずクローゼット及びコート掛けがある。じっくり腰をすえて読書を楽しめる。地階ではレコード・CDの貸し出しをやっている。

フィンランドの公共施設の特色をもう一点挙げるとすれば、無料でインターネットを楽しめる設備が整っていること。これは大盛況で、大人も子供も順番待ちといった状況。

北欧は大変木材が豊富で、豊かなデザインの家具・什器が作られている。そしてロバニエミの人々が図書館で快適に過ごしているのを見ていると、アアルトのすぐれた設計手腕と細やかな配慮、そしてフィンランドに対する想いを感じることができる。

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