ツアーオブジャパン市民大会('99.5.23)@大井埠頭



 え〜、早いもので、もう3ヶ月以上ぶりのレースとなってしまった。身体なまってるんじゃないだろうか?

 ちなみに、ツアー・オブ・ジャパン市民大会は大井埠頭の公道を通行止めにして行う、公道レース。非常に珍しいというかありがたいチャンス。その後に本チャンのツアー・オブ・ジャパン東京ステージが開催されるということもあってギャラリーも多いレースだったりする。
 そういうわけもあってか、この大会の出場希望の人は多いらしく、各クラス抽選で当たった人が出場できる大会らしい。

 ・・・・幸か不幸か当たったんですわ、抽選(^^;)

 ちんた、なにげに平地のレースは初めてである。なにぶん大井埠頭であるから平地も平地、真っ平らのコースだ。こんなコースでみんなどんくらいのスピードで走るのだろう?スタートしていきなり40km/hとか出されたらその場で終わりだな(^^;)。なんか、何度シミュレートしても絶望的な展開しか想像できない(^^;)。
 レース前まで、あまり明るい気分では無かったわけだ。

 当日。自宅から自走でレース会場に向かう。これはやっぱ東京でレースが開催されることの大きなメリット。妙な早起きをしなくていいんだもんねぇ。旧海岸通りをさくさくと漕いで30分くらいで大井埠頭の大会受付に着いた。
 まだ、受付も始まって間も無いというのに、もう、大勢の人が集結している。みんながみんな自分より強そうにしか見えない。うーむー(^^;)。

 ちんたも受付を済ませて、朝食などをほおばる。そして、試走に出る。

 今回のレースコースは大井埠頭の広い道を走り続けるコース。1周10kmのところを3周する。とりあえず、1周くらいはぁ・・・と思いつつへろへろと漕ぐ。たまぁに同じく試走しているの後ろに付いてみては他の人の走りを見物してみたり・・・。そして、たまにもがき等も入れてみて自分がどれくらいのスピードまで我慢できるか・・・なんてのも試してみる。
 う〜ん、実際他の人のスピードってどれくらいなのかなぁ?もう、不安の99%までがそこに集中しているちんた(←気持ちからコールド負け)

 しかし、まぁ、何というか試走の時は妙に調子がいいちんた(現金)。お天気もいいし(ツーリング気分!)

 なんだかんだ、うろうろとコースを回り、2周半、25km位は走ったんじゃないだろうか?ちょうどいい感じで一汗流して、とりあえずウォーミングアップとしてはこれ以上ない感じで試走を終える。
 ま、試走云々より、レースのスピードなんだけどさ(^^;)(←まだ不安)

 午前9時になるとコースクローズというか、警察車両が各所で道を通行止めにして、本日のレースコースが完全なクローズドサーキットになる。それとほぼ時を同じくしてスタート地点に選手がわらわらと集まり開会式。
 ちんた、ほとんど開会式なんか聞いてないわけで、ひたすら「うーむー、この人達、どれくらい速いスピードで行っちゃうのかなぁ〜」なんてコトばかり考えるちんた。きょろきょろしてひたすら自分と同じくらい弱そうな奴を捜そうとするのだけど、自分より弱そうな奴がいないこの現実。あうあう。うー、明らかに自分よりも強そうな奴に囲まれるぢぶん、スタートしてどんな目に遭っちゃうか不安でしょうがないぢぶん。う〜ん、なんだかW杯に出た日本代表のキモチ(ホントかい!?)。

 そうこうするうちに前のクラスがスタートして、いよいよ次は自分のクラスのスタートの時間。うー、スタートラインに付く足取りが処刑場に向かう死刑囚のそれのようである(^^;)。

 「ぱーん」

 乾いたピストルの音と共にスタート。自分も、自分の周りもいっせいに自転車を前に進める。
 ここで、ちんた早くもピンチ。普通、ロードレーサーはペダルが靴とくっつくようになっている(このくっつける部分をクリートとゆう)。で、このクリートがスタートしてなかなか拾えないちんた。この時点で既に後方において行かれる。あわわわわ。とりあえず、クリートを拾えないままペダルを回して、少し進んだ地点でクリートをキャッチすることに成功。

 おいて行かれたので、少々踏み込む。おやおや、なんだか思ったよりも遅い・・・感じ。スタートして200mで判断するのもナンだけど、とりあえず、修善寺の時のようにスタートして500mで一人旅の始まり・・・なんてことは避けられそうだ。
 うむー。いったい、これだけのスピードってどれくらいなんだろう?とスピードメーターを見るとスピードメーターの表示は0km。あり?(^^;)どうしたこったい、試走前にあれほど調整したのに。まさか、レース中に下りてメーターのセンサーを調整するワケにも行かず、意味も無くメーターをポクポク叩くちんた。ポクポク。治らない。ポクポク。0km。うむー(^^;)。結局、スタートしてから2km地点にある最初の折り返し点が近づくまでメーターをポクポクやり続けてやっとメーターが表示を取り戻す。

 メーターによれば30km/hなんだそうな。確かについて行けてるもんな。そんくらいのスピードだよな。ああよかった(^^;)。

 そして、ちんた、今回のもう一つの難題はほぼ初めての集団走行である。なんかひたすら恐そうなので、こちらもまたどうなっちゃうかわかったもんじゃないんだけど(最悪、骨の一本や二本は勉強代だとマジで腹をくくっていた)。
 これが走ってみると何とかなりそうだ。
 比較的、自分でもついていけるスピードだからそういうのを見る余裕があるのかも知れないが、自分の前を行く選手の進路変更に対応したり、自分が進路変更をする時にきちんと両後ろを確認してみたり。とりあえず、そういうコトはなんとかやってるみたいだ。

 集団の中を走っていると、ちんたはいつの間にか端っこの方にいる。なんだか真ん中の方より端っこの方が若干隊列としての流れが速い感じ。端っこの方に居るせいもあるけど、ここなら急なペースの変化にもなんとなく対応できそう。前の方も見えるしね。
 おお、なんだか走れてるジャン。みたいな。

 少なくともこのペースで走ってくれる限りはまだ「レース」ができそうだ。あと2割増くらいまでならなんとかついて行けるだろう。・・・というか平地のスピードレースは先頭集団から離れてしまったらそこでおしまい、ついていけるだけついて行かなくては。でもって、ついて行けそうだ・・・うれしい(^^;)。

 折り返してスタート地点のちょうど裏にあたる大会本部前を集団の中で過ごしながら通過していく。うおー、良かったぁ。1周目の折り返しから一人旅などという姿をギャラリーにご披露しなくてすんだぁ。
ほっと安堵のちんた。

 その後もちんた、位置取りとして端っこが気に入ったのか、端っこに居座る。
 いよいよ5km地点となり、右に大きくカーブして城南島に向かうところ。

 ガコーン!ぱすー

 強烈な衝撃と共に、聞き覚えのある悲しい音(^^;)
 周囲で「パンク!」「パンク!」の声。後続がみんなちんたを避けていく。

 ちんた、ぺしゃんこになったタイヤを眺めつつスローダウン。
 つい、一瞬前まで、自分もその真ん中にいたはずの集団がつーと走り去っていく。

パンクリタイア

 ぼーーーーーー

 呆然とするちんた。キャッツアイを踏んでしまったらしい。
 前方不注意だったのか。キャッツアイを踏むなんてあまりにもまぬけ。前方不注意であった自覚は無いけれども、前後左右、気を配りすぎるほどに見ていたのだけれども、結局は注意を払うべきものに対して注意を怠っていた、ということか。

 ぼーーーーーー

 ついていけると思ったんだけどなぁ・・・・・。
 ここのカーブは2度3度と試走したんだけどなぁ・・・チェックすべきコトをチェックしていなかったということか。

 「ここのパンクは君で今日二人目だよ」

 近くにいたコミッセールのおじさんに声をかけられる。
 そーなんだー。それにしても、いくら集団の端っこがいいからと言って、あの広い道路のわざわざキャッツアイのある路肩を・・・・。
 悔やんでも悔やみきれない思い。

 

 折り返して走ってくる、自分がそこにいたはずの集団をぼーっと見送るちんた。

 これはこれで最悪だよな。若干の手応えがあったことだけが唯一の収穫か。

 つぶれた前タイヤを引きずりながら大会本部の方に歩くちんただった。
 (いや〜、歩くと遠いこと遠いこと(^^;)>大井埠頭)

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