コピックの塗り方

ちば けいすけ
<chowder@mtj.biglobe.ne.jp>


図1 塗った例(部分, 300dpi)
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Too社のアルコール系マーカー・コピックを使って、 コピー用紙で輪郭線に囲まれた領域を均一に塗りつぶす方法について説明します。 図1に実際に塗りつぶした例を示します。

1.重ね塗り

コピックは、時間をおいて重ね塗りをすると色が変わります。

図2は、 どれくら時間をおいて重ね塗りをすると色が変わるかを実験した結果です。 温度や湿度、もしかしたら色によっても違うかもしれませんが、 5秒以内なら重ね塗りをしても色が変わらないようです。


図2 塗り重ね (クリックで拡大)

2.前線


図3 前線

輪郭線で囲まれた領域を塗りつぶすとき、 塗っている最中は、 すでに塗られた領域とまだ塗られていない領域との境界線が必ず存在します。 この境界線を私は勝手に前線と呼んでいます(図3)。

コピックで均一に塗りつぶすということは、要するに 「前線が乾かないうちに少しずつ塗り重ねていく」 ということです。

以下では、 前線が乾かないうちに少しずつ塗り重ねていくことが、 どうすれば楽にできるかについて説明します。

3.塗り方

前線が乾かないようにするには、 前線が長くならないようにしたほうが楽です。 細長い形を塗るときは長手方向に塗っていくと前線が長くなりません(図4)。


図4 細長い形

図4でジグザグに塗っているのは、 輪郭線付近では輪郭線と同じ方向に塗っていかないとはみ出しやすいからです。

複雑な形の領域を塗りつぶすとき、 前線が二つ以上に分かれる場合があります。 このようなときは、 それぞれの前線を平行して進めていかなければなりません(図5)。

領域の中に輪郭線の一部がある場合、 そこで領域が分割されていると考えたほうが塗るのが楽になる場合があります(図6)。

とても大きな領域を塗るとき、 すべての前線を同時に進めていくのがしんどかったら、 前線が極端に短くなる場合はある程度ムラになっても見栄えがあまり変わらないので、 境界線に近いものと考えて、時間をおいて重ね塗りをしてもかまいません(図7)。

図5 前線が分かれる
図6 輪郭線で領域が分割される
図7 短い前線

図8 広い領域

いちばん大変なのは、 広い面積で特にどの方向にも長くなく、中に輪郭線のあまりない形です。 その場合は、がんばってひたすら急いで塗っていくわけですが、 常に同じ方向に塗っていくよりは、ときどき向きを変えたほうが、 ムラが目立たなくなるようです(図8)。

4.その他注意すること

輪郭線で囲まれたひとつの領域を塗りつぶす途中で中断すると、 色がムラになります。 したがって、塗っている最中で電話が鳴ったりお客さんが来たりしても、 決して中断してはいけません。

塗っている最中にインクが切れると失敗です。 したがって、大きな領域を塗るときは、 最初にインクがたっぷり入っていることを確認しておくか、 同じ色のペンをもう一本用意しておくべきです。

それでもうっかり失敗してムラになってしまうことがあります。 輪郭線が真っ黒でよければ、 線ができた段階でコピーをとり、 コピーのほうに色をつければ、 線がうまくいったのに色で失敗するという悲しい思いをしなくてすみます。

それでも、それでもムラができてしまって、 これ以上塗りなおす時間また気力がない場合は、 パソコンに取り込んでPhotoshopなどでレタッチしてください。 私もときどきそうしています (私はPhotoshopを持っていないのでPaint Shop Pro を使っていますが)。