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第52回カンヌ国際映画祭記念 カンヌのう・わ・さ


最終更新日:99.05.24

●第52回カンヌ国際映画祭 ●第51回カンヌ国際映画祭(produit par ひつじのシネマ新聞)

●SITE OFFICIEL DU FESTIVAL DE CANNES

 

出ましたね、結果(99.05.24更新)

フランス時間23日夜、ついにカンヌも閉会のセレモニーをむかえ、オフィシャルの各賞が発表されました。ここでもさらっと結果をお伝えします。

パルムドール(Palme d'Or):ROSETTA(リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ兄弟)<ベルギー>

グランプリ( Grand Prix du Jury):「ヒューマニティ(映画祭での邦題)」L'HUMANITE(ブリュノ・デユモン)<フランス>

審査員特別賞(Prix du Jury):LA LETTLE(マノエル・デ・オリヴェイラ)

男優賞:エマニュエル・ショッテ L'HUMANITE(ブリュノ・デュモン)

女優賞:セヴリーヌ・カネル L'HUMANITE(ブリュノ・デュモン)、エミリー・デゥケンヌ ROSSETTA(ダルデンヌ兄弟)

脚本賞:MOLOCH(アレクサンドル・ソクーロフ)<ロシア>

監督賞:ペドロ・アルモドバル TOUT SUR MA MERE

カメラドール(初監督作対象):MARANA SIMHASANAM (Murali Nair)

高等技術院賞:「始皇帝暗殺」チェン・カイコー

短編部門のパルムドール:WHEN THE DAY BREAKS

短編部門の審査員特別賞: So-Poong (Song Ilgon ) Stop ( Rodolphe Marconi)

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なんかうれしいですよ〜。「イゴールの約束」のダルデンヌ兄弟、「ジーザスの日々」のブリュノ・デュモンと、とっても好きな作品の監督の新作がそれぞれパルム・ドールとグランプリを受賞したなんて。女優賞、男優賞もこの2作品から。「ヒューマニティ」のエマニュエル・ショッテ、セヴリーヌ・カネルともに映画はこれがはじめてのほぼ素人さん。またROSETTAで女優賞をタンデム受賞した18歳のエミリー・デゥケンヌも映画初登場。

上の方の賞をセリフがフランス語の映画がことごとく占めるという意外な結果(少なくとも私にとっては)になりましたね。グランプリに輝いた「ヒューマニティ」は本年のフランス映画祭横浜でも上映されます。

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まだまだあるでー、カンヌ情報サイト(99.05.20更新)

カンヌ映画祭もたけなわ、巷には情報もあふれておりますが、やはり仏・英語のサイトのダイレクトな情報は、漁報家のみなさんにはたまらない魅力ですよね。語学力には自身がなくても、今日上映されたのはこんな映画、●●●は今年はこんなドレスで登場したのね、とかマルシェにはこんな意外な人もやってきた!とか、眺めてるだけでも楽しめるもの。

自他ともに認める“世界一の映画のお祭り”だけに、たくさんの新聞、雑誌、Webマガジンなども独自のカンヌ映画祭特集ページを制作し、トータルすれば膨大な量の情報を提供しています。ここに一部ご紹介しますので、漁報家のみなさんはとりあえずひとつづつクリックしていってください。(リンク先は5月20現在は見ることができるものについてです)

Yahoo! Liberation Le Monde Canal Plus Premiere

Festival des Films Variety Film Scout Film.com

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シネ・フォンダシオン部門(99.04.29更新)

大学、専門学校などで映画作りを専攻している学生の中・短編(卒業制作等)が対象のシネ・フォンダシオンは昨年98年に創設されたばかりの部門だが、定着するにつれ年々注目を集める部門になってくると思われる。というのもこの部門で第一席の成績をおさめると、その監督が長編を制作したときにカンヌ映画祭という最高の舞台で上映してもらえるというすごい特典があるのだ。39カ国412作品の応募作のなかから選りすぐられた今年のエントリー作品は19本。

日本からは日本大学芸術学部大学院在籍中の山崎達璽さんが監督にあたった平成9年度の同校の映画学科の卒業制作、"YUMEJI NINGYO(Doll of Dreams)"『夢二人形』がエントリーしている。大正時代の画家・竹久夢二が晩年の一時期に執着した「人形作り」の謎に、虚実を織り交ぜた独自の解釈で迫った作品で、美しいモノクロームの画面で大正ロマンと夢二の世界を表現した本格的な中編。審査員の評価がたのしみ。

●出品作(在籍校名は割愛しました)

- ヌInter-viewネ Jessica Hausner(オーストリア)42分

- ヌGermaniaネ Kris Krikellis(ギリシャ+ドイツ)22分

- ヌEn God dag at goネ (Little Big Dog) Bo Hagen Clausen (デンマーク)7分

- ヌYumeji Ningyoネ (Doll of Dreams) Tatsuji Yamazaki (日本)36分

- ヌSecond Handネ Emily Young(イギリス)17分

- ヌRuntネ Jesse Lawrence(イギリス)24分

- ヌCambi e Scambiネ (Changes and Exchanges) Donata Pizzato(イタリア)2分40秒

- ヌLa Puceネ Emmanuelle Bercot(フランス)40分

- ヌDimancheネ Fabrice Aragno(スイス)14分

- ヌBabalonネ (Baballoon) Michal Zabka (チェコ)5分

- ヌDer Linksh穫derネ (The Lefthander) Youri Kuzin(ロシア)19分

- ヌThe Executionネ Lee, In-Kyun(韓国)18分

- ヌWojtekネ David Turner(アメリカ)※在籍校はポーランド 12分

- ヌWaxandwaneネ Axel Koenzen (ドイツ)15分

- ヌIm Hukinネ (With Rules) Dover Kosashvili (イスラエル)35分

- ヌThe Clockネ Noah Laracy (アメリカ)13分

- ヌLayoverネ Ko-Shang Shen(台湾)30分

- ヌKed nie, Tak nieネ (If not, so not) Vladimir Kral (スロバキア)3分30秒

- ヌMilkネ Mairi Cameron (オーストラリア)15分

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“監督週間”セレクション(99.04.29更新)

今年で第31回を数えるカンヌの“監督週間”、今年は23本の長編映画が紹介される。創設以来指揮をとってきたピエール=アンリ・ドロー氏より今年から任を受け継いだマリー=ピエール・マシアの初采配によって決定した作品はフランス映画5本、アジア映画5本をはじめ、世界の国々の作品からなるグローバルなセレクションとなった。

5月13日に先頭をきって上映されるロマン・グーピルの "A mort la mort!"から、アンジェリカ・ヒューストンの"Agnes Browne"、スパイク・リーの"Summer of Sam"、フランシス・フォード・コッポラ監督の娘、ソフィア・コッポラ初監督作品 "The Virgin suicides"など、話題作も多い。セレクションのうち8本が初監督作品となり、例年どおりここで見い出される新しい才能も数多いものと思われる。

●“監督週間”上映作品リスト(例によってアクサンははずして表記しましたのでご了承ください)

"A mort la mort!" Romain Goupil(フランス)

"Agnes Browne" Anjelica Huston (アイルランド+アメリカ)

- "The Blair witch project" (Le projet Blair Witch) Daniel Myrick & Eduardo Sanchez(アメリカ)

- "Le Bleu des villes" Stephane Brize (フランス) - 1er film

- "Charisma" Kiyoshi Kurosawa(日本)

- "Les convoyeurs attendent" Benoit Mariage (ベルギー+フランス+スイス) - 1er film

- "East is East" Damien O'Donnell (イギリス) - 1er film

- "El Entusiasmo" (L'enthousiasme) Ricardo Larrain(チリ+フランス+スペイン)

- "Fever" Alex Winter (アメリカ)

- "The five senses" Jeremy Podeswa (カナダ)

- "Haut les coeurs" Solveig Anspach(フランス)- 1er film

- "Heian zhi guang" (Darkness and light) Chang Tso-Chi(台湾)

- "Kiemas" (La cour) Valdas Navasaitis (リトアニア) - 1er film

- "The last september" Deborah Warner(アイルランド+イギリス) - 1er film

- "M/Other" (bien M/Other) Nobuhiro Suwa(日本)

- "Phorpa" (The cup - La Coupe) Khyentse Norbu (ブータン+オーストラリア) - 1er film

- "Qui plume la lune?" Christine Carriere(フランス)

- "Scenery" (Vues) Zhao Jisong (中国)

- "Sud" Chantal Akerman (ベルギー)

- "Summer of Sam" Spike Lee(アメリカ)

- "The Virgin suicides" Sofia Coppola (アメリカ+カナダ) - 1er film

- "Voyages" Emmanuel Finkiel (フランス)

- "Wege in die nacht" (Passages dans la nuit ) Andreas Kleinert(ドイツ)

●中短編作品

- "Maree haute" Caroline Champetier

- "O trouble" Sylvia Calle

- "Le premier pas" Florence Vignon

- "La tentation de l'innocence" Fabienne Godet

- "Un chateau en espagne" Delphine Gleize

- "Un petit air de fete" Eric Guirado

●“監督週間”特別上映

- "The war zone" Tim Roth(イギリス) -1er film

Djibril Diop Mambety(セネガルの映画監督、98年逝去)追悼上映

- "Le petite vendeuse de soleil"

- "Le franc"

 

短編コンペティション部門セレクション(99.04.25更新)

フランス映画祭横浜で昨年のこの部門においてのパルムドール獲得作品「インタビュー」(グザヴィエ・ジャノリ)をはじめ、いくつかの短編をご覧になった方もいると思いますが、短編は長編をとりたい監督の習作などではなく、一つ一つに物語性があり、作品としての魅力があり、センスの結晶です。日本でもたくさんの短編をみる機会がもっともっと増えるといいですね。

フツーの雑誌などではあまりとりあげられることがないため、一見地味にみえる短編部門のコンペティションですが、ここで評価され、のちに長編で成功をおさめる監督さんも多く、才能の見本市でもあります。

今年は韓国勢の3本のセレクトというのが目をひきます。フランスの人気俳優ヴァンサン・ペレーズが監督した作品もエントリーされています。

Husk ( Jerry Handler<南アフリカ>

Billy's balloon (Don Hertzfeld)<アメリカ>

The Picnic (Ilgon Song) <韓国>

An Eternity (Kim Daehyun)<韓国>

Simultaneity (Kim Seong Sook)<韓国>

The cookie thief (Toby Leslie et Hugo Currie) <イギリス>

Stop (Rodolphe Marconi) <フランス>

Rien dire (Vincent Perez) <フランス>

Devil doll (Jarl Olsen)<アメリカ>

Food for thought ( John Paton et Matthew Ross)<アメリカ>

When the day breaks ( Wendy Tilby & Amanda Forbis)<カナダ>

Ruleta (Roberto Santiago)<スペイン>

 

オフィシャルセレクション発表。(99.04.22更新)

ついに本年のオフィシャルセレクションが発表になりました。コンペティション対象作、コンペ外作品、“ある視点”などそれぞれ興味深いセレクションです。いままで噂として出るとか出ないとかいっていた作品の名前もいっぱい入っていますね。くわーしく知りたい人は公式サイトへいってみましょう。今年はアジア圏の映画が例年以上に多くエントリーされています。コンペに登場の北野作品をはじめ日本の作品も各部門にエントリーされていますので、そっちも応援しちゃいましょう。

とりあえずここでもコンペティション作を紹介してみましょう。

●オープニング作品(コンペ対象外)

THE BARBER OF SIBERIA ニキータ・ミハルコフ<ロシア> 3h00

●クロージング作品(コンペ対象外)

AN IDEAL HUSBAND オリヴァー・パーカー<イギリス> 1h40

COMPETITION(表記のアクサンは省略しています) -------------------------------------

TODO SOBRE MI MADRE (Tout sur ma mere)ペドロ・アルモドバル<スペイン> 1h41

LA BALIA マルコ・ベロッキオ<イタリア> 1h46

POLA X レオス・カラックス<フランス> 2h14

L'HUMANITE ブリュノ・デュモン<フランス> 2h28

NOS VIES HEUREUSES ジャック・マイヨ<フランス>1er film 2h25

LE TEMPS RETROUVE ラウル・ルイズ<フランス> 2h31

L'EMPEREUR ET L'ASSASSIN チェン・カイコー<中国> 2h50

ROSETTA リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ<ベルギー> 1h31

FELICIA'S JOURNEY (Le voyage de Felicia) アトム・エゴイヤン<カナダ>1h56

KADOSH アモス・ギタイ<イスラエル>1h50

8 1/2 WOMEN ピーター・グリーナウェイ<イギリス>2h00

GHOST DOG :THE WAY OF THE SAMOURAI (Ghost Dog, la voie du Samourai)ジム・ジャームッシュ<アメリカ>1h51

KIKUJIRO NO NATSU (L'ete de Kikujiro) 北野武<日本>1h56

THE STRAIGHT STORY (Une histoire vraie) デビッド・リンチ<アメリカ>  1h51

GHESSE HAYE KISH (Les contes de Kish) モーゼン・マフマルバフ&アボルファス・ジャリリ&Nasser TAGHVAI <イラン> 1h12

A CARTA マノエル・デ・オリベイラ<ポルトガル>1h47

EL CORONEL NO TIENE QUIEN LE ESCRIBA (Pas de lettre pour le Colonel) アルトゥーロ・リプステイン<メキシコ> 2h00

CRADLE WILL ROCK ティム・ロビンス<アメリカ> 2h13

LIMBO ジョン.セイルズ<アメリカ> 2h16

MOLOCH アレクサンドル・ソクーロフ<ロシア> 1h48

WONDERLAND マイケル・ウィンターボトム<イギリス>1h47

LOVE WILL TEAR US APART YU Lik Wai <香港>(1er film) 1h49

“批評家週間”セレクション。(99.04.22更新)

メイン部門のセレクションよりひとあし早く、“批評家週間”のセレクションがオープンになりました。

今年はアメリカ作品がなく、また例年よくセレクトされているフランスの新人監督の作品もありません。日本のハヤカワワタル監督の作品もセレクトされていますが、この人について、また作品についてなにか情報をお持ちのかた、教えてください。

Siam sunset (John Polson) オーストラリア

Strange fits of passion (Elise McCredie) オーストラリア

Belo odelo (Lazar Ristovski) ユーゴスラビア

Flowers from another world (Iciar Bollain) スペイン

7/25 (Wataru Hayakawa) 日本

Hold back the night (Philip Davis) イギリス

On board (Serdar Akar) トルコ

短編部門の審査員も発表。(99.04.18更新)

第52回カンヌ国際映画祭の短編コンペティション、および映像作家を志す学生たちの作品が対象となるシネフォンダシオン部門の審査員のメンバーも発表になりました。

トマス・ヴィンテンベア(映画監督/デンマーク)※短編部門審査員長

ヴィルジニー・ルドワイヤン(女優/フランス)

グレタ・スカッキ(女優/イギリス)

セドリック・クラピッシュ(映画監督/フランス)

ウォルター・サレス(映画監督/ブラジル)

審査員構成オフィシャル発表。(99.04.16更新)

第52回カンヌ国際映画祭の審査員のメンバーが発表になりました。(AP発)

デビッド・クローネンバーグ(映画監督/カナダ)※審査員長

ドミニク・ブラン(女優/フランス)

ドリス・ドリー(映画監督/ドイツ)

バーバラ・ヘンドリクス(歌手/スウェーデン)※全回はアメリカ人とお伝えしてしまいましたが・・・

ホリー・ハンター(女優/アメリカ)

ヤスミナ・レザ(作家/フランス)

ジェフ・ゴールドブラム(俳優/アメリカ)

ジョージ・ミラー(映画監督/オーストラリア)

マウリツィオ・ニチェッティ(映画監督/イタリア)

アンドレ・テシネ(映画監督/フランス)

以上10名です。とりいそぎ名前だけお伝えしました。

バーバラ・ヘンドリックスさん審査員に。(99.04.12更新)

アメリカの黒人系ソプラノ歌手、バーバラ・ヘンドリクス(Barbara Hendricks)さんが、クローネンバーグが委員長を務める本年のカンヌ映画祭のコンペティション(長編)の審査員団の一員として迎えられることに。彼女は国連やユネスコでの活動も知られている行動派であるが、1987年のルイジ・コメンチーニの「ラ・ボエーム」出演以来カンヌ映画祭の場にもたびたび顔を出しているということだ。

またこれを報じたLE PARISIEN紙によればピーター・フォンダも審査員になるのではという説があり、フランス側からは監督ベルトラン・タベルニエが審査員に内定しているのではという噂があるがいずれも未確認情報。

ルイーズ・ブルックスを偲んで。(99.04.12更新)

本年のカンヌ国際映画祭では、1920年代なかばから30年代に活躍し、国際的成功をおさめたアメリカの女優、ルイーズ・ブルックス(LOUISE BROOKS※1906-1985)へのオマージュとして絶頂期の出演作が上映される。

パプストのDIE BUCHSE DER PANDORA(仏語題:LOULOU)、同じくパプストのDAS TAGEBUCH EINER VERLORENEN(JOURNAL D'UNE FILLE PERDUE)<以上1929年>、ジェニナ監督PRIX DE BEAUTE<1930年>の3本の予定。

カンヌ出品予想、最近は・・・。(99.04.05更新)

もうすぐ(22日)セレクションが公式に発表となりますが、以前は出品の可能性ありだったけど現時点で出品はないであろうという作品もでてきました。また出品がかなり濃厚という作品の噂もちらほら。(例によって“噂”ですから参考にとどめて下さい)

まずカンヌのお気に入り監督、イーストウッドのTRUE CRIME は仏公開も4月21日ということで出品はなし。(イヴァン・アタルも出演というのはガセだったかも)

オープニングではないかとささやかれていた目下歳の差恋愛真只中のジュリエット・ビノシュ&ブノワ・マジメルのLES ENFANTS DU SIECLE(ディアーヌ・キュリス監督)、サンドリーヌ・ボネールとカトリーヌ・ドヌーヴの大女優をそろえたEST, OUEST(レジス・ヴァルニエ監督)などは出品がないかも。ペドロ・アルモドバルの新作TOUT SUR MA MERE もコンペには登場しないとみられている。

クロージング作品候補だったSTAR WARS, EPISODE 1: THE PHANTOM MENACEも上映はなさそう。かわりにクロージングもしくはオープニングの候補として急浮上したのが故キューブリック監督の遺作 Eyes Wide Shut。この作品はヴェネツィア映画祭からもオープニングでの上映のオファーが来ているそうなのだが、ヴェネツィアだとアメリカ公開後なのでヨーロッパ・プレミアとなるが、カンヌで上映すればワールド・プレミア。編集が完璧であれば上映の可能性も高い。

またそれから日本側関係者からの情報によると、欧州でもすでに巨匠扱いの北野監督の「菊次郎の夏」は既に事務局に字幕付を送っていて、審査待ちとのこと。どのセレクションに入るかは不明。ただ、今回はアジア作品でのコンペへの有力作品はチャン・イーモウの新作だけらしいので、コンペ出品に残る可能性は濃厚と見られる。 さらに日本も出資しているピーター・グリナウェイ監督『8 1/2の女たち(仮題)』もカンヌ出品をほぼ手中にしているという噂。こちらもどの部門かはまだわからない。出演は真野きりな、伊能静、ヴィヴィアン・ウーほか、衣装は、ワダエミ。

前述のチャン・イーモウの新作NOT ONE LESS「一個都不能少(一人たりとも減らしてはいけない)」は本国でも出品内定かと騒がれている作品。ASIAN CINEMA EXPRESSによるとこんなお話。《四十年間小さな山村の小学校、先生から教頭、校長、掃除までこなす”高先生”は母親の危篤の知らせを受け、帰郷している間、代任する先生を捜したが13才の中学生”小魏”しか居なかった。家庭問題や経済の事情で二十ちょっとの学生たちが退学をしてしまうかもと思いながらも、仕方なく中学生に任せた。出発する前、”高先生”は”小魏”言った。「私が戻ってくるまで、一人たりとも減らしてはいけない」と...ドキュメントにも似た手法で撮影しているこの映画は実際、全員(総て素人)が本職の人で本名で出演している。》

まだまだコンペ出品の可能性を残している作品を一部紹介。→GOYA(カルロス・サウラ監督。撮影はヴィットリオ・ストラーロ)、Le Barbier de Siberie (ニキータ・ミハルコフ監督)、No one writes to the Colonel(アルトゥーロ・リプスタイン監督、G=ガルシア・マルケス作品を映画化)、 La Nurse (マルコ・ベロッキオ監督)、Felicia's journey(アトム・エゴヤン) Angela's ashes (アラン・パーカー監督、エミリー・ワトソン、ロバート・カーライル主演) The talented Mr. Ripley(アントニー・ミンゲラ監督、ごぞんじ「太陽がいっぱい」のリメイク) 、Dogma (ケビン・スミス監督)、 Moloch(アレクサンドル・ソクーロフ監督、ヒットラーとエヴァ・ブラウンが題材)、Mansfield Park (「月の瞳」のパトリシア・ロゼマ監督)、 Ghost dog (ジム・ジャームッシュ監督)、 Ride with the Devil(アン・リー監督)、 Old new borrowed blue (マイケル・ウィンターボトム)、Le Temps retrouve(ラウル・ルイツ監督) Away with words (クリストファー・ドイルの初監督作)

その他コンペ対象外でこんな監督の名があがっている→アルモドバル、ポランスキー、ソダバーグ、ニュイッテン、ジョン・セイルズ、ウェイン・ワン、ティム・ロビンス、スコット・ヒックスetc。

“監督週間”、オープニング作品決まる。(99.04.02更新)

昨年まで“監督週間”の指揮をとっていた名物ディレクター、ピエール=アンリ・ドロー氏は、カンヌの“監督週間”のセレクションにあたって、世界中から新しい才能を発掘してきて世に送り出してきた人物だが、オフィシャルのセレクションに関してはたびたび批判もしていた。そんな彼の後を受け(解任という噂も。)、今年99年から委員長の座についたのはサンフランシスコ映画祭でのプログラムディレクターとしての仕事が認められ抜擢されたマリー=ピエール・マシア女史。

トップが代わった今年の“監督週間”のオープニング上映作品に決定したのはフランス映画。エリック・ロメール作品で知られるプロダクション、Les Films du Losange製作、ロマン・グーピル監督のA MORT LA MORTが5月14日の上映で“監督週間”の幕を上げる。出演はグーピル、マリアンヌ・ドニクール、ブリジット・ルーアン他。

マスター・オブ・セレモニーにクリスティン・スコット=トーマス。(99.03.23更新)

カンヌ映画祭の華、開会式と閉会式のマスター・オブ・セレモニーにクリスティン・スコット=トーマスが内定していることが、式を生中継するCANAL+側から明らかにされた。

イギリス出身でフランスでも女優としてキャリアをつみ、近年「イングリッシュ・ペイシェント」「モンタナの風に吹かれて」など国際派女優として活躍めざましい彼女が、イザベル・ユペール、ジャンヌ・モロー、キャロル・ブーケ、サビーヌ・アゼマらそうそうたる女優陣が演じてきた棕梠の栄冠を司る女神に選ばれた。

カンヌ映画祭側のスポークスマンはこの件については4月22日の公式発表前ということでノーコメント。クリスティンもまた同じくコメントは避けているという話だ。

審査委員長、クローネンバーグに決定。(99.02.26更新)

第52回カンヌ国際映画祭の審査員長が、“ビザールの天使”デビッド・クローネンバーグ氏に決定した。

カナダ人として初のプレジデントの椅子を得たクローネンバーグ、96年のカンヌで「クラッシュ」が審査員特別賞を獲得しており、本年のベルリン国際映画祭で審査員賞(銀熊賞)に輝いた最新作 eXistenZもかつてはカンヌ出品が噂されていた作品。

また短編コンペティション部門の審査員長にはデンマークが誇る29歳の若手監督、トマス・ヴィンターベアが決定。ヴィンターベア監督作「セレブレーション」FESTEN(The Celebration)もまた昨年98年のカンヌで審査員特別賞に輝いている(※今年夏、ユーロスペースにて日本公開予定)。ちなみにこの部門の昨年の審査員長はジャン=ピエール・ジュネ。

ベルリンからのラブ(?)コール(99.02.07更新)

ベルリン国際映画祭のモリッツ・ド・ハデルン委員長は、2月10日に開幕する同映画祭へむけての記者会見のなかで、カンヌ映画祭への苦言をはさんだ。

氏は近年、ドイツ映画がカンヌのコンペティションへエントリーされる機会が極端に少ないことを不服として、もし今後カンヌ映画祭(とりわけジル・ジャコブ事務局長)がドイツ映画とその製作者を軽んじてエントリー作品に加えないという状況が続くようであれば、ベルリン映画祭側としてもフランス映画をボイコットするという事態も起こりかねないことを示唆した。

自国の映画POLA X(レオス・カラックス監督作)を、異例のぬけがけエントリーさせたことも氏の不満を煽ったらしい。ハデルン氏の発言が4月のカンヌの参加作品決定に影響を及ぼすのかどうか、なりゆきが気になるところだ。

なお、本年のベルリン映画祭のコンペティションに参加するフランス映画は3本。ベルトラン・タヴェルニエのCA COMMENCE AUJOURD'HUI、クロード・シャブロルのAU COEUR DU MENSONGE、新人トマ・ヴァンサンのKARNAVAL。他に仏語圏の映画としてはレア・プールのEMPORTE-MOI(カナダ)、フランシス・ルーセルのLA GUERRE DANS LE HAUT PAYS(スイス)がある。

こんな作品が登場しそう、という噂(99.02.01更新)

コンペティション参加作品、コンペ外招待作品含めて、メジャーな映画祭の常連監督がカンヌの時期に新作の完成があたっていると、“どうもこの映画は登場しそうだ”と自動的に噂になってしまうので、まったくアテになりませんが・・・でもそういう噂のでる作品というのは、その監督もさることながら、作品の規模やテーマ、出演者など話題性のある作品だから、というのもありますよね。

昨年暮れあたりから、これはクるのでは?とささやかれている作品たちです。

TRUE CRIME  クリント・イーストウッドの監督主演作。ジェームズ・ウッズにイヴァン・アタルも出演するそうです。

FELICIA'S JOURNEY カナダの新鋭アトム・エゴイヤンの新作はウィリアム・トレヴァーの小説の映画化。ボブ・ホスキンズ主演

THE STRAIGHT THING(またはTHE STRAIGHT STORY) デヴィッド・リンチ監督。

KIKUJIRO 北野監督の8作目は欧州でも大注目です。仏公開予定は秋なのですが・・・

LES AMANTS CRIMINELS 「ホームドラマ」が大評判だったフランソワ・オゾン監督。98年女優賞受賞のナターシャ・レニエ&「イゴールの約束」のジェレミー・レニエというベルギー系コンビが出演。

L'AUTRE エジプシャンの大作監督ユセフ・シャヒーンの新作。

STAR WARS, EPISODE 1: THE PHANTOM MENACE フランス公開が他国にかなりおくれた10月とアナウンスされ、仏のファンを落胆させたこれはクロージング作品候補。

POLA X  このレオス・カラックスの新作はすでにコンペティションへの参加が異例の先行決定してます。

LE TEMPS RETROUVE なぜか日本では公開作の少ない巨匠の一人、ラウル・ルイスの新作はプルースト作品の映画化。エマニュエル・ベアール、カトリーヌ・ドヌーヴ、ヴァンサン・ペレーズほか、怒涛の豪華キャストで攻めます。

LA LETTRE ご長寿マノエル・デ・オリヴェイラの新作は、「クレーヴの奥方」を翻案。出演はキアラ・マストロヤンニ、スタニスラス・メラールほか。

 

え、いいの?そんなに早く・・・という本当。(99.02.01更新)

とにかくおそろしく異例です。例年きっかり4月のXデーまで明らかにされない参加作ですが、今年は違います。

98年秋にすでにコンペティションの出品作が、1作だけ一足先に“正式に”エントリー発表されてしまいました。99年バージョンの最初の画像として公式サイトにアップされたことで、これは単なる噂ではなくなってしまったのです。

その作品が「ポンヌフの恋人」のレオス・カラックスの待望の新作、POLA X。

この経緯の裏には、撮影終了後ながくポストプロダクション状態が続くこの作品の公開時期が噂として流れては、また新しい日付が噂になるということが何度も繰り返され、カンヌ出品という事実で、これらの噂にクギをさす目的で公表されたという説もあるが、それ以外になにかあったかどうかはわからない。ちなみにフランスでの公開はカンヌと同時期、5月に組まれている。

それにしても、公式サイトで公表された時点で、この作品は完成前のポスプロ状態。そのため、この映画の日本側関係者もビックリしたらしい。

ギョーム・ドパルデュー、カトリーヌ・ドヌーヴの主演のこの作品は、日本でも年内にシネマライズで公開される予定。乞うご期待。


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