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本--歴史・時代
歴史小説、時代小説などを集めました。
ノンフィクションなどは他のジャンルにて書いています。
- 「竜馬がゆく」(文春文庫)司馬遼太郎
私が25,6の時です。初めて読んだ歴史小説がこの本です。それまで本屋に行っても全く関心のない分野であったのです。それからは一気にはまり込んで行きました。
歴史の扉を開けてくれた私にとっての記念碑です。(長谷川伸は「相楽総三とその同志」で゙、紙の記念碑といっておるのをふと思い出しました。)
司馬遼独特の人物歴伝、アクティブな人物にたいする暖かい視線。
自分と同じ年頃の人物がばたばた倒れ、進んで行く姿を発憤材料にしようという多分によこしまな気持ちで買い求めたのですが、それ以上のものを得る事が出来ました。
- 「真田太平記」(新潮文庫)池波正太郎
真田昌幸、信之、幸村とどれをとっても魅力あふれる人物ですが、誰に偏るわけでなく真田三代を堪能させてくれます。
全12冊。読み応え十二分です。
- 「天と地と」(角川文庫)海音寺潮五郎
川中島の合戦をクライマックスに、謙信の生涯が目の前に広がります。当初は謙信の一生を描く予定だったそうですが、あまりにも量が増えたためでしょう、川中島で終わっています。
- 「魔群の通過」(角川文庫)山田風太郎
幕末、天狗党を題材にした小説。(吉村昭「天狗騒乱」とあわせて読むとわかりやすいです。天狗党についてのお話は少ないので(研究者の書かれている難しそうなのは別に置いといて)あわせてお勧めします。
天狗党というのは水戸藩内の攘夷グループを指すのですが、藩内抗争が引き金になっている面が多いようで、なおかつ、同じ時期長州藩が暴れまわっているため、なかなか詳しい内容が伝わってこなかったのですが、これを読んで結構すっきり致しました。この時期の攘夷がらみの不穏な動きというのはそれ以外にもあり、表面に出ないものはそれこそ無数にあったと思われるほど沸騰していたのです。
個人(草莽の志士)から藩(雄藩)へ主体が変わっていく境の頃です。
- 「翔ぶが如く」(文春文庫)司馬遼太郎
西郷隆盛と大久保利通。周りの人物の行動、言動を通して二人の実像を浮かび上がらせるという形を取っており、自然、出てくる人間の数が多く明治人物伝の様相があります。
西郷サンについてはますます謎めいた人物に思える次第で、増田栄太郎の言葉「、、、3日接したらどうしようもない、、、」を聞くにつれ、逢ってみないとわからないという事なんでしょうか。
NHK大河ドラマの配役、西郷=西田敏行、大久保=鹿賀丈史は凄くはまっていたのでは。江藤新平を田中健が演じていたような。ただこの頃は歴史にはまっておらず数回見ただけなので見たいものです。
- 「地の果ての獄」(角川文庫)山田風太郎
山田風太郎さんの明治モノです。伝奇っぽいさをちゃんと出しています。
益満休之介という名前が出てきます。(薩摩藩の人。勝海舟とも交わっていた。幕末史にはちらちらと名前は出てくるのですがやった仕事の割には影が薄いのです。薩摩藩なのに。そして闇に埋もれたのです)
しかもキーパーソンとして。(だからどうしたと言われればそれまでですが、私には十分訴えるものがありました)
- 「実録 阿片戦争」(講談社文庫)陳舜臣
中国史は全く疎い私だったのですが、少しだけ扉を開けてもらいました。(なんたって、古く、長く、広い国ですから)
そもそも清朝と漢人の関係なんて事は考えたこともなく、そこえさらに西欧列強諸国が割り込んでくるわけですから。たまらんですね。
- 「城塞」(新潮文庫)司馬遼太郎
司馬遼の作品を書いていたらきりがないと思いつつ、適当に挟んで行きます。
大阪城があるゆえ、大阪の陣がおきたともいえなくはない。いやいや、徳川対豊臣の対決は大阪城の存在とは別に起こったでしょうが、大阪城が城内、あぶれ浪人、徳川家関係者に大きな影響を及ぼしたのは間違いのないことでしょう。なんてことがよくわかりました。
- 「一外交官の見た明治維新」(岩波文庫)アーネスト・サトウ
当時の日本という国を客観的に見ているだけに凄く面白く、それ以上に日本の知識(歴史とか文化、当時の状況)をよく理解しているには驚かされます。
日本という先々どうなるかわからない国へ行って一旗あげようという貪欲さがバイタリティーを生んだのでしょうか。
グラバー商人、スネル兄弟、函館戦争に従軍したフランス仕官、西南戦争における薩軍医師、立場、理由様々ですが、引き付ける魅力のあった国だったのです。
- 「燃えよ剣」(新潮文庫)司馬遼太郎
日野の英雄土方歳三を書かないわけにいかない。
池田屋の変から函館戦争まで、幕府側の再前線に常にいた男。近藤勇と袂を分かち東北を転戦して函館へ。
写真の顔からは想像できない芯の強さ。
「マカロニほうれん荘」の膝方さん(この字だったかな)のモデルであろう。(言わずもがな)
- 「峠」(新潮文庫)司馬遼太郎
北越戦争で官軍の大きな壁になった男。河合継之介のお話。
ガトリング銃をはじめ藩の洋式化を進たがため、7万石の身上で北越戦争を引き起こした。と書くと実も蓋もないが・・・。
もし、仮に彼が生きていれば明治の日本、ひいては今の日本は変わったのだろうか?
- 「一夢庵風流記」(新潮文庫)隆慶一郎
前田慶次郎を描いた快作です。
読み始めの動機は関ヶ原前後の奥羽戦線に興味をひかれたからなのだが。
上杉家が対徳川に備えて知名の有志を集めた中に前田慶次郎もいたわけである。
山田風太郎「叛旗兵」(角川文庫)と合わせて読むと良いかもしれない。
隆慶一郎氏の作品はもっと読んでみたかった。
- 「狂雲われを過ぐ」(新潮文庫)古川薫
幕末長州奇兵隊3代目総督の赤根武人の名誉回復は何故されなかったか。
現代の法廷に山県有朋はじめとする証言により維新史の暗部を暴く。
赤根の名前は幕末史においては高杉晋作とともについてまわる。
奇兵隊成立はもとより、公使館焼き討ち、4ヶ国戦争・・。
そして最後は長州を裏切り幕府のスパイ扱いにより、長州内で処刑される。
高杉の言葉「先に武人の心事を察すること能わず、その生命を保たしめざりしは遺憾なり」が心に残る。
- 「王の挽歌」(新潮文庫)遠藤周作
戦国時代、九州に覇を唱えた大友宗麟とその信仰を描く。
西洋文明がもたらす利益を求めることから、次第に本物の信者になる宗麟。
大友家を背負い毛利、竜造寺、島津との争い、当主として様々な謀略に手を染めざる得ないことへの捌け口。
キリシタン大名では高山右近の生き方が有名だが、宗麟の王国建設もまた真実だ。
- 「暗殺の森」(講談社文庫)古川薫
幕末天誅組の乱崩壊後、長州へ亡命した中山忠光。
その後長州の藩論は攘夷から佐幕へ、そして中山忠光の病死がその頃伝わる。
昭和11年、ごろつきの新聞記者である野見は中山忠光の病死に疑問を抱き真相究明に動く。
- 「柳生非情剣」(講談社文庫)隆慶一郎
氏の柳生もの短編集。これを読むつにつけてももっと書いて欲しかった。
柳生十兵衛、兵庫をはじめとして剣術に極めた柳生一族が生き生きと描かれており、あまり馴染みの無かった(私には)
新次郎厳勝「跛行の剣」は何度も読み返してしまった。
今回はここまでです。随時更新して行く予定です。
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