劇場版「大長編ドラえもんシリーズ」大事典

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1980年 第1作「ドラえもん のび太の恐竜」 

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1980年1月号〜3月号連載(全3回)187ページ
公開/1980年3月15日(94分) 配給収入/15億5000万円      
併映作品「モスラVSゴジラ」
OP主題歌「ぼくドラえもん」作詞/藤子不二雄 作曲/菊池俊輔 歌/大山のぶ代・こおろぎ’73
挿入歌「ドラえもんのうた」作詞/楠部工 補作詞/ばばすすむ 作・編曲/菊池俊輔 歌/大杉久美子

ED主題歌「ポケットの中に」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/大山のぶ代・ヤングフレッシュ
<ストーリー>卵の化石から生まれた恐竜の子供・ピー助を故郷の恐竜時代に返そうと、ドラとのび太はタイムマシンで1億年前、白亜紀へと向かった。
冒険の舞台/恐竜時代(白亜紀)
<解説>増刊少年サンデー1975年9月5日号に掲載された中編「のび太の恐竜」(てんとう虫コミックス「ドラえもん」第10巻の巻末に収録)を膨らまし、加筆して大長編に仕上げたのがこの作品。中編では「鼻でスパゲッティを食べる機械をだしてくれえ!」のシーンで終了しているので、それはもう大幅に加筆されている。この作品で名物道具のタケコプターが連続運転は8時間が限界だということが判明する。
各キャラクターの行動or役割or見せ場
ドラえもん:壊れたタイムマシンを直そうとするが断念。タケコプターをみんなに渡1億年前ののび太の部屋へ。
のび太:ピー助を1億年前の白亜紀に送り返すが、ピー助が心配で白亜紀に戻ってしまう。
しずか:1億年前で海水浴。「きせかえカメラ」で男ものの海水パンツをはいて大恥。
ジャイアン:のび太とドラの後についてきて、未来に帰れなくなる。
スネ夫:自分が恐竜の餌になる想像をして気絶する。
ゲストキャラクター/ピー助      敵/黒い男、ドルマンスタン    
ひみつ道具/タイムマシン、コンクフード、タケコプター、キャンピングカプセル
名セリフ:ムニャ。母ちゃんかんべん!!(ジャイアン)

1981年 第2作「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1980年9月号〜1981年2月号(全6回)188ページ
公開/1981年3月14日(91分) 配給収入/17億円5000万円
併映作品「怪物くん デーモンの剣」原作/藤子不二雄A
挿入歌「ドラえもんのうた」作詞/楠部工 補作詞/ばばすすむ 作・編曲/菊池俊輔 歌/大杉久美子
主題歌(挿入)「心をゆらして」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/岩淵まこと

ED曲「ポケットの中に」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/大山のぶ代・ヤングフレッシュ
<ストーリー>我等がジャイアンズ球場が中学生に乗っ取られ大ピンチのジャイアン。そんなおり、のび太の部屋が超空間の宇宙船と繋がってしまった。ロップル君の住むコーヤコーヤは、ガルタイト鉱石を狙うトカイトカイ星のガルタイト鉱業に狙われていた!重力の低いコーヤコーヤ星で、のび太がスーパーマンとして大活躍!
冒険の舞台/宇宙空間
<解説>前作の大ヒットを受けて作られた第2弾ギラーミンとの最後の対決は、かっこいいのび太が拝める数少ない名シーンだ。ただ、これは原作での話で、アニメ版では、ギラーミンの最期や、コア破壊装置のシーンはロップル君の手柄という表現になっている。ロップル君やチャミーとの別れなど、シリーズ中でも最も感動的な作品と言われている。
各キャラクターの行動or役割
ドラえもん:コーヤコーヤ星ではスーパーマンとなり、ガルタイト鉱業の手からロップル達を守る。
のび太:コーヤコーヤ星ではスーパーマンとなり、ガルタイト鉱業の手からロップル達を守る。
しずか:のび太のママに頼まれて、宿題をやらせるためにのび太を拘束する。
ジャイアン:重力が軽すぎて敵まで襲ってくる遊び場(コーヤコーヤ)に激怒し、のび太と絶交する。
スネ夫:重力が軽すぎて敵まで襲ってくる遊び場(コーヤコーヤ)に激怒し、のび太と絶交する。
ゲストキャラクター/ロップル君&チャミー 敵/ガルタイト鉱業、ギラーミン         
ひみつ道具/タイムふろしき、ジャイロカプセル、
名ゼリフ:となりの木を狙ったんだ(ロップル)

1982年 第3作「ドラえもん のび太の大魔境」 

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1981年9月号〜1982年2月号(全6回)187ページ
公開/1982年3月13日(92分) 配給収入/12億2000万円             
併映作品「怪物くん 怪物ランドへの招待」原作/藤子不二雄A
      「忍者ハットリくん ニンニン忍法絵日記」原作/藤子不二雄A
OP主題歌「ドラえもんのうた」作詞/楠部工 補作詞/ばばすすむ 作・編曲/菊池俊輔 歌/大杉久美子
ED主題歌「だからみんなで」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/岩淵まこと
<ストーリー>ジャイアンが発案した大探検旅行。野良犬ペコに導かれて、ドラえもん達はアフリカのジャングルの奥地を探検。そこには進化した犬達の国があった!
冒険の舞台/秘境(アフリカ)
<解説>「大探検」という単語が、一番しっくりくる名作。テムの滝、サバンナ、オドロンドロの谷、どれも印象深い。ヘビースモーカーズフォレスト といういかにもありそうな舞台を生み出したところも藤子SFらしい視点。映画になるとジャイアンがイイ奴になると言われるが、その節は、この作品から来ているし、また、この作品がその究極形態だろう。
大長編には珍しく、レギュラー陣が最初から最後まではぐれることなく、ひとかたまりになって行動している。
最期の大どんでん返しは、複線も絶妙で予想しがたく驚嘆。拍手を送りたい。
各キャラクターの行動or役割
ドラえもん:ペコに案内されて、巨神像の秘密を解くためアフリカへ!
のび太:ペコに案内されて、巨神像の秘密を解くためアフリカへ!
しずか:先取り約束機で10人の外国人の伝説を実現させる。
ジャイアン:自分のせいでピンチの連続になったことで、ひがんでしまう。
スネ夫:ペコに案内されて、巨神像の秘密を解くためアフリカへ!
出木杉:ヘビースモーカーズフォレストについて説明してくれる。
ゲストキャラクター/ペコ(クンタック王子)      敵/ダブランダー
ひみつ道具/先取り約束機、秘剣電光丸、自家用衛星、重力ペンキ、キャンプ帽子、電車ごっこロープ
名ゼリフ/ここでひとつ命おとす(スネ夫)どうせオレはもともと嫌われ者なんだ!!(ジャイアン)

1983年 第4作「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1982年8月号〜1983年2月号(全7回)205ページ
公開/1983年3月13日(95分) 配給収入/10億円           
併映作品「忍者ハットリくん ニンニンふるさと大作戦」原作/藤子不二雄A
      「パーマン バードマンがやって来た!!」原作/藤子・F・不二雄
ED主題歌「海はぼくらと」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/岩淵まこと
<ストーリー>夏休みに太平洋の海底でキャンプをしていたのび太達は、海底の国・ムー連邦の少年、エルと出会った。神秘的な海底で、バミューダ海域の復讐の神・ポセイドンの猛威を止めるためドラ達が立ち上がる!
冒険の舞台/海底の国
<解説>海底王国伝説をモチーフとしたSF作品としても一級の出来。また、ドラえもんの道具でありながら、ゲストキャラクター以上の活躍を見せたバギーの功績には大きいものがある。クライマックスのしずかちゃんの涙がストーリーを大きく盛り上げた感動の一作。ただ、残念ながら配給収入には結びつかなかった。実は単行本化された大長編ドラは、この作品が最初。
各キャラクターの行動or役割
ドラえもん:海の中で山に登ればいい。という事で海底探検に出発。
のび太:海底レジャー中、怪魚や巨大イカ、幽霊船を目撃する。
しずか:水中バギーに恋心を持たれ、最後には、バギーに命を救われる。
ジャイアン:勝手にバギーに乗って大西洋に向かい、窒息して死にかける。
スネ夫:勝手にバギーに乗って大西洋に向かい、窒息して死にかける。
ゲストキャラクター/エル 敵/ポセイドン
ひみつ道具/水中バギー、テキオー灯、カメレオン帽子
名セリフ:死ヌンデスカ?人間ナンテ アッケナイモノデス・ネェ〜(バギー)

1984年 第5作「ドラえもん のび太の魔界大冒険」 

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1983年9月号〜1984年2月号(全6回)189ページ
公開/1984年3月17日(99分) 配給収入/16億円
併映作品「忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ」原作/藤子不二雄A
ED主題歌「風のマジカル」作詞/湯川れい子 作曲/NOBODY 編曲/鷲巣詩郎 歌/小泉今日子
<ストーリー>のび太が「もしもボックス」で、魔法の世界を作り出した。しかし、そこでは魔界の悪魔が地球を我がものにしようと侵略を始めていた。
冒険の舞台/魔法文明
<解説>世界観やキャラは勿論のこと、複線の張り方や、どんでん返しの連続で構成されるストーリーは、まさしくハラハラドキドキされられる。「まんが」としての面白さを実感できる大長編シリーズの最高傑作と謳われる作品。どこを見ても名場面というのが凄い。前作の興業的な失敗を受けて、ヘタをするとこれが最後のドラ映画だったらしい。エンディングテーマは、小泉今日子の「風のマジカル」だが、版権の都合上ビデオ収録の際「大魔境」の主題歌「だからみんなで」に差し替えられているため、若いファンは「だからみんなで」が主題歌だと思っている人も多いのではないだろうか?(実は筆者がそうだったりする(爆))余談だがビデオ版では「だからみんなで」は主題歌としての表記すらされていないのに対して、小学館から発売された「てれびくんデラックス」のアニメ絵本ムックには堂々と主題歌として楽譜まで掲載されている。そうまでして事実を隠蔽したかったのか?小学館。
各キャラクターの行動or役割
ドラえもん:もしもボックスで現実を魔法の世界に変える。
のび太:魔法の勉強を頑張るが、しずかちゃんのスカートをめくるのが精一杯。
しずか:のび太の魔法によリ、何度もパンツを見られる。
ジャイアン:銀の矢で大魔王デマオンの心臓を打ち抜き、とどめを刺す。
スネ夫:魔法の世界での優等生。
出木杉:魔法があり得ないことをのび太に説明。
ドラミ:もしもボックスで魔法の世界を現実に戻してくれる。が…。
ゲストキャラクター/美夜子、満月博士 敵/大魔王デマオン        
ひみつ道具/もしもボックス、道路光線、石ころ帽子、ビッグライト
名セリフ:チンカラホイ!!
入場者プレゼント/ぼくたち地球人バッジ

1985年 第6作「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」 

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1984年8月号〜1985年1月号(全6回)187ページ
公開/1985年3月16日(99分) 配給収入/12億円
併映作品「忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵」原作/藤子不二雄A
ED主題歌「少年期」作詞/武田鉄矢 作曲/佐孝康夫 編曲/桜庭伸幸 歌/武田鉄矢
<ストーリー>のび太の家に逃げ込んできた小さな宇宙人・パピはピリカ星の大統領。PCIAによるピリカ星のクーデターにより地球へと脱出させられたのだ。それを聞いたドラ達は、スネ夫のプラモデルを兵器に作り替えて、ピリカ星へ出発!
冒険の舞台/ミクロ宇宙
<解説>藤本先生のセンスが光る作品。ストーリーは革命や戦争を取り上げ、ついに政治関係にまで手を伸ばし始めたが、序盤はアマチュア映画製作などの興味ある題材から持っていくなど、物語に入り込みやすくしている。ポイントはスネ夫の大活躍にある。しずかちゃんを守る唯一の男として立派な戦役を上げた。この名シーンでいつもは嫌いなスネ夫を応援している自分に気が付いた事がある人は多くいるだろう。他にもキャラクターや設定、デザインや、最後の大どんでん返しなど見所の多い一作だ。巨大なメロンや牛乳風呂など、子供に夢を与える要素もバッチリ。この作品で初めて、今まで作詞のみに関わっていた武田鉄矢が主題歌を歌った。「少年期」は、イントロの時点で泣かせる、主題歌中屈指の名曲とされている。
各キャラクターの行動or役割
ドラえもん:ピリカ星に忍び込み、自由同盟と結託するが、ドラコルルに見つかり処刑されそうになる。
のび太:ピリカ星に忍び込み、自由同盟と結託するが、ドラコルルに見つかり処刑されそうになる。
しずか:プラモの戦車に乗り込み、のび太達を救うためにPCIAと宇宙空間で大激戦!!
ジャイアン:ピリカ星に忍び込み、自由同盟と結託するが、ドラコルルに見つかり処刑されそうになる。
スネ夫:プラモの戦車に乗り込み、のび太達を救うためにPCIAと宇宙空間で大激戦!!
ゲストキャラクター/パピ、ロコロコ         敵/PCIA                    
ひみつ道具/スモールライト、チータローション、片づけラッカー、壁紙格納庫
名セリフ:ねっ聞いた?ぼく大男だって!!(スネ夫)
入場者プレゼント/ドラハッパーともだちカード

1986年 第7作「ドラえもん のび太と鉄人兵団」 

原作/藤子不二雄(藤本弘)月刊コロコロコミック1985年8月号〜1986年1月号(全6回)
  ザンダクロスメカニックデザイン/たかや健二
公開/1986年3月15日(99分) 配給収入/13億円    
併映作品「プロゴルファー猿 スーパーGOLFワールドへの挑戦!!」原作/藤子不二雄A
      「オバケのQ太郎 とびだせ!バケバケ大作戦」原作/藤子不二雄
ED主題歌「わたしが不思議」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/大杉久美子
挿入歌「ポケットの中に」作詞/武田鉄矢 作・編曲/菊池俊輔 歌/大山のぶ代・ヤングフレッシュ
<ストーリー>のび太が北極で拾った巨大ロボット、名付けて「ザンダクロス」は、実は地球支配を目論む鉄人兵団の兵器「ジュド」だった!謎の少女・リルルとの微妙な関係を交えながら、ドラ達は地球を守るために、ロボット軍団との激闘を開始する。
冒険の舞台/鏡面世界
<解説>藤子作品としては非常に珍しいロボットもの。ひょんな事からロボットのパーツがひとつずつ届き、それを能天気に組み立てていくのび太たちだが、それが予想もしない事件へと巻き込まれる布石となる。知能を得たロボットと愚行を繰り返す人間の対立という「鉄腕アトム」の頃から描かれる問題に真っ向から立ち向かった作品。毎度お馴染みの戦闘シーンも鏡面世界とはいえ世界中の都市を壊滅させるなどシリーズ随一の激しさを誇る。ラストは今作のヒロインであるリルルが改心し、未来を変えてしまうというある種反則的なものだが、これによりリルルとの別れが更に涙を誘うものになった。主役メカであるザンダクロスのメカデザインは、藤子スタジオ(当時)に在籍していたアシスタントのたかや健二氏によるもの。
各キャラクターの行動or役割
ドラえもん:ザンダクロスを置いておくために、鏡面世界を作る。
のび太:ジュドのパーツを組み合わせ、自分のロボットを手に入れる。
しずか:リルルのお守りを任される。
ジャイアン:ミクロスでのび太をいじめる。
スネ夫:ミクロスでのび太をいじめる。
ゲストキャラクター/リルル 敵/鉄人兵団
ひみつ道具/空気砲、山びこ山
名セリフ:ザンダクロス!信号を止めろ!!(ドラ)危険があぶない!!(ドラ)全部タダでございます(ドラ)
ミクロス、GO!!(スネ夫)
入場者プレゼント/3Dメガネ(※3Dアニメ映画だった「オバケのQ太郎」を観る為に必要)

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資料=てんとう虫コミックス「大長編ドラえもんシリーズ」/てんとう虫コミックスアニメ版「映画ドラえもんシリーズ」
コロコロコミックデラックス「映画ドラえもんシリーズ」/てんとう虫ブックス「藤子不二雄Fまんがゼミナール」
月刊コロコロコミック/ワンダーライフスペシャル「藤子・F・不二雄の世界」/「映画原作ドラえもん のび太の宇宙漂流記」(以上小学館)
「20周年だよ!ドラえもん ザ・ムービー」(キネマ旬報社)アニメージュ(徳間書店)劇場用パンフレット(スタジオジャンプ)
テレビアニメ「ドラえもん」(テレビ朝日)劇場用下敷き(東宝)「ドラえもん誕生」/「ドラえもん大活躍」(以上日本コロムビア)
「ドラえもん映画主題歌集」(ポリドール)